第8話 やらなきゃやられる

僕は、再びニンゲンに話を聞きに行った。

そして尋ねる。


「僕、世の中のことをあまり知らないので教えてほしいのですが、ゴブリンって本当に狂暴なんでしょうか?」

「はあ? どういう意味だい?」

「いえですから、本当は別に争いたくないのではないかと」

「は! よくそんな悠長なことが言えるね! だからお坊っちゃまは! いいかい? やらなきゃやられる。これがこの世界の掟だ。やられてから後悔したって遅いんだ」

「でも、実際にゴブリンから何かされたんですか?」

「何もされちゃいないよ。からな」


僕はそのニンゲンとの対話はもうあきらめて、別のニンゲンと話すことにした。

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