パワハラしてきた爆乳勇者パーティーを土壇場で裏切ってみた件。~魔王さんから領地をもらったので、のびのび開拓しながら見た目SSSランクの性悪女たちをお仕置きします~
幕間 爆乳勇者パーティーの勇者は恵まれる
幕間 爆乳勇者パーティーの勇者は恵まれる
私は特別な存在だった。
偉大なる女神様から祝福を受け、勇者の力を宿して生まれてきたのだ。
祖国は私の誕生を盛大に祝った。
国に勇者が生まれることがこの上ない名誉だったのだろう。
いずれ魔王を倒せるように、国王たる父は私にあらゆる教育を施した。
剣術、弓術、馬術、魔法……。
文字通り血反吐を吐きながら、私はあらゆる技術を習得した。
そんな私に待っていた周囲の言葉は――
『流石は勇者様だ!!』
その言葉が最初は誇らしかった。
自分の努力は人に認められているのだと、そう思っていた。
それが初めて揺らいだのは、旅人を襲う山賊を討伐した時だった。
多くの旅人から物や金を奪う悪党を、一方的な力で蹂躙した。
悪党を倒したことに罪悪感はなかった。
しかし、人を殺した時の感覚が手に残って、そのあまりの気持ち悪さに私は枕を濡らした。
それでも周囲がかけてきた言葉は――
『流石は勇者様だ!!』
いくら悪党と言えど、人を殺した私を褒めちぎる周囲の大人たちが気持ち悪かった。
でも、私は期待を裏切れない。
周囲の期待を背負い、やがて私は成長して大人になり、前線で魔王軍と戦うこともあった。
魔王軍との戦いは楽だった。
幼い頃から魔物や魔族は人類の敵だと教わってきたからか、殺すことに抵抗はなかった。
死の間際に愛する者の名前を呟く魔族を殺しても、少し後味の悪さを感じるだけで特に何とも思わなかった。
……ああ、嘘である。
獣同然の魔物はともかく、魔族を殺し続けるうちに私は罪悪感のようなものを覚え始めた。
何度も気のせいだと思うことにした。
一人、また一人と殺す度に私の中で芽生えた罪悪感は大きくなっていった。
私は優しかった母に訊ねた。
魔族を殺すことは本当に正しいのか、私はただの大量殺人鬼ではないのか、と。
母から返ってきたのは――
『貴女は正しい行いをしているのよ。だって貴女は勇者なのですから』
勇者。
母ですら私をただの娘ではなく、女神の祝福を受けた勇者として扱っている。
その時、私は気付いてしまった。
私が感じている気持ち悪さの原因は、私が勇者だからだと。
勇者だからなどというくだらない理由で、魔族だからという理由で殺さねばならないのが気持ち悪いのだと。
それでも私は周囲を裏切れなかった。
勇者としての期待に応えねば、私は私の価値を失ってしまう。
だから心を殺して敵を殺した。
『流石は勇者様だ!!』
その頃には、その言葉はただの呪いにしか思えなくなっていた。
期待が重い。辛い。気持ち悪い。
それでも私は勇者としての使命を全うするため、強力な仲間を集めて戦った。
だからこそだろう。
期待も背負わず、ただ一人でこちらの世界にやってきて自由に生きている異世界人が、ヒューガという男が私は大嫌いだった。
だから何度も嫌がらせをした。
わざと魔物をけしかけて何度も危ない目に遭わせてやった。
きっと胸のすく思いができるに違いない、そう思っていた。
……何とも思わなかった。
嫌いな相手が必死に魔物から逃げ惑う姿を何度見ても、私は心の中に何か嫌なものが溜まっていくだけのように感じた。
今にして思えば、裏切られて当然の行いだ。
もし私の感じている期待の重さを正直に打ち明けていれば、何かが変わったのか。
……ああ、変わったかもしれない。
ヒューガという男は礼儀正しく、恩には恩を、仇には仇を返す人間だった。
いや、あるいは無意識にそれを期待していたのだろう。
私を勇者だからと手放しで称賛するのではなく、一人のクズとして罰してくれるような相手を欲していたのかもしれない。
「おら、急にしおらしくなったな!!」
「くっ♡ んお゛っ♡」
信頼していた仲間たちに手足を押さえ付けられ、ヒューガが私を乱暴に扱う。
正直、心地よかった。
私を勇者だからではなく、憎いからという理由で罰を与えてくれるこの男が私には救いに思えてしまった。
「こ、この程度で、私が屈するわけないだろうっ♡」
「この女、さっきからずっと締め付けてくるくせに生意気言いやがって!!」
少し逆らえば、もっと私を罰してくれる。
どうかこのまま私が壊れるまで、思う存分壊してほしい。
私の犯してきた罪を償わせてほしい。
そんなことを考えていたら、ヒューガの側に侍る絶世の美少女がニヤリと笑って私に話しかけてきた。
「君、もしかしてぇ♡ 旦那様に乱暴されて喜んでるぅ?」
「っ、そ、そんなわけっ♡ おほおっ♡」
「んふふ♡ 図星みたいだねぇ♡」
まるで見透かしたような少女の言葉が、すっと心に染み入る。
「大丈夫だよぉ♡ ここでは君は旦那様のペットなんだからぁ♡ 勇者とかそういうの、全部忘れちゃおうねぇ♡」
「っ、あっ♡ ああっ♡」
私はとても大きな声で喘いだ。
ルナティアという勇者ではなく、ルナティアという人間として、女として扱ってもらうために。
すると、ヒューガは私のお尻を乱暴に叩いた。
「急にエロい声出しやがって。今さら媚び売っても愛人にはしてやらねーぞ。お前はペットで十分だ!!」
「おおっ♡ さすがは主殿っ♡ あのルナティアを完全に支配しておるのじゃ♡」
「ふふ♡ ヒューガさんにもっと気持ちよくなってもらうためにルナティアさんに媚薬追加です♡」
「にゃあんっ♡」
ああ、私はなんて幸せなのだろう。
信頼する仲間たちだけでなく、私を一人の女として扱ってくれる主人にまで恵まれるとは。
私の心は、軽くなった。
―――――――――――――――――――――
あとがき
ワンポイント小話
作者は周囲からの期待で歪んじゃった系美女が大好き侍。
「これは周りが悪い」「ペット四匹目ゲットだぜ」「あとがき分かる」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
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