第20話 漫画「名前のない病気」

 ごく普通の家庭に育った3人兄弟。

 下の2人は普通だが、長男が引き籠りだ。

 この漫画の作者は三男にあたる。


 両親が死んだら変わるかもという期待もあったが、長男は引き籠り続ける。

 次男も三男もそれぞれに独立して家庭を築いた。

 それでも長男は変わらない。


 困った長男だが、三男は漫画家でもある。

 自分の育った家庭、この長男をいつしか漫画にしてやろうと思っていた。

 そしてついに禁断の漫画が描かれることになる。


 何もかも普通の平凡な家庭というのは、それだけで立派なもんだ。 

 大抵の家庭は困った事を抱えている、他人からは普通に見えていても。


 現在はまだ第2巻。

 作者である三男が白血病にかかり骨髄移植という選択を示された。

 医学的な理由から骨髄提供者の候補は兄弟が最優先になる。

 白血球の血液型であるHLAが全く適合しない事もあれば、半分だけ適合する事もあり、完全に適合する可能性もある。

 この漫画の主人公でもある三男にとって骨髄移植のチャンスは残りの兄弟2人のどちらかのHLAが適合する事。

 2人のうちのどちらかが完全適合する確率は44%!

 果たしてどうなるのか?

 

 ということで第3巻の発売は半年先。

 職業的興味もあって待ち遠しい。



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