『文体の舵を取れ』練習場所

伊藤沃雪

第一章「自分の文のひびき」

練習問題①文はうきうきと

問1:一段落〜一ページで、声に出して読むための語り(ナラティブ)の文を書いてみよう。その際、オノマトペ、頭韻(語の頭か中に同じ子音)、繰り返し表現、リズムの効果、造語や自作の名称、方言など、ひびきとして効果があるものは何でも好きに使っていい。——ただし脚韻(語の終わりが同じ音・セブンイレブン良い気分とか)や韻律(デン・ドン・ヂン・ドン等)は使用不可。


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 大海の果てのそのまた向こう、ぽっかり浮かんだ無人島に、素っ裸の男がおりました。

 いつかの大時化で船から放り出され、長いこと島に暮らしているうちに、自分が人間だっていうどころか、服を着ることも忘れてしまいました。すっぽんぽんな男を見かねて、島の動物たちがあれこれ教えようと鳴き声をたてますが、どうしても伝わりません。ぼくの毛皮を使いなよ! わたしの抜け殻を使えばいいのに! 口々にあがる優しい申し出も、男には首を傾げさせるだけ。わんわんにゃんにゃんぐえぐえ。動物たちの愉快な大合唱。それでも男は満足げ、にこにこぴかぴか笑います。愛情深い動物たちと、みんなで仲良く暮らしました。


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所感:音のリズムのことだけ考えて書いてったら、予想外に内容がコメディになっちゃった。

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