第11話 大喧嘩
ほのかは俺に問う。
「愛ってなんですか?」と。
俺は改めて考えてみる。
愛か...、と。
それからまた座った俺達は談笑していた。
「...その。和彦さん」
「なんだ?」
「変な質問をしてごめんなさい」
「変な質問?」
「愛って何ですか?って質問です。そんなもの分かりませんよね」
「...いや。...俺なりに答えは考えたよ」
「え?」
「愛っていうのはやっぱりお互いに以心伝心出来る事が愛じゃないかな」
「...!」
そう。
きっと以心伝心出来る様になるのが愛だ。
そう考えながら俺は俯く。
それから顔を上げた。
「ほのかの愛は十分に分かる。ありがとうな」
「...和彦さん...」
「俺はお前の愛情は本当に強く感じる。...俺に対して無条件の愛を注いでいるってな」
「はい...」
だからこそ。
俺はそう考えながら「ほのか」と俺は真剣な顔をする。
それから俺は「...俺はまだ愛は分からない。...そんな俺で良いなら付き合おうか」と言葉を発した。
するとほのかは「え」と絶句する。
「本当に...良いんですか?」
「俺は萌と付き合う運命になると思う。だけど萌にはもう関わりたくない。その代わりになってしまうのが本当に悔やまれるけどお前と付き合う事は悪くない気がするんだ」
「...分かりました」
そしてほのかは俺の手を握ってくる。
それから顔を近付けてまたキスをした。
ほのかは「...私で良かったら。...今度こそ貴方を幸せにします」と笑顔になる。
俺は微笑みながら「ああ」と返事をした。
そして俺達はこの日。
恋人同士になった。
☆
姉が帰って来るという事で俺はほのかと姉妹の母親に挨拶をして家に帰った。
それから俺はスマホを開ける。
そこに...さっき2人で撮った写真がある。
俺は苦笑しながらその写真を見る。
そして俺はスマホを閉じてから勉強を始めた。
こんな数奇な運命を辿るとはな。
そう考えながら俺は教科書を開いてラジオを流し。
勉強を始めた。
するとその2時間後。
インターフォンが鳴った。
「...?」
家族が居ないので俺が出るしかない。
宅配便か?、と思いながらインターフォンを覗く。
そして凍り付く。
そこに居たのは...萌だった。
「...」
俺はインターフォンを静かに眺める。
するとまたインターフォンが鳴る。
俺は仕方がなく「はい」と言う。
萌は「開けて」と話す。
「...なんだコイツ」
命令形とは?
考えながらもドアを開ける。
そこに居たのは長髪の厳つい顔の女。
まさに萌だった。
俺は何事もない感じで振る舞う。
「...初めましてだな」
「いや。私は初めてじゃない」
俺は体に嫌な汗が伝う。
それから「それはどういう意味ですか?」と聞く。
すると萌は「とぼけないで良いから。なんで私達タイムリープしたか知ってる?」と答えを直球で聞いてくる。
コイツ...。
「...なんでお前まで記憶を持っている」
「知らない。なんでか気が付いたらこの世界に居た」
「...自分が何をしたか知っているかお前は」
「貴方のちん〇が小さいから他でセックスしただけ」
「外道だな。...何回か死んでくれるか?」
「貴方のせいじゃないかなって思って来たんだけど。解決法知らないんだね」
「知るか。お前のせいで自殺する羽目になったんだから」
「私の妹をくすねてよく言うね。貴方」
つくづくコイツと結婚したのが悔やまれる。
そう考えながら俺はイライラしながら萌を見る。
萌は「せっかく良い気分だったのになんでこんな事に」と苛立っている。
コイツマジに殺したろうか。
「...帰ってくれるか。お前にはもう二度と会いたくない」
「そういう訳にはいかないでしょ。私が元の世界に帰るまで」
「他人の事を考えないお前は死んでも同然だ。俺はお前に協力はしない」
「...」
萌は顔を上げて俺を見る。
すると「お姉ちゃん」と厳しい声がした。
顔を上げて横を見るとほのかが立っていた。
俺達を見てから「お姉ちゃん。貴方も前世の記憶があるんだね?」と言うほのか。
萌は「そうだけど。何か?」と聞いた。
「質問に答えて。1個だけだけど。...貴方は何故、和彦さんを裏切ったの」
「和彦はセックス下手だし」
「...外道極まりないね。それが答え?」
「そう。...この世界の貴方には関係ないでしょ」
「この世界だろうがなんだろうが和彦さんは私の恋人になった。だから貴方がごちゃごちゃ言う資格は無い。そして私の許可無しで彼に近づかないで」
「へえ?ほのかはいつからそんな生意気に?」
「生意気じゃない。貴方は姉として認識出来ない」
そしてほのかはイライラする感じで萌を見る。
萌は「...」という感じで薄ら目になりながらほのかを見る。
それから萌は「コイツの何が良いの?」と言った。
まさかの言葉に俺は「お前」と言う。
その前に見開いたほのかのビンタが萌に飛んだ。
え。
「元旦那さんでしょうが!!!今のは流石にクズ過ぎる!謝れ!!!」
「痛いなぁ...マジふざけんな」
「アンタマジふざけんな!」
そしてほのかは萌の胸ぐらを掴んだ。
それからほのかは萌にまたビンタをぶちかまそうとする。
萌はほのかの胸ぐらを掴む。
つまり喧嘩状態に入った。
俺は流石に見てられず止めに入った。
「アンタうざいね。...アニメアニメって子供か!キモイ」
「貴方だって浮気して汚らわしい!」
ほのかと萌は服を乱れさせてぜえぜえと息を吐く。
それから睨みあう。
するとほのかは「...家から出て行ってくれる?アンタと生活したくない」と怒る。
萌は「...あの家は私の家だから。アンタが出て行け」とまた掴みあおうとする。
俺は2人を引き離してから「落ち着け」と言う。
「いったん落ち着け。...とにかく何も解決しない」
「...和彦さん。コイツ許せない」
「私もアンタは許せない」
そしてほのかが言い捨てた。
「もう良い。アンタみたいなのと一緒なら出て行く」と言う。
それから「死んでよ」と呟いて泣き始める。
俺はその姿を見てから萌を見る。
萌は「は」と吐き捨ててから「じゃあ出て行ったら?」と薄ら笑いを浮かべた。
こんなにも下種野郎だとは思わなかった。
これがコイツの本性か...。
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