第2話 正体

「なんだ……全部夢か?」


ベッドで起き上がると、昨夜の出来事が鮮明によみがえる。


(なんか……体の調子がおかしい)


全身がだるく、力が入らない。

(風邪ひいたか?)


下腹部から熱い何かがこみ上げてくる。

胸が重い……何かくっついてる?


手で触れてみると――

「ん……?」

(この感触……なんだ?)


必死に目をこすり、はっきり見ようとする。


「これ……なんだよこれッ!?」


鏡の前に駆け寄ると、そこには見知らぬ美少女が映っていた。

(さっきの自分の行動を思い出し、顔が熱くなる)

(まるで変態みたいだった……)


戸籍証を確認するが、明らかに別人。

(まずい……身份証明が使えない)


その瞬間!


ガラァン!

窓ガラスが割れ、怪物が突入してきた!


「やべ……」

足がすくんで動けない。


――が!


ドカ――ン!

体内から謎の力が爆発し、怪物を吹き飛ばす。


黒い戦闘服が体を覆い、溶岩のような質感ながらも肌と一体化している。

(これ……俺の皮膚なんだ)


怪物を指さし、叫ぶ。


「ずっと言いたかった……さあ、お前の罪を数えろ!」

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