第16話 漫画「19番目のカルテ」
この漫画を知ったのは医療界の2ちゃんねることm3の掲示板。
「ついに禁断のドラマが始まった!19番目のカルテより」というタイトルのスレだ。
同名のテレビドラマが始まった事によるものらしい。
テレビドラマでは総合診療科と各専門診療科の確執が強調されているのだとか。
そして各専門診療科の尻を総合診療科が拭いているそうだ。
とはいえ筆者は家にテレビがないので真偽のほどは分からない。
ま、テレビがあったとて見たかどうかは分からないけど。
m3のコメントの1つが「せっかく原作の漫画は素晴らしいのに」というものだった。
何ッ、原作は素晴らしいのか!
そう思った筆者は早速にキンドルで購入してみた。
まだ11巻のうちの最初の4巻ほどしか読んでいない。
でも、いいじゃん、これ!
まずリアル、総合診療医も適度にあっさりしている。
各診療科間の確執もあるが、まあ何処でもこの程度だろう。
その加減が絶妙で、上手く描けている。
何でもかんでも安っぽい対立構造に描いたりしたら台無しだ。
そして、この漫画を読むと病気の勉強にもなる。
思わずあちこちにしおりを挟んでしまった。
だからテレビドラマとは関係なく原作の漫画を読むべし。
聞くところによると、ドラマについている医療監修者がいくら「これは医学的にあり得ないから直した方がいいですよ」と言ってもテレビ関係者には聞く耳を持ってもらえないらしい。
「もう脚本も出来ているし撮影も済んだから、今さら直せません」と言われるのだとか。
それなら医療監修者を置く意味ないじゃん。
結局、担当の医師に出来ることは、そっと自分の名前を外してもらう事くらいだろう。
変なテレビドラマにうっかり名前が載ってしまったら恥ずかしいからね。
という事で、テレビドラマはどうだか知らないけど、漫画「19番目のカルテ」は間違いなく名作だと思う。
あと「19番目」の意味が読者には伝わりにくいかもしれない。
それは総合診療科が基本領域として専門医機構に認められたものの、それが19診療科中19番目だという事に由来するのだろうと筆者は思う。
筆者も総合診療科をやっているが、専門診療科と対立する事なんか滅多にない。
偶にあったとしても、その頻度や深刻さは脳外科と同程度だ。
だから総診が特別だとは思わない。
誰かが診なくてはならないが誰も診たくない患者を引き受けるのが総合診療科だと筆者は思っている。
ただ、総合診療科という名称はなかなか定着しない。
院内ですら総合内科と呼ばれることが珍しくないのには辟易する毎日だ。
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