第13話出会い前編

 水野が疲れて帰宅途中、会社帰りの太郎と黒野に出会った。


 「そういえば、水野さんはどうしてそんなに水と仲が良いんですか?」と、太郎が尋ねると、


 「そうだな…。スライムは私の唯一の友達だからかな」と、水野は答えた。


 それを聞いた黒野が冷静に言った。


 「つまらん話に興味はない。俺は帰るぞ」と言い残し、一人で帰っていった。


【水野の回想】


 最初から水野とスライムが仲良しだったわけではなかった。私はかつて、騎士仲間と共に冒険に出かけることが多かった。私たちはモンスターだからといって仲間外れにせず、皆で協力し合って過ごしていたのだ。


 しかし、私の親が守り続けてきたダンジョンの守り人にならなければならなくなり、騎士仲間たちと離れ離れになった。そして次第に、私に話しかけてくれる人も少なくなり、距離を置かれてしまった。


 そんなある日、スライムが声をかけてきた。


 「いつもここを守っているんですね」とスライムに聞かれ私は冷たく答えた。


 「なんだ?下等な貧弱モンスターが、何しに来た」


 しかし、スライムは少し怯えながらも、


 「あなたが最近、ずっと一人で寂しそうだったので」とスライムが言う。


 それに対して私は、


 「そんなことはない。これは仕事だ。これ以上、私に関わるな」と言い、スライムを遠ざけた。

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