緑上 葉言(1)
私には秘密がある。
それは…大人気小説、「青はか」が大、大、大好きなこと!
「青はか」は小学一年生の時に知ってドハマりしちゃったの。
でも、オタクだって思われるのが嫌で。みんなの中の「優等生」が崩れるのが怖くて…。秘密にしている。
でもある日、私が図書室で「青はか」を借りに来ているところを、
「「あ、」」
幼馴染の青くんに見られた。
絶対嫌われる…!
そう思った時。
「葉言…。それ好きなの…?」
キモイでも、オタクでもない純粋な質問をされたことに戸惑ってしまった。
「あ、あのね!これ、すっごいおもしろいの!これは特捜版なんだけど、通常版も絵が綺麗で!すっごく素敵なの!…あ。」
やってしまった…「青はか」に対する愛が強すぎて…。ど、どうしよう…。キモがられる…!
そう思った時、青くんは私の顔を見て笑顔になった。
「一緒だ!俺も「青はか」好きなんだ!すげえよな!いっつも感動する!」
え…?
「キモく…ないの?私のこと。」
私が恐る恐る聞くと、
「全然。…葉言は俺がキモイ…?」
と聞いてきた。
私は首を横に振った。
「実はさ、俺、葉言がこれ、こっそり読んでるの知っててさ。」
青くんは気まずそうにそう言った。
「秘密にしてんのかな、と思って今まで声かけなかったんだけど…。ごめん。仲間だと思ったら嬉しくて、つい…。」
仲間…。
「仲間、だよ。」
「え…?」
「同じものが好きな、仲間。」
「…!おう!仲間だ!」
「みんなには秘密にしてね。」
「おう!もちろん!」
私たちは誰もいない図書室で約束をした。
そうして今も、私達は時々こっそり会ってはファン会をやっている。
というか、なんで青くんはこんなに優しいのだろう。
秘密も守ってくれてるし、その上でこの前のカフェも行けなくなりそうなところを助けてくれた。
カフェの帰りも、みんなからもらった特別キーホルダーも私に分けてくれた。
本当に青くんは優しい。私は青くんを仲間だと再認識した。
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