きみの声を聞かせて

大和ゆうき

新生活編

春休みのできごと、そして新生活

 世界にはいろんなひとがいるけど、みんなかならず好きなモノはあると思うんだ。


私—————桃宮みゆの好きなモノは、

 「レオナルド様、頑張って〜!!」


そう、アニメだ。細かく言うと、声優だ。

 

「ほんとうにレオナルド様の声はいつ聞いてもきれいなのよね〜」


小学6年生の春休み、もうすぐで中学生になるころになっても、私の日常にとくべつなことはなかった。

 「担当声優は、星野 優希さん、かぁ。新人さんかな? でも、低い声でかっこいいしレオナルド様のイメージとも合っているからいい声優さんだね!」


もしかしたら有名になるかも…、とひとりでブツブツいっているとき、台所にいるお母さんが、  

  「ねぇ、みゆ、アニメを観終わったなら買い物 に行ってきてくれない?」

 「えー、お兄ちゃんに頼んでよ」


私には高校1年生の兄がいる。テニス部に入っているけど、今日は家にいたはずだ。

 

「あなたがアニメ観てる間に近くの公園にテニスの練習しに行ったわよ。だからみゆ、お願いね」


そう言いながらお母さんは手提げバックと買い物メモを手渡ししてきた。私はしぶしぶ受け取って、自分の部屋に戻り軽く服装を整え、玄関に向かった。

「それじゃあ。いってきまーす」


気をつけてね〜、と言うお母さんの声を聞きながら家の扉をガチャン、と閉めた。

 

  「えっーと、なになに、買うものは、みそ、油あげ、ながねぎ…、ってこれ完全におみそ汁の具材じゃん!」


絶対買い忘れたものでしょ、あとで文句言おう、とひとり心に決めながら、駅前のスーパーに向かう。スーパーまでは歩いて15分ぐらいだ。

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