第12話
車に促されるまま乗り込んだ。
「出せ」
ツルギの一言で走り出した車は徐々に速度を増し、私は何も考える事無く窓の外を眺めていた。
革のシートと、高級感溢れる内装に以前乗った車を思い出す。
私に取って嫌な想い出だ....
「なぁなぁルナは何歳なん?」
その声にふと顔を向けると神楽さんと瞳がぶつかった。
一瞬、話して良いものか戸惑ったが、悪魔は何も言わない。
「....14、です」
おずおずと歳を伝える私にニコニコ笑う神楽さん
「ほうか、ほうか14か....
どえぇぇぇ14!14んっ!!!」
一息吐くと叫び声を上げる神楽さん。
どこをそんなに驚く事が有るんだろうと考えたが、神楽さんの次の一言に
「ツルギ...ロリコン?」
悪魔が反応し「殺すぞ」と低い言葉を投げる。
「だってツルギ....14って....」
それ以上言うなとドカッと悪魔に背凭れを蹴られ睨まれた事によって、この話は終わりを迎えた。
悪魔とミラー越しに視線が合ったのか、青い顔する神楽さんはハハハと乾いた笑い声を出した。
そしてボソリ呟く。
「ま、まぁ年齢は関係ないか。うん、関係ないな....うん」
悪魔の舌打ちによって話しの流れが変わる。
「...チッ」
「で、アイツ等は解っとるん?」
「.....」
「あちゃー言うてへんのね」
何だか解らない話が始まったが、私には関係ないと再び窓の外に視線を移した。
そして余り寝て無いせいか、瞼が自然と下がる。
睡眠不足が祟り等々眠ってしまった私に二人の会話は届かない
「可愛ええ顔して寝とるわぁ...ホンマに14なん?」
「ああ...チッ、見んじゃねぇ」
「ほうほう、ホンマ、おもろいわ...あのツルギがねぇ」
ニタニタとツルギを見やる神楽
しかし、次の瞬間...真面目な顔をして出した言葉は真剣そのものだった
「大丈夫なん?あの姫様?この子危ないんとちゃう?」
ツルギは何も答えずにいると
「...」
「ホンマに...しょうが無い奴やな...この子、嫉妬されるで?」
神楽は呆れた顔をし、溜息を吐き出した。
「うるせぇ...」
「女の嫉妬ちゅうモン程、醜いモンは無いで?」
「喋るな似非関西弁...」
「怖...怖いわ...男の執着は怖いわ〜
でも、しっかり見とかなな?」
「コイツには指一本触れさせねぇ」
「アチャー独占欲っちゅうモンか!!!ホンマ、怖いわ!!!まぁ、そんな顔するツルギも初めてやから、一応協力はしたるか....一応な一応!!!」
意識がない私が知らない会話がそこに有った
頭を撫でる手は酷く優しく、その瞳は反対に剣を含む
言葉は無性に
「コイツ以外欲しいのはねぇんだ」
胸が締め付けられる程切ないモノだった
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