白空視点、五色と日常(1)
朝五時に起きて、長い髪を一つに結って顔を洗う。朝ご飯を食べて、ニュースを確認し、リュックの中身を再確認する。
「やば、」
今日は調理実習があるからエプロンとかも入れなくちゃいけない。
私は家にあるエプロンや三角巾をリュックサックに丁寧に入れた。
そうこうしているうちにもう家を出る時間になった。
制服に着替えて、玄関で靴を履いて、リュックを背負った。
そして後ろを一度も見ずに戸を開けて家を出た。
私の家から数分歩いたところに小さな公園がある。
公園では、男と女が喧嘩をしていた。
…。はたから見たら痴話喧嘩だ。
でも、きっとそうでもないのだろう。
あれはたぶんただの言い争いだろうな。
…なぜそんなことがわかるのかというと…
「あ!白空!おはよぉ!」
「おっせーよ!ハク!」
この二人は幼馴染だからだ。
女の子の方は赤崎 可恋(あかさきかれん)、もう一人は雨流間 青(あまるま あお)。
本当はあと二人いるんだけど…まだ来ていないのか―――――――
「おはよ…白空ちゃん…」
おっと、ここにいたのか。
木の後ろから出てきたこの可愛らしい子も幼馴染の一人。名前は緑上 葉言(みどりかみ はこと)。
葉言はおとなしいからなぁ。二人の喧嘩を止められなくて木の後ろに隠れて見守っていた、ってところかな。
考えていると可恋が私に近づいてきた。
「聞いてよ白空!青が昨日のテストの(四)の答え〈ア〉だって言うんだけど!」
負けじと青も口を開いた
「バァカ!〈ア〉だよ!だいたい〈ウ〉な訳ねーだろ!ハク!〈ア〉だよな!な!」
「え、〈イ〉じゃないの?」
「「マジ?」」
てか、なんで私に聞くんだよ。聞くなら…
「聞くなら学年一位様に聞いたら?」
後ろから聞こえた声と、私の心の声が重なった。
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