第21話 実家
「ねえ、ラエ」
「何?」
結局、新人は違う班になることになった。
館長が配慮してくれたらしい。
好都合。
「今度京都のほう行くらしいよ」
「へえ〜」
「京都って有名だよね。なんか色々あるんでしょ?」
「うん」
知らんけど。
いっか。
「ちょっと調べてみよう」
「仕事中だけど大丈夫?」
バレたらクッソ怒られると思うんだけどな。
「バレなきゃ無罪!」
すっごく軽い調子でナルは言う。
「いやそれナルは言えてないよね……」
「というか罪は罪でしょ」
バシッと諭す。
あっ、ピシッとかな。
まあどっちでも変わんないか。
「ひぇー!相変わらずナルは冷めてるなあ」
「冷めてるって?」
からかってみようと思って、にっこりとした笑顔できく。
「い、いや、別に?」
はぐらかすナル。
まあどうでも良いけど。
「というか、京都について調べるんじゃなかったの?」
「あっ!そうだった!」
そう言って、タブレットをどこからか取り出すナル。
京都か……
正直言って、歴史とかあんまり得意じゃ無いんだよね。
それも日本の歴史なんて全然分かんないし。
「ねえ見て!ラエ」
「どうしたの?」
「これ」
「京都って昔暗殺された人がたくさんいるんだって」
それ調べること?
「なんかセンゴクブショウ?の人とか、いろいろ」
「そんなこと調べたの?」
「まあ。ホンノウっていうお寺とかもそれに関連してるらしいよ」
「そう言うことよりもうちょっと明るいこと調べなよ」
流石に行き過ぎたことを調べているので、諭した。
「えー分かったよ。じゃあお菓子とか調べよ」
よし。
それでOK。
「行くところは、“清水”ってとこね」
「しみず?せいすい?きよすい?なんて読むんだろ?ふりがなつけてほしいな。漢字苦手だもん」
待って。
それって
清水って、清水寺のだよね。
綺麗な湧水のあるお寺。
とっても大きなお寺で舞台もあったはず。
大きな坂に商店が沢山あって、いろんなものが売ってたり。
あと、重い棒があったり。
清水の方って確か……!
「ん?どうしたの。ラエ」
ナルがこちらを怪訝そうに見てくる。
「もしかしたらそこ、私の実家があるところかもしれない」
いつの間にか、ぼそっと言っていた。
確かにそうだった気がする。
今もあるかは分からないけど。
「実家?お寺が?」
流石にお寺は違うって。
「そうじゃなくて、清水寺の近く」
ナルの言ったことを訂正する。
「あっ、それって“きよみず”って読むんだ」
「初めて知った」
本当に初めて知ったと言うようにナルが言った。
__________________
清水寺らぁぁぁぁー!
次回、12月14日投稿予定です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます