第4話 いらつき【side 神牙夜翔】

神牙夜翔はイラついていた。


理由なんて、知るか。

……いや、少しは分かってる気もする。けど、それを考えるのがもう、めんどくせぇ。

胸の奥がざわついて、無性に何かに当たりたくなる。で、当たってしまった自分にまたムカつく。

クソ、俺らしくもねぇ。


もともと、生徒代表とかいう意味不明な役を押し付けられてた時点で、機嫌は悪かった。

けど今のこれは、それだけじゃねぇ。なんつーか、もっとこう……モヤモヤするやつだ。


で、気づけば――

俺は、白城沙音に当たってた。


入学式で見かけた時、なんか引っかかった。視線が止まった。それだけのはずだったのに、どうにも頭から離れねぇ。

だから、校門で待ってた。理由?別に深ぇ意味なんかねぇよ。ちょっと気になっただけだ。


……けど、現れたのは探してた本人じゃなく、知らねぇ女子の群れ。名前呼ばれて、囲まれて、うるせぇ声が耳に刺さる。

イラついてた気持ちに、見事に火がついたってワケだ。


あの女、なんなんだ。

別に特別でもねぇし、俺が気にする必要もねぇのに――


……なのに、あいつの顔を見ると、ほんの少しだけ、ザワつきがマシになる気がする。


……気のせいだろ、きっと。


……それに、俺は、月咲凛夜の生まれ変わりを探してんだろ?

感情なんか、関係ねぇ……関係あるわけ、ねぇんだよ。

……チッ、これ以上迷うんじゃねぇよ、俺。こんなの、浮気見てぇじゃねぇか。



モヤモヤした気持ちは今日一日中俺にまとりつく事になる。

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