第2話 事の始まりは

僕の…いや俺の名前は中ぎ……、立儀琢磨

何処にでもいる普通の高校生で今年で3年になった18歳の男子高校生だ。


俺は自分が恵まれた存在で物語の主人公みたいな存在だと思っていた、そう思っていたんだ。


俺は物語の主人公でも恵まれたリア充でもない。

ではモブか?

コレも違うと思う。

モブというのは主人公を賑やかす存在としての役割を与えられ、影で決して目立たずあくまで主人公を引き立てる役に終始している。


そもそもにおいて俺の主観ではこの世界には少なくとも主人公に当たる存在が不在だ。


故に俺にはモブとしてのキャラ付けすらされていない。

おそらくこれから現れる主人公に対して俺の役割が決められるのだろう。


そして俺が自分を主人公では無いと結論付けした理由だがそれは俺の家だった場所にある。

普通の物語では先ずもってあり得ない珍事が毎日の様に行われる。

そんな珍事の渦中にいる俺が主人公な訳が無いのだ。

毎日行われる珍事。

それは一般家庭に生まれた者なら当たり前の空間で毎日の様に催される。



ソファの軋む音、そして

肌と肌がぶつかる音が聞こえる



どうやらあの猿どもはまたやってるらしい、野生動物同士が人間のフリをして盛りあっている。

耳障りな音を発しながら…。

因みにこの汚らわしい音の発生源は義理の弟と実妹の声だ。

長時間聞いていて気分の良いモノではない

俺は直ぐに自室に向かう。


因みに自室についてもこの地獄は続く


となりの義兄の部屋からも聞こえて来るのだ。

あのおぞましい音が。




隣の部屋は義兄が使っている

元々は死んだ親父の部屋だったがあの長男猿が我が物顔で使っている。

因みに長男猿がヒイヒイ言わせているメス猿は隣の家に住んでる幼馴染の彼女だった筈の何かだ。

アレは義兄と盛大に浮気をし、事もなげにこう言い放ったのだ。


「いつまでも死んだおじさんの事を引きずってイジイジしてるアンタより智也さんのがカッコいいんだしアンタみたいなのにとやかく言われる筋合いはないわよ!いつまで見てんのよこのスケベ、早く出て言ってよ!」



と、これまた中々に面白い事を言い放った。


勿論こんな事を言われていつまでも幼馴染を好きでい続けていられる程俺は愛情深くない。

NTR物のネトラレ主人公はこの状況にほだされ興奮して性癖の歪んだ負け犬になるのが定石だけどそんなのは所詮フィクションで彼女を奪われて興奮する変態なんているわけもない。

それに幼馴染など古馴染みであるだけの他人だ。

大人になれば疎遠にもなる、それだけの存在だ。


まぁ判明した当初は涙が勝手に目から流れるし一ヶ月はお腹に何も入らない日々が続いたが……。




これに加え夜は義父と実母が義理の兄弟達と妹も交えて盛大に盛るのだから始末に負えない。

この家はいつからか猿の楽園と成り果てていた。

因みに俺はその猿に含まれていない。

何故かって?

そんなの決まっている。


俺が未だに童貞だからだ。

この家の中で俺だけが童貞を貫いている。

別に清純ぶってるわけじゃない、こんなもの捨てられるならとっくに捨てている。

つまるところここは俺だけが童貞で有る事を強制されている地獄だ。

この家に俺の居場所はない。

中岸家の奴等もそんなのに染められた雌ザルからも相手にされないのがこの俺…立儀琢磨という存在の全てだ。



つまらない事を考えていたら気づけばバイトの時間だ。

俺はカップラーメンで腹を満たしそそくさとこの猿の楽園から出ていく。


頑張ってバイトをしてお金を稼ぐ。

子供の頃から貯蓄した資金は十分に溜まった

俺は来月にこの猿の楽園から抜け出し一人暮らしを始める。


止められることは無かった

というより誰も俺に興味なんて無い

喜んでいる様にすら見えた

あさましいメスとオスの溜まり場、あそこは人間のいるべきところでは無い


だから俺はこの家中岸家から出て行くと決心したんだ。

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