ヴァンパイアの詩
ほほ しず
the Dusk
図らずも
吸血鬼にされてしまった青年が
永遠の生という孤独に耐えかねて
長い長い旅に出た
昼間を避け
夜露をワインの代わりにし
梟に艶やかな歌声を聴かせ
その強靭な脚で
たくさんの川と山を越えて
ある月の明るい夜
ヴァンパイア殺しが居るという
古城に辿り着いた
そこには青年と同じような歳にみえる
若者がひとり住んでいた
蝋燭の炎が揺らぐたび
その若者は
男にみえたり女にみえたり
嬉しそうにみえたり
悲しそうにみえたりした
彼は言った
僕の血は特殊でね
君を永遠に眠らせることができる
でも寂しくはないよ
ずっと僕が眠る君の側にいる
この世界が終わるまで
青年は幸せのあまり
ルビーの涙を一粒
ぽろりと落とした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます