第4話家に馴染んでいる優子

「……」



俺が目を開けると顔を覗き込んでいる優子と目が合い「うおっと!!」と幽霊に合ったかのように飛び起きる。


俺の反応が面白かったのか「ふふふっ」と鈴を転がすような綺麗な声で笑う。

それにしても—優子さんはいつから俺の顔を覗き込んでいたのだろうか?



「30分くらい前からです」


「!!」



考えていたことを口に出していないのに心を読み取ったかのように答える優子にびっくりして顔を凝視してしまう。


優子は読心術でも使えるだろうか?。



「使えませんよ?」


「いや!使えてるやんけ!」


「いえ、流星さんは考えていることが顔に出るタイプなので考えてることが丸わかりです」


「マジで!?」


「マジです」



優子に指摘されて衝撃を受ける。


なら、俺の考えること筒抜けだったのだろうか?たまに街中で巨乳の子を見つけたらエロいなって顔で見つめてたけどそれもバレていたのだろうか?



「多分、バレてると思いますよ。女の子は視線に敏感なので」



優子がまたしても口に出してないのに先回りして俺の疑問に答える。


マジかーバレてたのなら恥ずかしすぎる。


この話題はいけない俺が心に傷を負うだけだ、話を変えよう。



「で、優子はなんで俺の部屋にいるの?」


「あーそうでした!夕ご飯が出来たから呼びに来たんですが、ドアをノックしても返事がなかったので失礼ながら部屋に入ったら気持ち良さそうに寝ていたので起こすのが、忍びなくなって寝顔を眺めてました」


「大の男の寝顔を30分眺めて苦痛じゃないか?」


「苦痛じゃないですよ!寝顔が可愛いかったです」


「いやいや、俺の寝顔可愛いとかありえないでしょ」


「可愛いですよ?後5時間くらいは眺めていても良かったのですが」


「いや!長すぎ!!」



ちょっと優子に恐怖を覚えてしまう。目がマジでとても冗談を言っているようには思えない。


グー

俺の腹が鳴る。



「すみません。話し込みすぎましたね。ご飯食べましょうか」


「ああー寝ててお腹ぺこぺこだよ」


「ふふっ、腕によりをかけて作ったので楽しみにしててください」


「おう…」



もう、なんか優子が来て1日目なのに何年も居たかのように馴染んでいることに恐怖を覚えるが、気にしたら負けのような気がするので気にしないようにする。


一階に降りると既に親父は椅子に座っていた。



「流星遅いぞ、もうお腹減りすぎて倒れる所だったぞ」


「親父ごめんごめん、ちょっと寝てたわ」


「お父様は先に食べて下さっても良かったんですよ」


「いや、皆んなで食べたかったからな」



親父は基本的に食卓は皆んなで囲みたいらしく。仕事で残業とかならない限りは、俺と親父2人で必ず夕食は取るという暗黙のルールが我が家には存在する。


今日はカレーらしく。とてもいい匂いが漂っている。優子はカレーに拘りがあるらしく。市販のルーを使わずにスパイスから作ったと自慢げに語っていた。


もう見るから美味しそうだ。俺が寝ていたので少しカレーが冷めていたので温め直してそれぞれカレーを盛り付ける。



「「「いただきます」」」


「「ウマ!!」」


「ふふっ、良かったです。カレーには自信がありますので」



今まで、食べたカレーより美味しくて俺と親父はその後、無言で手を止めずにカレーを食べ進めた。


気づいたら鍋いっぱい作ってくれていたカレーは全てなくなっていた。


「ふうー美味しかった」


「確かに美味しかった、優子ちゃん、嫁に来ちゃいなよ」


「ふふっ、来ちゃますね」


「おう!流星聞いたかよ!これで安泰だな我が家はすぐに孫が見れるかもしれんな。ガッはっはっは!!」



親父は酒を飲んでいて、ご機嫌だ。優子にダル絡みをしている。

流石に酔いすぎた。



「親父部屋に運ぶぞ」


「私も手伝いますね」


「優子サンキュー」



ぐでんぐでんに酔った親父を優子と両サイドから支える感じで親父を部屋まで連れて行きベットに寝かせる。



「流星さん、お風呂入らないですか?」


「優子が先に入っていいよ、俺最後に入るし」


「いえ!流星さんが先に入ってください!」


「いや、優子が風呂沸かしてくれたし1番綺麗な状態で入って欲しい」


「いえ!流星さんが入らないと私が入れません!」


頑なに俺を先に入らせようとする。優子に根負けした俺は最終的に「わかったよ」となり、先に入ることになった。


浴室に行き、服を脱ごうとするが顔に巻いてある包帯が邪魔で中々に脱ぐのを手間取ってしまう。


なんとか脱いだ俺は包帯の部分にテープでビニールを貼り付ける。


病院の先生に包帯の部分はあんまり濡らすなと言われているからなんとか工夫する。


風呂に入り、まずは体を洗い、次に頭を洗おうとした瞬間。


ガチャ—と


後ろの扉が開き。後ろを振り向くとバスタオルを巻いた状態の優子が立っていた。



「なななに!?してるの!?」



いきなりのことにキョドってしまう。まあー女性の裸に耐性のない男子高校生の前にいきなりバスタオル一枚巻いた女の子が現れたらこうなるのも仕方がない。



「シャンプーをしようと思いまして」


「いや、自分で出来るから!ちょっと優子出ていてもらってもいいかな?」


「それは出来ないです。そもそも包帯はあまり濡らさないようにって言われてるの知ってますから私が洗います」


「自分でも濡らさないように出来るから」


「いえ!難しいですね、私がやります」



もうこのパターンは「はい」というまで折れないのは今日1日でいやという程思い知ったのでもう諦めることにした。



「じゃあ、お願いしようかな」


「はい!任せてください」




元気よく返事した。優子はシャンプーをし始めた。

めっちゃ気持ちな。なんで散髪屋とかの人にやってもらうシャンプーでこんなに気持ちんだろうな。

少し疑問だ。



「痒い所ありませんかー?」


「ありませんー」



シャンプーをして貰った。俺は湯船に浸かる。


バサっ—


優子がバスタオルを剥ぎ取り。色々と見えちゃいけないものが露わになる。

俺は咄嗟に反対側を向き出来るだけ見ないようにする。



「なななんで!?バスタオル取ったの!?」


「バスタオル取らないと体洗えませんので」


「確かに」



静かな浴室内に優子が体を洗う音や髪を洗う音が響く。

俺だって男だから裸をみたい衝動に駆られるがギリ理性が勝ち壁を方を向きながら宇宙のことについて考えなんとかエロい妄想を消し去る。


ざぶー


優子も湯船に入ってきて。少し広い湯船の我が家だが、少し窮屈だ。


もう体に柔らかい感触がダイレクトに伝わってきてやばい。体がやけに暑いしとにかくやばい。


なんか意識が朦朧としてきた。


俺は少し暑い湯船と優子の裸に興奮のしすぎで完全にのぼせた。


薄れゆく意識の中、優子が泣きながら「流星さん、流星さん!」と必死に俺の名前を呼んでいるが聞こえていたが返事を出来ずに意識は闇に沈んだ。

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