第10話 爆乳勇者パーティーの調教中に突撃してみた




 マリーを堕とした。


 隣でアへアへしながら気絶しているマリーを見て優越感を覚えていると、寝室の扉が軽くノックされた。


 シリルさんだ。



「お疲れ様でした、ヒューガ様。その様子だとあまり苦戦しなかったようですね」


「いやいや、シリルさんのお陰ですよ」



 マリーを媚薬漬けにして堕とす案はシリルさんの発案だからな。



「あ、シリルさん。これを」


「マリー様の完堕ち動画ですね。では彼女の故郷と元婚約者様に届くよう手配しておきます」


「よろしくお願いします」



 これでマリーはもう逃げられない。


 あの堕ち具合を見る限りでは何も心配することはないだろうが……。


 万が一ということもあるからな。


 しっかり退路を断っておいて損はない。むしろ得しかない。



「ところで、サキエルの方はどうですか?」



 サキエルにはテレシアの躾とメイの調教を任せている。

 彼女のことは信頼しているが、やはり獲物を託すとなると気になるのだ。


 シリルさんがサッと視線を逸らす。



「それは、ご自分でお確かめになる方がいいかと」


「え? な、なんです、その反応」


「……こちらへ」



 僕はシリルさんに連れられて、屋敷の一室へと向かった。


 扉の前に立つと、中から声が聞こえてくる。



『ひゃんっ♡ や、やめっ♡ テレシアっ♡ アンタどこ舐めてんのよぉっ♡』


『うるさいのじゃ♡ 大人しく妾の舌で気持ちよくなれっ♡ お主を絶頂させる度に妾がご褒美をもらえるのじゃっ♡』


『んふふ♡ テレシアちゃんは可愛いねぇ♡ ほらほら、メイちゃんもぼくのご褒美がほしいなら必死に我慢しないとぉ♡』


『あっ♡ やっ♡ 耳と尻尾いじっちゃらめっ♡』



 ……ふむ。


 どうやらサキエルはテレシアも使ってメイを調教しているらしい。



「この扉の先の光景をとても見たい僕がいる」


「見てもいいのでは?」


「ダメだ。まだダメだ」



 爆乳の美少女美女が乱れ絡み合う光景に男が入ったら萎えるからな。



『中々しぶといねぇ♡ じゃあここはぼくの必殺技を使おうかなぁ♡ ――はい、魅了チャーム♡』


『――ひにゃあんっ♡♡♡♡』


『んふふ♡ ぼくのことぉ♡ 好きになったぁ?』


『あっ♡ やっ♡ す、好きぃ♡ ち、違っ♡ 今のはアタシの本心じゃ――んにゃあっ♡』


『ろらほら♡ ぼくのこと好きになれぇ♡ 魅了チャーム重ね掛けぇ♡』



 魅了チャームか。


 たしか相手を意のままに操る魔法で、淫魔が最も得意とするものだ。


 あれ?



「シリルさん、魅了って同性に効かないんじゃ?」


「はい。本来、魅了は同性には効かないのですが、サキエル様のものは少々特別でして。洗脳効果を下げる代わりに女性にも効くようにしているのです」


「それって意味あるんですか?」


「いえ、本来はありません。しかし、サキエル様は所作の一つ一つが相手を惚れさせる魔性の女。魔王陛下の言葉を借りるなら、ガチ恋勢量産女です」



 アークさん、なんて言葉を広げてんだ。


 しかし、言い得て妙だな。たしかにサキエルには目を離せない魅力がある。



「……我ながらよくサキエルを妻にできたものですね」


「そうですね。ちなみにヒューガ様はサキエル様を唯一射止めた男性として色々と有名です。ガチ恋勢の中には命を狙っている者もいるとか」


「え、何その話!? 初耳なんですけど!?」


「ご安心を。魔王陛下がそういう輩には釘を刺しているそうなので」


「まじアークさんありがてぇ」



 爆乳勇者パーティーを裏切ってから今日までお世話になりっぱなしだ。

 ここまでお世話になると逆に申し訳なく思えてくるぞ。



「何か恩返しするべきだな……」


「いえ、これは魔王陛下の恩返しなので、気にする必要はないかと」


「恩返し?」


「勇者ルナティアはヒューガ様のお陰で勇者の力を失ったのです。魔王陛下はそのことを強く感謝しているのですよ」


「そ、そうなんですか? でもアークさんなら僕が裏切らなくてもどうにでもなりそうじゃ……」


「いえ、そうでもありません」



 シリルさんが首をふるふると横に振る。



「魔王は本来、勇者には勝てないのです。そういう理なのです」


「理?」


「はい。魔王陛下が優勢だとしても、急に勇者の真なる力が覚醒してドーンされるのです。もしヒューガ様が寝返らねば、負けたのは魔王陛下かと」



 え、えぇ、何それ。負けイベントかよ。


 でも言われてみれば、たしかに魔王城で対峙した時のアークさんからはどこか威圧感のようなものを感じた。


 自分が死ぬと決まっている戦いの前に緊張していたのかもしれない。



「ですので、恩義を感じる必要はない。――と、もしヒューガ様が恩返しを考えているなら伝えてくれと魔王陛下からご命令を受けました」


「お、おうふ……」



 ならまあ、恩返しは諦めるか。



「シリルさん、アークさんに『困ったことがあったらいつでも協力します』って伝えておいてくれませんか?」


「承知しました。……ところで、部屋の中が静かになりましたね」


「む。たしかに」



 僕はそっと扉を開けて、中の様子を窺う。


 するとそこには、サキエルの爆乳に顔を埋めるメイとテレシアの姿があった。



「あっ♡ 旦那様ぁ♡ 見て見てぇ♡ メイちゃんもすっかり大人しくなっちゃったよぉ♡」


「にゃあんっ♡ にゃんにゃんっ♡」


「メイだけずるいのじゃっ♡ 妾もご褒美がほしいのじゃあっ♡」


「あんっ♡ もぉ♡ 欲しがりなペットちゃんたちだねぇ♡」



 その光景はとても素晴らしかった。


 性格は悪くとも見た目が最高なテレシアとメイがサキエルと絡み合う光景は眼福の一言だ。


 しかし……。



「おい、お前ら。サキエルは僕の女だぞ」



 僕を無視してサキエルに群がるテレシアとメイにイラっとした。


 僕は古代魔法・ビッグダディを発動した。







―――――――――――――――――――――

あとがき

ワンポイント小話

猫ってかわいいですよね。



「サキエルかわいい」「嫉妬してて草」「猫かわいい」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る