第4話 アルゴリズムと志の経済的非両立

― 評価されへん志は、切り捨てられる宿命なんか ―


官房長官:

首相、覚えてますかいな――

数年前、あるNPOが食品ロス削減のために、

“賞味期限の切れた缶詰を地域食堂で提供した”って取り組み、ありましたやろ?


首相:

ああ、あったな。善意と社会実験の塊みたいな事業。

あの代表、会見で「廃棄される予定だった食材にも、人を支える力がある」って言うてたな。


官房長官:

ええ言葉ですわ。

でも、炎上しましたな。

《貧困ビジネス》《弱者使ったプロモーション》《ただの節約》――

最終的に、その団体、支援打ち切られて潰れたんや。


首相:

そやそや。叩いてた奴ら、たぶん何も寄付してへんのやろ。

けど叩くことには異様に積極的っちゅうな。


官房長官:

今の社会、“誠意のプレゼン能力”が正義の条件になってしもうた。

どんだけ真面目でも、編集されへん善意は、拡散されん時点で死亡扱いですわ。


首相:

つまり志も、予算と同じで、

「議事録に残らんもんは存在しない」理論に巻き込まれとるわけやな。


官房長官:

ご名答。

まるで“志に経済的見返りが発生しない場合は、誰も拾わない”って設計になってる。

それ、資本主義の人情フィルター通らへん志が全部ゴミ箱行きになっとる構造ですわ。


首相:

せやけど、それでええんか?

全部“報酬のある正しさ”だけ残してったら、

「ただのマーケティングが人間らしさ」やいう時代になるで。


官房長官:

もうなっとるんちゃいます?

“自己実現”って名の売名、“倫理的選択”って名のブランド戦略――

ここ数年の流行語、ぜんぶ志っぽいけど、“志のフリしたプロモーション”ばっかりや。


首相:

善も志も、“胡散臭さ”のリスクを背負わなアカン時代やな。

けどワシは……バズらんくても、志だけは売り飛ばさんでおきたいわ。


官房長官:

それが一番非効率で、

一番かっこええ選択ですわ。

そういう首相が、“志の背中”を見せるために存在しとるんやと思いますわ。



📝 官房長官の志語:

拡散されへん善が消えてまう社会では、

沈黙こそが最大の敵になる。

評価されん志は、次の世代に届かせるために、

「いま、誰かが無視される痛みを受け持つ」覚悟を要する。




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