×16のマジックチューブ!メザリポさんを助けるぞ!

あれは間違いなくスケルトンでしたね。調べる必要があるでしょうけど、この王国の一部はアンデッドがいてもおかしくはない状態でしょうね。


そして、重要なのは、その召喚士が邪悪な存在かどうかでしょう?

それを確かめるためにもメザリポさんを探さないといけませんよね!


「よし、ガチャ衛門!ガチャガチャするぞ」


「いいですよ。どのトークンを使いますか?」


「もっちろん、レジェンドトークンに決まっているだろう。皆さんのおかげで貯まったトークンだからな、ここで使わずにいつ使うんだ!」


《ロク、頑張れ!》

《お、ガチャタイム!》

《マジかよ、ロクの財力パネェ…》


(投入口に入った一円玉はガチャ衛門の体内で変換されてカプセルとして出てきた。)


「……何だかお前、カプセル出すのにすごく静かになったな」


「もうレジェンドトークンにも慣れましたので……」


(ニヒルな顔をしたガチャ衛門が二本の脚でカプセルをロクに渡した。)


「そんなもんなのか?レジェンドトークンなんだが……」


「中身はキッチリ、レジェンド級だから心配はないですよ」


「そうかい、ありがとうよ。開けるぞ!」


(ロクはカプセルをひねるとポンっと音がなって、中身が出てきた。)


《おお、何が出たんだ!?》

《光ってるぞ!》

《武器っぽいな》

《何これ、未来的?》


これは……銃?半透明のプラスチック製です。玉の方も同じ色をした平べったい穴の開いたコイン状で――そう、ここに入れてから引き金を引けば飛んで行く仕組みですね。


「なぁガチャ衛門、これ、アンデッドに効くかな?」


「よく見て下さい。銃に刻まれた紋章はアノ女神様が地上で使う紋章ですよ!……たぶん平気なんじゃないですか?」


「あれ?この銃には後ろから水を入れることができるのか?」


「もちろんレジェンド級ですからね、そこから聖水でも入れるといいでしょう」


「ああ、なるほどすごいな。聖水があればよかったけどな。もう何回かガチャやれば出てくるかな?」


「聖水はロートークンを使えば出るかもしれませんね」


(ロクは、ポケットから取り出した十円玉をマジマジと見つめた。)


「ローって銅貨だろ?この十円玉じゃダメか?」


(ガチャ衛門は、まるで呆れたようにわずかに体を傾けた。)


「それは、トークンじゃありませんよ。また変なトークンを入れるのはやめてくださいね」


まっ、仕方ないですから、このままいきますよ。

スケルトンなど最下層アンデッドですからね。明かりも付けない牢屋の中ですから人間はいないんでしょう。

でも、かえっていいこともありますよね、善良な兵士とかいるより面倒はないともいえます。


(ロクは牢屋へ続く階段を下りて行った。)


《暗いなやっぱり》

《ナイトビジョンONしてくれ》

《何がでるのかな?》


もうだいぶ明かりが届かなくなりましたのでナイトビジョン入れますよ。


(辺りがグリーン一色に切り替わった。)


先ほどネズミが配信していた場所はなんとなくわかっています、あっちに行ってから、あ、ここを右でしょうか。意外と入り組んでいますね。


(ロクは次の角を曲がる手前で一つ息を整えた。)


では行きます!


「ガチャ衛門、この銃を信じているからな!」


(曲がり角を過ぎると十メートルほどの距離にスケルトンが立っており、こちらに気づいたのか槍を構えようとしていた。)


いっけ~。


(ロクは銃の引き金を一回引き絞った。)


ピンッ!


(軽い音と共にコインが飛んで行った。)


あ!


(コインから眩い光が飛んで行く前方だけに差し込んだ。光で映し出された女神の紋章がスケルトンに描かれると何の抵抗もなく消えて行った。)


《なんだそれ!》

《ターンアンデッドかな?さすが女神様》

《装備も一緒に消えて行った、こわっ》


やった...!女神様の力、さすがです!これでメザリポさんを救えるかもしれません!ここにいてほしいですよ。


(ロクが牢屋の奥を覗くと半裸の男が倒れている。)


「なぁ牢屋はどう開けるのかな?今のスケルトンは何もドロップしてないぞ?」


(ガチャ衛門は脚で牢屋の入口を叩いた。コンッ。キキィィィ。)


「よく見て下さいね。考えてもわかると思いますし。」


「さすがガチャ衛門だな。冷静で助かるよ」


「当然です。わたくしを誰だと思ってるんですか」


《開いた!?》

《鍵は元からされてないじゃん!》

《ロクのミスだな》


これは何をされたらこうなるのか……。

とりあえず安全な場所にでも、連れて行きましょう。


(メザリポの体は痩せこけて骨が浮かび上がっていた。)


「う、あ、ロク君かい……アナを頼む」


「アナさん?家族なのかな?」


(メザリポは意識が朦朧としているようだ)


「ガチャガチャしてみよう!エリクサーとかあるんだろ?」


「レジェンドトークンでしたら、死んだ者さえ生き返すと言われているフェニックスポーションも出る可能性はありますよ」


「メザリポさん、絶対助けるからな...!」


「ロク、急いでください。彼の生命反応が弱くなってます」


《頼む、良いアイテム出てくれ!》

《メザリポさん頑張って!》

《次、エリクサー出ろー!》


(ロクは、メザリポの命と王国の真実への願いを込めるように、震える息を吸い込み、レジェンドトークンをガチャ衛門の投入口へとゆっくりと押し込んだ。全ての運命が、この一回に託されたかのように。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る