☆第九話 海洋生物たち☆


「ぅうん…あ、ュキ…」

「んん…マコト…?」

 裸のまま砂浜で横になって、いつしか居眠りをしていたマコトとユキは、いつも通りに眠ったまま抱き合っていたらしく、目を覚ましたら脣が触れ合いそうな程の超近距離だった。

「なんだか、眠ってしまったね」

「はい…♪ とても ノンビリとしてしまいましたわ」

 防犯性の優れた人工島だから何事も無かったけれど、一糸纏わぬ美少女二人が、陽が差し周囲に遮る物の無い砂浜で、全てを晒したまま眠っていたのである。

 穏やかな美顔も細い肩も、丸い巨乳も引き締まった腹部も、豊かに広がる腰やツルツルな下腹部や清楚な閉じ目、パツパツの腿から細い膝から更に小さな爪先までもが、完全なる野外露出。

 太陽熱を浴びるマコトとユキの裸身は、眠っていても爽快感と開放感を感じていたらしく、仰向けのまま僅かに閉じぬ腿間の起伏も、陽光のグラデーションで彩られていた。

 覗き魔や盗撮魔やそれ以上の不届き者が侵入を出来ない防犯島だからこその、休息体験である。

「「んん~♪」…」

 座ったまま背筋を伸ばして上半身の伸びをすると、前へと突き出された二人の巨乳が両腕に吊られて楕円へと柔変形を魅せて、先端の桃色媚突もツンと強調をされて、弾む。

「んく、んく…」

 乾いた喉をドリンクで潤すと、タップリと休んだ身体は、跳ね回りたい程の元気が漲っていた。

「マコト、海へ 潜りましょう♪」

 立ち上がったユキが、下向きで質量の増した柔らか巨乳をタプんと揺らながら手を伸ばしてパートナーの腕を引っ張ると、マコトの巨双乳もプルんっと弾んで、艶肌に太陽を反射させたり。

 浜から見る海は、ドコまでも遠く、陸が見えない。

「そういえばさ ユキ、この砂浜って どこまで続いているの?」

 メカヲタのユキなら、人工島に関する色々は調べているだろうから、マコトは当然に帰ってくる答えを当たり前に信じて、問うた。

 そしてやはり、メカ的な説明を求められたユキは、ハキハキと嬉しさを隠さずに即答をくれる。

「はい♪ この人工島の周囲の人工砂浜は、水深二メートル程までが 入水可能な設備ですわ♪ 島の海底の端まで行くと、強化クリアー・カーボンの柵が設置をされている との事ですわ♪」

 島全体が、海底の柵で囲まれていて、クリアー素材で丈夫な柵の上端は波を邪魔しない形状らしく、それは目の前で目を凝らさなければ見えない。

 柵は十センチ程の間隔を開けて設置がされていて、愛らしい小魚などは島の領海へ入って来れるけれど、大型の肉食魚などは入れない安心設計だ。

 夏系の観光惑星ではどこでも放し飼いにされている、いわゆるご当地イルカに相当する人気の海洋生物「トロルータン・イルカ」は、この人工島に於いては有料のオプション扱いで領海内に放すか、柵の外を泳ぐ野生種を見られればラッキー、くらいの扱いである。

「トロルータン・イルカは、いわゆる外海 という事だね」

 とか話しながら、二人はユックリと海へ進み、太陽で火照った裸体を冷たい海水へと沈めていった。

 波を受けて弾いて揺れる巨乳が海面から沈むあたりで、二人は大型のヘッドフォン・タイプな潜水具を装着して、右側スイッチを指で押す。

 途端に、左右の機器からクリアーなカバーが形成されて、装着者の頭部全体をスッポリと包んだ。

 マコトもユキもケモ耳なので、透明なカバーも、耳の形に膨らんでいる。

 深度への潜水用ではなく、三メートル程の浅瀬と言える遊び用なので、酸素ボンベなどはなく、左の器具から海上へと呼吸用のフロートが伸びて浮いていた。

『マコト、後ろを向いて下さいな♪』

 言われるままにマコトが背中を向けると、メカヲタなユキが念のためにと、ヘルメットをチェックする。

『OKですわ♪』

『うん、ありがとう』

 メカに関してはユキの独断場なうえ、よく解らないマコトがチェックをするよりもユキ自身がチェックをした方が確実だし、そもそも、ユキはもうチェックを済ませている。

 海中でケモ尻尾を揺らしながら、裸の二人は浅瀬を歩きつつ、全身を沈ませた。

『まぁ…なんて 美しい…♪』

 澄み切った海は、海面から射し込む太陽光がキラキラと輝いており、波に揺られる様々な海草類や小さな泡、緩やかに流されるカラフルな小魚たちなど、とても幻想的な光景だ。

 周囲を護る透明な柵の隙間を通れる小さな魚たちは、南国のような彩り鮮やかな種類が多く、好き勝手に泳いでいる。

『わ』

『ゃん…』

 観光客を怖がる様子が無い程に、人には慣れているらしく、しなやかなマコトの背中や大きなユキのお尻を小さな口先でツンツンと突いて、人間と遊んでいた。

『ユキ、この子たち ラブリー・フィッシュだよ。ボクも 実物は初めて見た』

 海洋系の観光惑星ではメジャーな小魚「ラブリー・フィッシュ」は、地球の海水魚である「エンゼル・フィッシュ」の突然変異体から数を増やした魚類で、横から見ると綺麗な横向きハート型の身体をしている。

