俺が読んでいたライトノベルをえっちだから没収!と言った委員長系女子がライトノベルガチ勢になるまで。

田村氏

俺が読んでいたライトノベルはいかがわしくなんてない。

 俺はとある一般学生。趣味はラノベ、美少女、アイドル、アニメ、etc……


 高校生になって1ヶ月が経ち、オタクの友達もでき始めたので、俺は朝読書の時間にライトノベルを読むことにした。

 

 俺だって空気くらいは読むのだ。初日でライトノベルを出すやつはわざわざ自分の性癖を曝け出して友達を作る必要があるからな。そりゃ友達だって少なくなるわ。


 俺が持ってきたラノベは、

『転生しても俺はまだ君のことを忘れられない。だから君を異世界に呼び出しました!』


 だ。正直、昨今流行りのものとは大分かけ離れているが、個人的にはお気に入りの1作だ。特に主人公がクズなところが。そしてそれが救われないのも素晴らしい。


 まあ表紙は何故かヒロインが肌を露わにして謎の魔法陣に吸い込まれるところと、少しいかがわしいように見えなくもないが、別にエロ本を持ってきてるわけでもないしな。


 と、俺は優雅に読書を開始しようとした。———が、すぐに何者かに邪魔されてしまった。


「ねえ、ちょっと————」


 こ、こいつは——! 


 

 誰だ? えーっと、確か……


「委員長? どうしたよ急に、俺は読書で忙しいんだよ」


「ええ、そう。用と言う用は一つしかないの、あなたが持っているいかがわしい本を没収します」


「え? エロ本じゃないよ?」


 思わず口に出してしまった。

 

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