第19話「議会設立と初選挙!? Excelで選ぶ“村の代表”」

「というわけで、“フェルネ村民議会”を設立します!」


俺がそう高らかに宣言すると、ティナが隣でこめかみを押さえた。


「レオン様、また随分と……思い切りましたね」


「税制改革をするなら、権限の分散と透明性が不可欠なんだよ」


「まあ、それは……理屈としては理解できますが」


「Excelで管理できるから、俺は議席数も任期もルールも全部作っておいた!」


「もう慣れましたけど、あなた“やりすぎ”ですよ!」


■Excelで管理する“村議会”

俺が考えた議会制度は、シンプルなものだった。


【フェルネ村民議会:概要】


議席数:7名(住民代表5、産業代表2)


任期:2年(再選可)


議決権:税率変更、予算承認、大規模事業の可否など


会議:月1回(緊急時は招集可)


議事録・予算案はExcelにて全公開


「投票はどうやって行うんですか?」


アリシアが尋ねた。さすが、事務処理と仕組みに強い彼女らしい。


「投票所を村の広場に設ける。住民番号と照合し、一人一票。

 集計もリアルタイムでExcelに入力、グラフで表示だ」


「なんか……ハイテクっぽいけど全部アナログ!」


「これが“Excel式民主主義”の真骨頂だよ!」


■選挙戦、開幕!

議会設立が告げられると、村に静かな熱気が生まれた。

初の選挙。住民たちは「誰を選ぶべきか」を真剣に考え始めた。


「ティナさんが出るなら、私は票を入れるよ」


「俺はパン屋のサムに入れるつもりだ。あいつ、商売のセンスあるし」


「いや、うちの婆さんが立候補するって言い出してな……」


「まさかのシニア枠!?」


気がつけば、立候補者は15名を超えた。


「これ、絶対に混乱するでしょ……」


アリシアがため息をつく。


「だから用意してある。“Excel候補者比較表”!」


■レオン特製:候補者分析フォーマット

【候補者プロフィール一覧】


候補者名 年齢 職業 所属組織 主張 信頼度スコア(村民アンケート)

サム 32 パン屋 商業組合 商人支援 8.3

バーラ婆さん 68 無職 なし 高齢者医療 7.1

ティナ 26 経理官 村役所 財政改革 9.2

他… … … … … …


「信頼度スコアは、事前アンケートから算出しました!」


「選挙にスプレッドシート持ち込むな!」


だが意外にも、村人たちはこの“比較表”を喜んだ。


「候補のこと、よく知らなかったけど、これ見たらイメージ湧くわ」


「若い人も票を入れやすくなったな。考えやすい」


「こりゃ、他の村でも真似されるかもな」


■演説大会でトラブル発生!

選挙の目玉は、村の広場で行われる“立候補者演説大会”。

それぞれが自分の想いやビジョンを語る場だ。


が、ここで事件が起きた。


候補者の一人、ハルト(21歳・無職・理想家)がこう言い放った。


「税金なんていりません! 全部寄付でまかなえばいいんです!」


「理想は分かるけど、現実を見てくれ!!」


俺は裏で頭を抱えた。だが、これも民主主義の一部だ。

誰もが思ったことを言えて、それに対して意見を返せる空気。


それこそが、この村が“進化”した証だ。


■投票日、そして結果発表

投票は3日間にわたって行われた。

受付では、アリシアが住民名簿を持って本人確認。


子どもたちは「選挙ごっこ」を始め、大人たちは仕事帰りに投票へ。

村全体の投票率は、なんと94.7%。


そして開票。


【当選者一覧(フェルネ村民議会 初代議員)】


ティナ(財政改革派・得票数:83)


バーラ婆さん(福祉派・得票数:75)


サム(商業振興派・得票数:69)


ハルト(理想家・得票数:34)


フレッド(産業代表・得票数:62)


アリス(教育推進派・得票数:55)


カール(防衛担当代表・得票数:50)


■議会、始動!

初会合では、まず自己紹介と議決の仕組みを確認。

発言の記録はアリシアがすべてExcelで打ち込んだ。


「これ、すぐ議事録として掲示できますね」


「そう、速さと透明性が命!」


村民が集まり、掲示板を見てワイワイ議論する姿は、確かに“民主主義”だった。


■Excelが生んだ、未来への一歩

俺のノートには、こう記した。


■フェルネ村議会の運営方針

・議決は多数決(5/7以上)

・予算案はExcel形式で提出・可視化

・年1回の“住民総会”で報告・説明

・議会運営の透明性が信頼を生む


「レオン様、今のお気持ちは?」


アリシアが聞いた。


「正直、まだヒヤヒヤしてる。でも……この村が、自分で自分を選び始めた。

 それが一番の“進化”だと思ってる」


フェルネ村は、確かに“次の段階”へ進もうとしていた。

Excelが、その歩みに寄り添い続けている限り。

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