万策尽きて人生終わらせようとしたら、ガラの悪い龍人コスプレイヤーに励まされました【三千日物語】

イタノリ

僕の生き直しと死に直し

 あの日、自殺を試みた僕は、首吊り縄に首を通した先に見える光景を垣間見た。


 自殺を決意し、死を覚悟し、いよいよ死ぬ。これで全てが終わると首吊り縄に首を通した時、僕は今までに感じたことのない安堵を感じた。


 意外と人間、死を受け入れると心が軽くなるのかもしれない。これは自殺未遂をした僕の経験知ではあるが。

 

 死を覚悟した結果、人生何とかなるのではないかと、根拠のない自信や希望を感じたことは今でも覚えている。ひよっとしたら、自殺という極限な状況で脳がバグっただけだったのかもしれないが、それでも僕はもう一度生き直してみようと、そう思えたのだ。


 ちなみに、ここではなぜ僕が死を選んだかという理由は伏せておきたい。というのも、僕の苦しみは僕だけのもので、誰かと共有できるものではないし、自分にとっては一大事で耐え難い苦痛であっても、他人から見ればなんて事はない、ということはよくある事だ。


 だからと言って、事情を知らない第三者から無責任に評価される事は耐え難い。


 考えてもみてほしい。自分の人生で最も苦しみを味わったことを。そしてそれが、いつ終わるかも分からず、何年も何年も味わい続けることになったならば、どれほど心が傷つくか。そういうことにしておいてほしい。今も苦しんでいる多勢の人たちのために。


 生き直すと決めたはいいものの、いきなり50年先までの事は考えられなかった。まずは、100日。次に、1000日。そのまま頑張って3000日をまず生きてみようと考えた。考えたのだが・・・。


 生き直しを決意したあの日から時は巡り、僕は伽藍堂と化した安アパートの部屋で遺書を書いている。


 僕なりに随分と頑張って人生を取り戻そうと奮闘したが、結果からいえば、僕の人生は失敗したのだ。


 そして、生き直しを決めた3000日が経った今、僕は死に直すことにした。


 これから、片道切符の旅に出る。死場所へ向かう、最後のドライブへ。

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