【アウェーな猫】

昼休み。

悠・琥珀・紫のスマホには、それぞれ黒・白・茶トラの猫のキーホルダー。



颯(じーっと見て)

「……え、なにそれ。お揃い?」



琥珀(にやにや)

「いや〜、ボクたち仲良しなので〜♪」



悠(そっぽ向いて)

「別に……いつの間にか、こうなってただけだし」



紫(穏やかに微笑んで)

「でも、三匹そろうと可愛いですね」



颯(ぱっと明るく)

「へぇ、いいねぇ!僕も買って来ようっと♪」



──



コンビニ前。

そこには颯の姿があった。



ジュースを両手に持ち、おまけの不透明なパッケージを、全神経を集中させるかのように真剣に凝視している。



「……よし、これだ!」



──



午後の業務が再開する直前、颯が再び現れる。



琥珀

「あれ?颯さん帰ったんじゃ……?」



「いや、まだこっちでやる事あるの!

勝手に帰ったことにしないでよ〜」



琥珀(ぶっきらぼうに)

「……で、なんの用っスか?」



「なんか風当たり強くない!?

まあいいけど……。

それより見て!僕も買ってきたのだよ」



手には、まだ結果を知らない未開封の猫キーホルダーがひと袋。



「それではいくよ?オーープン!!」



袋から出てきたのは、蛍光レインボーに光る謎の猫



颯「……って、え?これ……猫?」



紫「……たぶん、猫だと思います」



琥珀

「おそらくっスけど……これ、シークレットっスね!」



「猫でレインボーって、すご……」



「ほら、他と違う俺にふさわしいってことで♡」



「……呆れるほどトリッキーなとこが、お前にそっくりだよ」



「ま、ネタにもなっていいっしょ♪」



──



四匹目は、なぜか一番目立っていた。

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