第17話:無口な旋律、秘めたる言葉

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@Kino_Azusa 2025/08/04 16:00:00 JST

#作詞の壁 #ベースの表現

歌詞を書くって、こんなに難しいのか…。

言葉にならない感情を、どう音に乗せればいいんだろう。


@RefrainBeat_KANA 2025/08/04 16:30:00 JST

#梓咲ちゃん頑張れ #私たちのベース

梓咲ちゃんが歌詞に挑戦してるんだけど、すごく悩んでた。

怜さんのアドバイスで、また頑張れるといいな!


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リズムガーデンのスタジオは、

いつもより静かにベースの音が響く。

梓咲がベースを抱えて、

腕を組み、難しそうな顔で

譜面とノートを見つめていた。

感情を表に出さない彼女にしては、

珍しいほど焦燥が滲んでいる。

彼女が表現したい音が出せない苛立ちが、

張り詰めた空気のように空間に充満していた。


【梓咲の挑戦、言葉の壁】

梓咲は小さく息を吐いた。

「言葉じゃなくて、音で表現すればいい。

音は、言葉を超えて届く。」

独りごちたその声は、

しかし、どこか自信なさげだった。

怜はカウンターから

そんな梓咲の様子を静かに見つめる。

梓咲の指先が、

弦の上を何度も迷うように滑る。

その動きに、

音楽を愛する者としての

苦悩が読み取れた。

怜がスタジオに入ると、

梓咲はビクッと肩を震わせた。

怜は眼鏡をかけたまま、

梓咲の背後から声をかける。

「そのフレーズじゃ、何を伝えたいのか分からんな」

その言葉は、梓咲の心を正確に射抜いた。

(かつての私を見ているようだ。

言葉に囚われ、音を見失うな。

感情を音に乗せる苦悩は、

私も知っている。

だが、そこから逃れてはならない。)

怜は梓咲の目の前に立つ。

「言葉にできない気持ちを、音で表現すればいい。

音は、言葉を超えて届く。」

その言葉は、

梓咲の心に深く響いた。


【怜の演奏、感情のベースライン】

怜が「例えば、こうだ」と呟いた。

彼女は梓咲のベースをひょいと借りる。

その指が弦に触れた瞬間、

空気が変わった。

怜は眼鏡を外した。

視界が鮮明になる。

怜の指が、

情感のこもったフレーズを弾いて見せる。

その音は、

深淵から響くような、

それでいて温かいメロディだった。

梓咲はハッとした表情で、

怜の演奏に見入る。

その音は、

梓咲の心に強く響き渡った。

まるで言葉以上の感情が、

音符となって語りかけてくるようだった。

(案外、悪くない。

音で語るのも。

言葉の壁にぶつかった私には、

この表現の自由さが、

かつては分からなかった。)

梓咲が黙ってベースを受け取った。

怜が弾いたフレーズを、

何度も、何度も練習し始める。

彼女の演奏には、

以前よりも感情がこもっていく。

音が、梓咲の心の奥底を

表現し始めたようだった。

怜は、そんな梓咲のひたむきな姿を、

眼鏡をかけ直し、

少しだけ温かい目で見つめた。

梓咲の新たな表現への道が、

開かれていくのが見えた。


【言葉の力、音の響き】

怜は、梓咲の演奏を見つめながら、

改めて音楽における「言葉」と「音」の役割について考える。

カフェの窓から差し込む光が、

怜の指先を照らす。

(言葉は時に、邪魔になる。

音は、すべてを語る。

かつての私が、言葉に囚われて

全てを失いかけたように。

ブレイズ時代、

歌詞の方向性を巡って

仲間と衝突したあの時。

音楽を失う恐怖は、

私の心を深く蝕んだ。)

彼女の脳裏に、

深い苦悩の記憶がよぎる。

しかし、梓咲が言葉で表現しきれない感情を

音に込める姿は、

怜に新たな可能性を見出した。

それは、言葉の限界を超え、

魂が直接響き合うような音楽の姿だった。

その発見が、

怜自身の音楽観を深める。

音楽を通じて、互いの内面が繋がり、

理解が深まっていく。

怜の心に、

静かな喜びが広がる。

(音は、繋がる。

そして、私を癒す。)


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@Kino_Azusa 2025/08/04 19:00:00 JST

#作詞の壁 #ベースの表現 #オーナーからの助言

歌詞を書くって、こんなに難しいのか…。

言葉にならない感情を、どう音に乗せればいいんだろう。

オーナーさんの言葉、深く響く。


@RefrainBeat_KANA 2025/08/04 19:30:00 JST

#梓咲ちゃん頑張れ #私たちのベース

梓咲ちゃんが歌詞に挑戦してるんだけど、すごく悩んでた。

でも、怜さんのアドバイスで、また頑張るって!

私たちも、もっと梓咲ちゃんの音を支えたいな!


@RhythmGarden_Ray 2025/08/04 20:00:00 JST

#表現者 #音の力 #言葉の壁

言葉は時に、邪魔になる。

音は、すべてを語る。


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【次回予告】

結月:「私、将来どうしたらよいのでしょう…」

奏:「結月ちゃん、悩んでるの?」

怜:「…後悔だけはするな」


次話 第18話:選択のメロディ、過去の影

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