 この魚と写真を撮る為に、撮影者は自ら横になって、ハート型と正位置にするという。

 他にも、背中が大きな花弁のような形の蟹や、デフォルメしたイカのような形のクラゲなど、地球では見ない海洋生物が、柵の中へと入り込んでいた。

『うふふ…とても愛らしいお魚さんたち ですわ♡』

『あ、見てユキ』

 マコトが気付いたのは、ユルい星形が人気のクラゲ「スター・ジェリーフィッシュ」である。

 生物図鑑の動画では見た事があるけれど、本物を目の前にしたのは、これも初めてだ。

『まぁ…っ、私も 初めて見ましたわ♡』

 上から見ると星形で、裏には多数の細い触腕が蠢いて、太陽光が煌めく海中をユラユラと泳いでいる。

 大小数体で流れるスター・ジェリーフィッシュ、通称「星クラゲ」に心を引かれた二人は、寄り添うようにクラゲを間にしながら、波に流されるつま先立ちで、海中を漂った。

 穏やかな波で裸身が流され、ヘルメットの中の媚顔が、美しく微笑む。

 水の抵抗は空気の七~八倍と言われていて、海中を歩み進むマコトの巨乳がタプんと、ユキの双乳もプルんっと、ゆっくり弾んで丸い形を崩さない。

 むしろ水中の浮遊力のおかげで、普段よりバストの重さが軽減されて、僅かに前へと突き出されているようにも見えた。

 起伏に恵まれた白い裸身に、波によって強弱を付けられる光がランダムに射し込んで、シルエットの凹凸やグラデーションが引き立てられる。

 白い肩や双乳の上肌、括れたウエストを過ぎて広がる女腰から巨尻の上側などが、陽光に浮き立ちながら艶々と反射をして魅せていた。

 揺れる白い巨胸脂肪の谷間や下曲線や、丸いお尻の谷間や下肌や、引き締まった下腹部のツルツルな恥丘の下などが、自然光の影に染められる。

 二人のヌードな媚身体が、自然の海の中で、扇情的に飾られていた。

『マコト、ここが 島の果て ですわ♪』

『ここ? あ、あったよ』

 ユキの言葉で、マコトが手を伸ばしたら、指先に透明な柵が触れる。

 そのまま横へ探ると、細くて固い柵には隙間があると解った。

 波に揺られながら、星クラゲたちが隙間から外洋へと、流されてゆく。

『バイバイ ですわ♡』

 ユキは、ノンビリなお姫様そのままの愛顔を紅潮する微笑みで輝かせながら、愛らしい姿の海洋生物へ、手を振っていた。

 それからも暫く、マコトとユキは裸のまま浅瀬を散歩し、足下へ流れてきた桜色の小さな貝殻や波で磨かれたガラスの綺麗な球体などを手にしつつ、過ぎゆく時間を楽しむ。

『ユキ、これ』

『まぁ♪ キラキラとしていて、とても美しく愛らしいですわ♡』

 拾って見せると、パートナーはウットリとした眼差しで、ときめいている。

 海洋の宝物を一緒に眺めるマコトの美顔は、愛しい姫の笑顔が何よりも嬉しい中性的な王子様の笑顔で、輝いていた。


 海中散歩をしばらく楽しんだ二人が、浜へと戻ってくる。

「随分と、潜っていたね」

「はい♪ お魚さんたちも皆、とても愛らしい姿でしたもの♪」

 濡れたパツパツ裸身は、艶めきながらも海水を滴らせ、肌の海水がアっという間に流れて消えた。

 丸くて大きな双乳の下肌や、無毛な閉じ目などで、落ちきらない水滴が僅かに揺れているのみである。

 ヘルメットをオフにして、ヘッドフォン型デバイスを外し、ユキはマコトの背中へ指先を這わせた。

「やっぱり、潮が付着をして、少しベタベタしておりますわ」

「とりあえず、シャワーで流そうか」

「はい♪」

 宿泊のロッジへ戻った二人は、そのまま浴室へと直行。

 二~三名用の施設とはいえ、浴室は二人で少し狭い感じだ。

「~♪」

 コックを回すと、暖かいお湯が天井一面から降り注ぐシステムで、ユキが髪を流している間に、マコトが全身ボディーソープを、パートナーの裸身へとまぶしてゆく。

「マコト♪」

 ポンプを受け取ったユキも、マコトの頭からソープを施した。

 このソープには、日焼け止めクリームを洗い流す成分も含まれている人工島仕様の特注品らしいので、これ一本で頭の先から脚の爪先までを綺麗に出来る。

 両掌に泡立てたマコトが、ユキの細い背中を優しく洗って、同じくユキも、マコトのしなやかな背中を丁寧に洗浄した。

 同じタイミングで頭を洗うと、向き合ったままでは双乳同士がプルんと当たり、背中を向け合うと大きなお尻がペタんと触れ合う。

 二人が生活をしている捜査官専用の寮でも、入浴時に肌が触れ合うのは日常なので、戸惑う事もなかった。

「あぁ、そうでしたわ♪」

 全身の泡を流し終えたタイミングで、ユキが何かを思い出したらしい。

「こちらのバスタブには、少し 面白い機能がありました♪」

「バスタブ?」

 二人でギリギリなサイズのバスタブに、ユキが湯を張り始めた。


                    ~第九話 終わり~

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