NotebookLMが本気出してきた

NotebookLMの多彩なレポート生成機能

 NotebookLMの2025年9月のアップデートでは、生成できるコンテンツが整理・再構成されました。


 以前紹介した「概要説明資料」や「学習ガイド」は「レポート」というメニューにまとめられました。

 「レポート」は、登録したソースを深く分析した上で様々な専門的な文書を生成します。どのような文書を生成できるのか、ベースのAIであるGeminiがソースを下読みして提案します。提案には文書に盛り込むべきトピックや対象者、表現のトーンなどを細かく指示したプロンプトがくっついていて、微調整も可能です。

 このプロンプトにより、幅広い分野のプロフェッショナルな文書を出力させることができるようになったようです。


 これは強力な機能です。


 提案する文書は、ソースが小説ばかりなので「登場人物紹介」や「用語解説」など作品を分析するものも多いですが、「作品の連載を知らせるプレスリリース」「メディアミックス化の企画提案書」「マーケティング戦略提案書」といったプロモーション資料、さらには作品の内容そのものを題材とした真顔のネタコンテンツまで様々です。


 2ヶ月前に「概要説明資料」を出力したときは、作品の公募や売り込みをする際に冒頭に付ける梗概として使えそうな文書だな、と思ったのですが、まさにその路線の文書を作れるようになったわけです。


 以前は文献研究のようなアカデミックな雰囲気に偏っていたのが、一気にビジネス用途にも合うように調整されてきました。そりゃビジネス現場での活用の方がニーズ高いはずですからね。


 しかし、生成された文書の扱いにはやはり慎重になるべきだとも思いました。


 例えば『DAYDREAMER』を題材に、こんな文書を出力できると提案してきます。




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「ケーススタディ提案書」

高齢者介護におけるコミュニケーションと妄想への対応に関するケーススタディ提案。


作成したい内容(プロンプト):

提供されたテキストの登場人物「モモカ」と介護職員「斉藤」の交流を基に、認知症や妄想を抱える高齢者との効果的なコミュニケーション手法に関するケーススタディを提案する文書を作成してください。斉藤の対応がモモカに与えた肯定的影響を分析し、同様の状況にある他の介護専門職が実践できる具体的なアプローチを提案すること。目的は、利用者の尊厳を保ちつつ、穏やかなケア環境を構築するための知見を共有することです。

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 ……いやいや、ひょっとして逆にヤバいかも!?

 これ、専門的な文書の顔をして本当にリアルの現場に配布されたりしたらちょっととんでもないことにならない? やらないけど!


 プロンプトの時点ですでに危険な気がしますが、いろいろ出力させてみたら本当にどれもその語り口のもっともらしさに舌を巻きます。専門的な用語を散りばめた文体を、その業界やテーマに合ったフォーマットに落とし込んで滔々と語るので、素人が読むとすごい説得力を感じてしまいます。

 異世界ファンタジーを素材にすればさすがに魔法だの聖女だの出てくるのでネタだとわかるけど、現代日本を舞台にした作品を使うとちょっとヤバいです。


 これ、ネタの扱い方と出しどころによっては、☠️私文書偽造☠️をやらかしてしまいかねないですね。⚠️危険!!


 こういうAIの能力を、正当なビジネスの要請がない場で、つまり素人が遊びで作って表に出すのなら、せいぜいエイプリルフール用として使うぐらいにとどめておいた方がいいかもしれません。

 明らかにフィクションと分かる形にしとかないと、ほんと危ないよなあ。


 ではこの後、そういう「いかにも本物っぽいネタ文書」を二例ほど紹介します(するんかい)。いや、ネタなのちゃんと分かるから大丈夫。冒頭にも注意文書いておきますので。

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