第2話
さあ、大変なことになりました。
黒ひょうは早速、王様とお妃様を王宮からついほうし、更にはこんなことを言いました。
玉座に腰かけた黒ひょうは、側近のクマたちに次から次へと指示を出します。
「体の白い動物たちは、みんなついほうする。ホワイトタイガーも、シロクマも、ウサギもヤギもみんなだ!」
黒ひょうは白いものが大嫌いでした。
自分の好きな色だけをそろえた動物園にするのが、「やぼう」だったのです。
黒ひょうの言いつけにしたがい、クマはお部屋から白い動物たちをどんどん追い出します。
そして、動物園の入口には、たくさんの白い動物たちが、とまどった表情のまま、集められました。
白いネズミや、白いウサギが文句を言います。
「こんなおうぼう、許されない!」
「オレたち、何も悪いことしてないよっ」
「たたかおうっ」
みな、怒りでわれを忘れています。
その輪の外には、ライオンの王様、お妃様がいました。
王様は、みな、落ち着け!と叫びましたが、みんな耳を貸しません。
ホワイトタイガーは、ごちゃごちゃした集まりから抜け出して、空に向かって大声を上げました。
すると、ヒューン、と上空を巡回していたセキセイインコがやって来ました。
ホワイトタイガーはセキセイインコに言いました。
「このままじゃ、「戦争」になっちまう!中に残ってるヤツに、事情を説明してくれ。俺の予想だと、絶対、エメルダが仕組んだことだと思うんだ」
セキセイインコは飛び立つと、ある動物の元へと飛んでいきました。
いつものように、コアラがポールのライトの交換をしていると、バサバサと慌てた様子のセキセイインコが現れました。
コアラの頭の上をグルグル周り、さっきの事情を伝えます。
「大変ダ!白い動物たちがついほうされタ!」
「えっ、ついほう?」
コアラはセキセイインコから事情を聞くと、すぐさまポールを降りて、ゴリラの元へと向かいました。
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