（質問日：2025年7月14日）

──☆　宇野　　☆────────────────────

小説が書かれたファイルをアップロードし、その内容を「編集者の視点でレビューしてください」といった注文に対応することはできるのでしょうか。

──☆　Gemini　☆────────────────────

はい、Gemini Flashに小説ファイルをアップロードして、「編集者の視点でレビューしてください」といった注文に対応することは可能です。

Geminiは、与えられた情報（この場合は小説の内容）と指示（編集者の視点でのレビュー）に基づいて、以下のようなレビューを行うことができます。

具体的には、以下のようなレビュー内容が期待できます。

✧　構成とプロット: 物語の始まり、中間、終わりの流れ、プロットの展開、伏線回収の有無、ペース配分などについてコメントします。

✧　キャラクター開発: 登場人物の魅力、一貫性、動機付け、成長、読者の共感を呼ぶかなどについて分析します。

✧　テーマとメッセージ: 小説が伝えようとしているテーマやメッセージが明確か、読者に響くかについて考察します。

✧　文章表現とスタイル: 語彙、文体、描写の豊かさ、リズム、読点の使い方、誤字脱字の有無などについて評価します。

✧　設定と世界観: 物語の舞台設定が魅力的か、一貫性があるか、読者に理解しやすいかについて言及します。

✧　改善点と提案: 上記の要素に基づいて、より小説を良くするための具体的な改善点や提案を行います。例えば、「このキャラクターの動機をもう少し掘り下げると良い」「このシーンはもう少し描写を豊かにすると読者の想像力をかき立てる」といった具体的なアドバイスが期待できます。

◆　より良いレビューを得るためのヒント

より的確で有用なレビューを得るためには、プロンプト（指示）を具体的にすることが重要です。

✧　レビューしてほしい具体的な側面を指定する: 「キャラクターの魅力について重点的にレビューしてほしい」「プロットの矛盾点がないか確認してほしい」など、特に見てもらいたい点を明確に伝えます。

✧　ターゲット読者層を伝える: 「10代の読者を想定した小説なので、その視点でレビューしてほしい」など、ターゲットを伝えることで、より適切なフィードバックが得られます。

✧　希望するレビューのトーンを指定する: 「厳しめにレビューしてほしい」「建設的なフィードバックが欲しい」など、レビューのトーンを伝えることも有効です。

✧　特定の課題を指摘する: もしあなたが小説について懸念している点があれば、「この部分の展開が少し弱いと感じているので、改善策を提案してほしい」のように具体的に質問することもできます。

Gemini Flashの長いコンテキストウィンドウのおかげで、小説全体を読み込んだ上で、一貫性のあるレビューを生成することが可能です。ぜひお試しください。

──☆　宇野　　☆────────────────────

そうですか。とは言え、一度に、あるいは長いやり取りを重ねる中で読み込める文字数には上限があるのでしょう？

──☆　Gemini　☆────────────────────

おっしゃる通りです。Gemini Flashにも、一度に、あるいは長いやり取りの中で処理できる文字数（トークン数）には上限があります。

Gemini FlashおよびGemini 1.5 Proのコンテキストウィンドウの最大値は100万トークンです。将来的には200万トークンまで拡張される予定です。

この「100万トークン」がどれくらいの文字数に相当するかというと、おおよそ約75万語に匹敵 [※引用者注１] します。日本語の場合、英語よりも1トークンあたりの文字数が少ない傾向があるため、もう少し多くの文字数を処理できる可能性がありますが、それでも非常に膨大な量です。

一般的な小説の長さと比較すると、

✧　文庫本1冊: 約10万～20万文字程度

✧　長編小説: 数十万文字から100万文字を超えるものまで様々

となります。

したがって、多くの一般的な小説であれば、100万トークンのコンテキストウィンドウを持つGemini Flashで、ファイル全体を一度に読み込んでレビューすることが可能です。

ただし、以下の点にご留意ください。

✧　入力と出力の合計: 100万トークンという上限は、入力（アップロードしたファイルの内容＋あなたの指示）と出力（Geminiのレビュー）の合計で計算されます。 [※引用者注２] 非常に長い小説をアップロードし、さらに詳細なレビューを求めると、出力されるレビューの長さによっては上限に達する可能性もあります。

✧　APIの利用状況: 実際に使用する環境（Geminiアプリ、Google AI Studio、Vertex AIなど）や、APIのバージョン、現在の利用状況によっては、一時的に利用可能なトークン数が変動する可能性もあります。

✧　トークン計算の複雑さ: トークンは単語や文字数と厳密に一致するわけではなく、言語やモデルによって計算方法が異なります。

結論として、ほとんどの小説であればGemini Flashのコンテキストウィンドウで十分にカバーできるはずです。もし非常に長い作品で上限が心配な場合は、章ごとに分割してレビューを依頼するなどの工夫も考えられます。

───　チャット引用ここまで　──────────────

[※引用者注１]

ここで言う「１語」は英単語の数です。it は１トークンですが日本語の「イット」は２〜３トークン×３文字＝6〜9トークンかそれ以上として数えられているらしいです。そして、100万トークンが「約75万語に匹敵」という発言については、Gemini機能の「回答を再確認」でチェックしたところ情報源が発見できませんでした。正確な仕様は不明ですが、ユーザーとしては例示にあるように文庫本１冊約10万字を目安と考えるとよいと思います。

[※引用者注２]

ファイルアップロード後のチャットメッセージも含めて100万トークン、という話も情報源がないとの判定です。

試しに『背のび従者』約62,000字を1ファイルとしてアップロードしたところ、冒頭から内容を語らせると15,000字あたりまでが限界でした。

ファイルでも、チャットと同様に1万字以上の長文一気読みはやらない方がよさそうです。

そもそもGemini Flashは即応性を重視したアプリで、短期的なやり取り、具体的には数往復で終わる質問や軽い雑談などに向いています。そういう質問に即座に・親しみやすい態度で応答してくれるのが特徴です。

長編の分析は向いてないので、長文読解に向いた別のツールを試すほうがよいでしょう。