ダンジョンのある現代で私だけスキル自由自在なんですけど?!
sumi73
第1話 世界が変わった日
1945年8月15日、第二次世界大戦が終了した。厳密には日本軍は戦争を終了せざるを得なくなった。未曾有の災害が日本を襲ったからだ。まずはじめに大地震に見舞われた。戦時中の突然の地震に人々は混乱した。そんな日本に追い打ちをかけるように地震が終わった後地形が変わった日本の至る所に亀裂や洞窟などができたのだ。
日本は即座に降伏を宣言。それと同時に各地の調査が行われた。調査の結果、それらの穴は大小様々な大きさで、内部は日本の生態系とはまるで違っていた。
不幸中の幸いだったのは、戦時中だったことだ。戦闘に参加していた者が調査に乗り出した為、戦えるような装備を身につけていた。その結果、穴の中にあるナニカに対してある程度身を守ることができたのだ。
それでも中には人間では倒すことのできないナニカも存在し、少なくない日本人が行方不明となった。
しかし、そのナニカは基本的に穴の中から出てこなかった。時折、外にいる物体もあるがそれは稀でその場合は情報共有して一般市民は立ち入らないようにした状態で軍が対応に当たっていた。
少しずつ時が過ぎていく中で、その穴を人はダンジョンと呼び、ナニカをモンスターと呼ぶようになった。
降伏した日本は軍隊のかわりに自衛隊を各地に置き、自衛隊の中の一つとしてダンジョン部隊を結成。ダンジョンの対応に当たっていた。
しかし、日本各地にあるダンジョン全てをダンジョン部隊で対応するのは現実的に難しいということで、ダンジョン部隊はあくまでダンジョンの管理と市民の命や財産の防衛に徹し、モンスターの対応は民間に委託された。それが、元々地域の自警団をしていた者達を中心とした、探索者の団体である。
探索者の団体は、自衛隊が管理しているダンジョンにそれぞれ支部を置き、ダンジョンに入る探索者のフォローや自衛隊のダンジョン部隊と連携して情報共有、近隣住民のフォローなどを行っていった。
少しずつ整備が進んだ現在、ダンジョンは日本国内だけではなく地球全体に発生していた。
人類はその脅威に対してもまた銃と爆弾で立ち向かおうとした。だが、通常兵器が効かない相手や、対応しきれない状況に、各国は次第に手を取り合い始める。敵が「人間」ではなくなった瞬間、ようやく世界は一致団結した。
長い戦争が終わりを告げたのは、皮肉にも未知の“異常”によってだった。
ダンジョンの中はまるで別世界のように構成されており、迷宮のような構造に、植物、鉱物、そして魔力を帯びた資源が存在していた。中には森や砂漠など自然あふれる場所もあり、それらは科学技術と融合し、新しい生活様式を人々にもたらす。
日本はダンジョンとそれに挑む人間を探索者と称していたが、現在では世界共通で、ダンジョンとダンジョンハンター、ナニカはダンジョンモンスターと呼ばれるようになった。
彼らはモンスターを討伐し、ダンジョンの資源を持ち帰り、国家や経済を支える新たな柱となっていった。
ダンジョンに適応した人間たちは、ある種の“進化”を始める。それが「スキル」という存在だった。
特定の条件下で目覚める“能力”。それは身体能力の強化から、魔法のような力、そして特殊な職能まで多岐にわたる。スキルを持つ人々は「能力者」と呼ばれた。
さらに不思議なのはあるカードの存在である。ダンジョンでモンスターを倒した者は、いつの間にか謎のカードを所持していた。
捨ててもいつのまにか服のポケットに入っていたり家に置いてあるそれは、どうやらその者のデータが記入されているらしかった。世界は研究チームを発足してカードの解析を行い、今では政府はそれらの管理を行うために「Pカード(パーソナルスキルカード)」の制度を整えた。
スキルは戦いの結果として、あるいはダンジョンの宝箱から得られることがあるが、それを持つことは誰にとっても当たり前ではない。むしろ、希少な力として尊ばれていた。
有用なスキルを持っていれば、モンスターとの戦いでも有利な為、スキルは皆喉から手が出るほど欲しがったが、貴重な為どうしたら出るのかなとは謎のままである。
また、スキルの内容次第では、妬む者や悪用しようとする者に襲われたりする事件も起こっており、人々はスキルの存在を大っぴらにしなくなった。
ただ強者だけは何かしらのスキルを持っていることを公言することもあった。そのくらいスキルというのは珍しく貴重なものなのだ。
終戦後、ダンジョンと共に過ごしてきた人類達。現在の若者は戦争は知らないがダンジョンは身近なもとなっており、将来ハンターを目指す者も多い。
また、義務教育の一環として、ダンジョンやモンスターについては学校でも学ぶことがある。避難訓練にも、ダンジョン内のモンスターがスタンピードを起こした時のための避難訓練も導入されるなど、ハンター以外の人々もダンジョンとの共存を余儀なくされ、今やダンジョンがあることが日常となっている。
———世界が変わった日より抜粋———
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