第34話 いつもと違う声
顔に火が灯るのを感じて、慌てて意識を逸らそうと、とりあえず辺りを見る。
すると、他のメンバーはポカンと驚いていた。
え?また、なにか……
「びびった……」
「……まさか、夜翔さんがね……」
他の幹部が硬直している中、リュカは興味深そうにこちらを見ていた。
「……へえ、岬だけでなく夜翔もか……。その子に…よっぽど何かがあるに見えた」
ニヤニヤしながら「ふっふ」と笑う姿はまるで悪戯っ子だった。
……いやな予感、しかない……
……リュカだけでは無かった。岬くんも、不快そうに見ている。……でも、リュカと違って、何も言わない。
真琴ははっと我に返ったように私を睨み、掴んだ。夜翔にバレないように、それでいて私にしっかりと敵対の視線を投げてくる。
それを見ていると、胸がズキリと痛んだ。
やっぱり、仲良くなれないのかな………そう思いながら、ちょっと悲しくなるのだった。
◇◇◇◇◇◇
「沙音……どうした?」
突然、夜翔に声をかけられる。そのタイミングは、心の中を見据えたようでぎくりと大げさに反応してしまう。
……心配かけちゃダメだよね……
「……沙音?」
「ううん、なんでもない。……ただ、その……くて……」
「ん?」
「恥ずかしくてっ……」
これも嘘ではない。でも、誤魔化すためにとはいえ、本音を話すのは恥ずかしかった。……それも、自分で意識を逸らそうとしたことを……。
最後はもう勢いだった。……あぁっ、言っちゃったっ……それもみんなの前で……
顔が熱くなるのを感じる。
それを聞いた夜翔は手を離すところかますますとギュウと手に力を入れている。
「……夜翔?」
「うれしい」
「!」
私だけにしか聞こえない声で、そう呟く。
ひゃっ……!?
夜翔の、いつもと違う声と吐息が、耳元をぐすぐった。
それに、夜翔から出る色気がやばいんですが!?
……さっきから胸がドキドキが止まるどころか加速していく。夜翔に聞こえてないだろうか……。
真琴は信じられないものを見るように私を見ていた。……へ?またなんか変なことを言ったのだろうか……
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