それは、夏休みの宿題にも似て
今年も異常気象の夏。もはや異常ではなく、尋常。終末というのはなにも隕石衝突のように劇的でもなく、こうして緩やかに訪れるのかもしれないなぁ、なんて諦観も滲むほどの酷暑。
そんな中で行われた、人生屈指の大イベント。
そう、それは……引っ越し。
――夏休みの宿題。あなたはどんなタイプでしたか。
1.最初の方にバーッと終わらせてしまうタイプ。……悠々自適な夏休みを過ごせて羨ましい。
2.毎日計画を立ててコツコツ進めるタイプ。……あなたみたいな人が報われる世の中であってほしい。
3.ラスト2日ぐらいで半泣きで必死に終わらせるタイプ。……偉い、偉いよ。頑張れ。
4.最初から終わらせる気なんてなくて、もしくは早々と諦めて、そもそもやらないタイプ。……まったくもう!あんたって子は!
はい、私は3のタイプです。大人になってからもそれは一向に変わらない。追い込まれないと始められない、そして時すでに遅し、しかし開き直って投げ出すこともできず、半泣きで徹夜する。じゃあさっさと始めれば良いんですが。分かってるんですよ、何度もこうやって苦労してきたって。でも多分、そのたびに半泣きながらもなんとかなってしまった経験があるのが逆に良くないんでしょうね。こういう心理状態を学生症候群と呼ぶそうです。
さらに面白いことに、どんなに余裕をもっていても、余った時間いっぱい使い切ってしまうように仕事を見つけ出してしまい結局カツカツになる、というパーキンソンの法則なるものがあるそうです。
私の場合はただ単に始動が遅かったがために、夏休み最終日に必死に二十日分の日記を書き半分以上残った「夏休みの友」を解くような日々を過ごしていたわけです。
そんな怒涛の日々、感慨に耽る暇もなく……。
近所のコンビニ。何百回、いやそれ以上通った道。毎週買い物したスーパー。何年も通った美容室。思えば〝あの日〟がそれぞれの最後だったのだな、と後から思い返すことも多く。空港リムジンバスに乗って家の近くを通ったときが一番涙腺を強く刺激されました。ふと思ったのは……その時は忙しくしていて気付かないけれど、落ち着いてから湧き上がる寂しさは、どこか葬儀にも似ている、なんて。
今年の空梅雨で早々と枯れてしまってあっさりと家主に刈られた紫陽花。あれもあの時が見納めだったな、としんみり。長く住んだとはいえ生まれ育った街でもないけれど、それなりの愛着を持っていたのだなぁ、と自分でも驚く。
これまた縁もゆかりも無い土地でこれからしばらく暮らすことになるわけですが、新天地に来て今のところほとんどチェーン店しか訪れていないのでまだあまり実感も湧かず。ありがとう、びっくり◯ンキー。しかし遠くへ来たな、と最も強く感じたのは、蝉の鳴き声の違いでしょうか。(西日本はクマゼミ、東日本はミンミンゼミが多いですね)
日本列島は太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの四つのプレートに跨っています。
それぞれのプレートでの、それぞれの暮らし。あなたはそのプレート上で、今日、どんなことがありましたか。
新たなプレートでの独り言……おわり。
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