第10話 仕返し

ホミに胸を好き放題にされて数時間後。


「じゃあ、おやすみ」

「うん。おやすみ」


電気代の節約のために同じ部屋でエアコンをつけて、布団にくるまる。

電気を消すと、ホミは10分程度で寝始めてしまった。

中々寝付けない私と違って、そうやってすぐに眠れるのは羨ましい。

私は更に10分ほど待って、ホミが起きない事を確認すると、ゴソゴソと布団の中から出てきて、ホミの布団に忍び込む。


「…寝たふりして私も悪いけど、意識のない私の胸を揉みまくったホミのほうが悪い。これは当然の仕返しなんだ」


そう自分に言い聞かせて、これからする行為を正当化する。

もしホミも寝たふりをしているのなら、私と同じ気持ちになってもらおう。

そのくらいの気持ちで、私はホミの両方の胸を鷲掴みにした。


「んんっ…!」


ホミが悲鳴に近い声を上げる。

流石にやりすぎたかと思って即座に手を離した。

…しかし、ホミが起きる様子はない。

寝ているのか、寝たふりをしているのかは知らないけど、これはチャンスだ。


「んっ……ぁ……ぁぅ…」


ホミの胸を好き放題揉んでやる。

優しくしたり、激しくしたり。

もう関係が壊れてもいいってくらいの勢いで、その確かな重量とサイズのある胸を優しく揉んで揉んで揉みまくる。


「ぁっ……ぁ…ん……んんっ…!」


…凄く良い声で鳴いてくれるホミ。

自分のしていることが、こんな出会ってすぐの相手の事をよく知らない同士でやることではないと分かってる。

こんなに激しくやって、ホミもこんなに声を出して、こんな事をされておいて起きていないはずが無いと分かってる。

でも…


「悪いのは…ホミだから…」


自分と…寝たふりをしているホミに聞かせるようにそう言う。

免罪符になるはずが無いと分かっていながら、私は胸を揉む手を止めることはなく、気が付けば15分以上ホミの胸を揉んでいた。


私もホミも汗びっしょりで、お風呂に入った意味が無い。

私は興奮から息が荒く、好き放題されたホミは色々な意味で息が荒い。

…隠せてるわけがないよね。


「「………」」


私もホミも、この関係を壊したくないから何も言わない。

けど…だからといってこのまま終わらせたくもない。

私はもっとやり返したいし、ホミは好き放題されてなんとか反撃の機会を伺っているだろう。

だから……


「おやすみ。ホミ」


お互い、いつでも攻撃できるように、私はホミの布団に潜り込む。

ホミの体は運動したあとのように熱く、布団の中はまるでサウナのようだ。

けど…寝たふりを続けるホミは、この中から出てこようとしない。

暑いからと逃げたら負けた気がして…私はむしろ抱き着いて真っ向から挑む。


ホミも、その事に気付いたらしい。

抱き返してきて、どんどん体温と布団の中の温度が上がっていく。

汗が流れ、肌が触れ合っている部分ではどちらかも分からない汗でベトベトになり、くっついている。


「「はぁ……はぁ……」」


暑さで息も荒くなり、抱き合っているせいで熱い息が顔にかかる。

そんな状況がずっと続くはずもなく、同時に手を離して布団の中から飛び出した。


「あっつ……」

「汗でパジャマ濡れちゃってるよ…」

「…なんでこんな事してるんだろうね」

「サカイが悪いよ」

「は?ホミが悪い」


布団から出て、エアコンによって冷やされた空気に身体を晒して冷やす。

その中でどっちが悪いかという話になり、体は冷えていくが頭が熱くなっていく。

体を起こして睨み合うと、ジリジリと近付いてお互い頬に手を伸ばし、ぶつかるように唇を重ねた。


「「んっ……んぅ…ぁ…ちゅ…」」


本当はこの柔らかい頬を引っ叩いてやりたい。

けど…それをすると、もう私達の望む関係では居られない。

手を出すほどの喧嘩をして…その後もずっと一緒にいられるほどまだ信頼関係が出来てないんだ。

だから…キスでぶつかり合う。


でも…これだって妥協のやり方。

暴力がダメなら他にもやり方はある。

私達は高校2年生。大人にほぼ近い女だ。

女として…ぶつかり合う事だって…


「…どうする?このままキスで喧嘩したって良いんだよ?」

「なにそれ…怖いの?」

「…サカイのバカ。そんな事言われたら――」


ホミは私から離れると、布団の上に寝転がると私のことを見つめてくる。

まるで、私を待つみたいに。


「来ないの?もしかして…怖い?」

「―――っ!!」


煽られて、私はホミに飛び付いた。

けど…いざホミを襲おうとして、思い留まる。


「……怖い」

「……ね?」


本気でぶつかり合ったら…関係が壊れるんじゃないのか?

