第41話 クソ王子の末路
こうして俺はまさかの魔神討伐を達成した。
それも瞬殺で……。
どんなルートを辿ったせいでここに行き着いたのかよくわからないけど、平和に楽しく暮らせそうだからまぁいっか。
ん?
何かを忘れてないかって?
無事にリアを助けられたし、このあとリアと結婚できそうだし、俺には全く問題はないぞ?
せいぜい城が崩れたくらいだけど、知り合いやラッシュベルト家、それからある程度関係がありそうな人達は大丈夫だったと連絡を貰っている。
問題ない……よな?
「あっ……」
「どうしたんだ、エル?」
ラッシュベルト家が王都に保有する邸宅に居場所を移した俺たちは、それぞれの持つ情報の共有を目的にお茶会を開いている。
その場で、エルがふと思い出したようにポカンとした顔で呟くのを俺は聞き逃さなかった。
なんだ?
もしかして、俺の服をはぎ取って燃やして焚火をしたのを思い出したのか?
あれは酷かったな。
ゲームの物語に沿ってこいつと恋愛ごっこをしなければならないと自分に言い聞かせていた序盤でいきなりこれだからな。
さぁ、きっちり謝れや!
「地下牢に捕えられた王子はどうなったのかなと思って……」
「よし、次はフェルノアが話す番だな。お前は何を知ってた? あと、何を目指していた? 『我が祖』とか言ってた気がするけど」
「ちょっと……!?」
うるさいなぁ。
もうどうでもいいんだよ、あんな王子は。
死んでても全く困らないどころか、生きてたらエルやリエラやシェリスにまたちょっかいかけて来るにとどまらず、リアとか葵にも来そうで面倒なんだよ!
それにどうせ、喚き続けてるかもう死んでるかどっちかだろ?
◆地下牢に捕らえられ、無実だと語る某王子
「出せ! 僕にこんなことをしてただで済むと思うなよ!? 僕はこの国の王子だぞ!? しかも唯一の。僕は将来必ずこの国の王になるんだ! 覚えてろよ!? 絶対にお前らに復讐してやるからな!!! 顔は覚えたからな!!!」
いくら叫んでも反応もしない牢屋番。
薄っすらと眼を開けてこっちを見たかと思ったら、また閉じて……寝やがったなこの野郎!?
ゴゴゴゴ
遠くから何か聞こえる。
何の音だ?
いや、もしかして?
誰かが助けに来たのか?
「おーい、僕はここだ! 早く助けるんだ!」
「なにをしている!?」
なんだよ、やっぱり牢屋番は嘘寝かよ!?
聞こえてるんなら出せよ!?
絶対にあとで処刑してやるからな!
まぁ、いい。
もうすぐ助けが来るんだ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
おっ、なんか近付いてきた。
早くしろ。
いつまでもこんな辛気臭い場所になんかいてたまるか!?
僕は絶対にあいつらを許さない。
父上さえ帰ってくれば大丈夫だろうけども、父上が不在の場でまさか僕を捕えるとは、ふざけるな!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
来た来た。
ついに来たぞ!?
「お~……」
ズシーーーーーン!!!!!!
へっ?
さらさらさらさらさらさらさらさらさらさらさらさら……。
ちょっ、待って……?
なんで、壁が溶けてる???
僕の足も……?
いや……。
いやだ!?
手も……?
体も??????????
いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ……………………。
なんでだ?
やだやだやだやだやだああああああああああああ!!!!
『ぱくぱくうまうま……あぁ~クズの魂はそこそこ美味しいわ~。特に可愛くもないけど魔力ちゅ~ちゅ~できたし、最後に魂ごと取り込んでっと。これで勇者様のもとに帰れるわよね? えっ? まだもう一人? めんどくさいわ~。もう魔王ループを維持する必要もないのに面倒ね……ということで、とりあえずクソ王子サマは分子レベルで分解・捕食されました! 現場からは以上です!』
***
なんてことがあったとかなかったとか。
「うん、やっぱりあの王子はどうでもいいな。生きている間に重ねた罪をしっかりと噛みしめて欲しいくらいだ」
「「「あぁ」」」
大きく頷く3人。
こいつらは酷い目に実際あってたわけだしな。
「レオ……ありがとう♡」
「レオフェルド様が怒ってくれたら嬉しい♡」
「もしあの王子が出てきたら、ぶっ飛ばしてほしい。頼む、レオフェルド様♡」
「いや、別にどうでもいいし、自分でやれ」
「「「冷たい~~~」」」
なっ、なんだよ。
なんで3人で睨んでくるんだよ!?
「あっはっは。相変わらずニブチンだよね、
「煩い!」
頭をうっとーしい感じでくしゃっとされたから振り払おうとしたのに、避けられた。
やるじゃないか、葵。
それでこそ我がライバル!
「どうせライバル、とか思ってるんだろうけど、私もあなたのハーレムの……そうね……3番目くらいには入れてもらうからよろしくね♡」
「へっ?」
…………。
「ちょっと待ちなさいよ魔王!? そこは私の場所。リアと悔しいけど小動物には負けるけど、そこは私の場所よ!」
「ふ~ん。全く相手にされてないのがわからないんだね」
「なんですって?」
「なによ?」
そういうのはあっちでやってほしい。
なので、転移魔法でぽいっ。
どさくさに紛れて抱き着いてたシェリスと、ぼーっとしてたリエラも一緒に送っておいたから、今頃わいわいしてることだろう
なお、圧倒的に魔王の方が強いから、きっと3番目は魔王になった葵だな。
「お義兄さま……?」
「ようやく2人っきりだな」
「その2人っきりには我はカウントされぬようだが、良いのか?」
「はい、お義兄さま……」
フェルノアは無視して、俺はリアと抱き合う。
ようやく手に入れたんだ、平和と未来を。
絶対にもう離さない。
そこへ……。
「ここにいたのだな……」
やってきたのはお爺さんな魔族……。
もうお腹いっぱいなんで、100年後くらいにして欲しいんだが……。
「お前は?」
「ワタシはバゼル……」
「見覚えが……その魔力は記憶にあるな……俺を強制送還しようとしたやつだな?」
「えぇ?」
リアが驚いている。
それもそうか。
そんな話はしたことがなかった。
前は髑髏姿だったと思うんだが。
「やはり、効かなかったのか」
「あぁ。これっぽっちも」
「なぜだ?」
「わかんないけど、神格だったから?」
「くっ、いつの間に?」
「フェルノアを助けた時に"魔神の残滓"とやらを倒したからだろう……って、お前も"魔神の残滓"じゃなかったか?」
「なっ……」
ずーんってなった。
その情報は共有されていないんだろうか……。
「バゼル……良いところに来た……お前の力を我に戻せ……」
声がしたと同時に誰もいない場所に薄っすらと黒く淡い光が集まっていく。
「なっ? 魔神様!?」
「ん?」
***
ここまでお読み頂き、ありがとうございます┏○ ペコリ
週間総合ランキングチャレンジに応援頂きありがとうございました。
昨日と同じ書き出しですが、今朝更新されていた週間総合ランキングで99位!?
なんとトップ100入りを果たしておりました!
ありがとうございます(*˘︶˘人)♡*。+
(週間での獲得ポイントが下がり始めるので、すみません、今回は無理だったかと諦めていたので、昨日感謝コメントを載せさせていただいておりました汗汗)
引き続き佳境に入る物語をどうぞお楽しみ下さい!
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