居場所がなくなるんじゃないのか?

そう考えると、怖くて手を出せない。

ホミも私のことを煽っておきながら、手や足は震えている。

結局、お互いぶつかる事はせず、手を繋いで同じ布団に入った。


「なんか、恋人同士みたいだね?」

「そうだね。…キスもしたし、胸も揉み合ったし…むしろ、なんで付き合ってないんだって感じ」

「そうなの?キスって都会じゃ普通じゃないの?」


…しまった。

その誤解を解いてなかった。


「あー…実はアレ嘘なんだよね。その、いきなりキスしたのが恥ずかしくて…」

「えっ!?そうなの!?…じゃあ、こうやってスキンシップしてるのって…」

「ホミなら構わないよ。そもそも出会いがアレだよ?」

「確かに……今思えば、なんであの時キスしたんだろう?」


なんで出会ってすぐにキスしたのか…

…気持ちは分かる気がする。


「もし…ホミが良ければだけどさ」

「うん。なに?」

「私と…えっちな事、してみない?」

「……は?」


ホミに迫る。

一瞬、私の言っていることが理解できなかったのか、何を言っているんだと固まるホミ。

そして理解出来ると、どんどん顔が赤くなって…


「ば、バッカ!えっちな事ってそんな!」

「やってみたら、あの時キスした理由がわかるかもよ?」

「変態!出てけ!」

「うわっ!?」


ホミに押されて布団から追い出されてしまった。

ホミは掛け布団を顔まで被って潜り込み、中でモゾモゾ動いている。

その中に無理矢理入ってもいいけど…嫌われそうだからやめておこう。


「もぅ…」


えっちな事を嫌がるなんて今更だ。

私はもうキスも乳繰り合いもしたのなら…次のステージに行っていいと思う。

けど…ホミはそれは嫌だそうだ。

…最初に私のことを求めたのは、そっちのくせに。

私は自分の布団を引っ張ってホミの布団とくっつけると、片手だけホミの布団の中へ入れる。

私自身は自分の布団で横になり…ホミと手を繋いだ。


「おやすみ」


私がそう言うと、ホミも出てきて…


「おやすみ」


そう言って、今度こそ2人とも眠りについた。







翌朝


「……どういうこと?」

「そう言えば結局やり返せなかったなぁ、って思ってね」

「やり返せなかったって…ホミにやられた事をやり返しただけなんだけど?」

「うん。その仕返し」

「えぇ…?だとしてもこれは流石に酷いと思うよ…」


出された朝ご飯は、白米の上に梅干しが置かれただけのお茶碗と、器用に具材が1つも入っていないお味噌汁。

中々酷いと思う…


「仕返しだからそれで済ませてるんだよ。私を怒らせたらご飯抜きね?」

「喧嘩した時は?」

「まあ…その時の気分による」


居候させてもらっている手前、今以上に怒れないのが辛い…

…でも、仕返しの仕返しの仕返しは出来る。

なんだったら、ホミもそれを求めているはずだ。

さて…どうやってやり返してやろうかな。


朝ご飯は不満を抱きつつも、仕返しで何をするか考える。

そして思いついた仕返しが…


「んん!んん〜〜!!」

「仕返しの仕返しの仕返しをしてほしいって、ホミも変わってるよね。昨日の夜の続きだよ。しばらく私に胸を揉まれてね?」


ホミを拘束して、その胸を揉みまくる。

揉んで揉んで揉みまくって…散々仕返しして満足だけど…


「や、やめて…!そんなの卑怯!」

「捕まるのに抵抗しなかったくせによく言うよ。ほらほら、くすぐったいでしょ〜?」


更に仕返しと言う事でホミに捕まり、拘束されて鼻にこよりを何度も突かれて、何度もくしゃみをした。

屈辱的だけど…これ以上の仕返しは私達が持たない。

いつか喧嘩になる。

だからホミに謝って、仕返し合戦は終わった。

うぅ…絶対いつか復讐してやる!

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