第6話 俺、正式な冒険者になった
ギルドに戻ると、受付嬢が笑顔で迎えてくれた。
「おかえりなさい。無事に終えたようですね」
「はい、これが証明書です」
手渡すと、彼女は手際よく書類をまとめ、俺にギルドカードを差し出した。
「これで正式な冒険者として登録されました。あなたのランクは鉄級です。基本的には簡単な討伐や配達が主な依頼になります」
ついに冒険者になった。俺はカードを手にしながら、少し誇らしい気持ちになった。
「ちなみに、冒険者ランクは見習い、鉄級、銅級、銀級、金級、黒曜級の順に上がっていきます。銀級以上は実力だけでなく、信頼も必要です」
「なるほど……」
「それと、銀級からは下位と上位があります。下位までは頑張れば到達できますが、上位は狭き門です。銀級上位以上の冒険者は、その都市でのエースと呼ばれるほどの実力者です」
銀級上位への道は険しいようだ。
「……そこまで行けたらすごいんだろうけど、ノーチートだし、俺はどこまで行けるのかな」
ギルド内の様子を見渡すと、ベテラン風の冒険者たちが笑い合いながら酒を酌み交わし、若い冒険者たちが依頼掲示板の前で真剣に相談している姿が目に入る。
「みんな、こうやって少しずつ積み重ねてきたんだな……頑張るか!」
俺はギルドカードを握りしめ、胸の奥で小さく火が灯るのを感じた。
その日のうちに、俺は討伐依頼を受けることにした。対象は“群れを作らない小型のスライム”。鉄級向けの定番依頼らしい。
「これなら俺でも何とかなるか……?」
武器の剣を腰に下げ、郊外の森へ向かう。街を出るとすぐに自然豊かな景色が広がり、森の奥には小川が流れていた。
森の入り口で深呼吸をし、剣の柄を握り直す。
「慎重に、慎重に……」
しばらく歩くと、ぷるぷるとしたスライムが地面を這っているのを発見した。
「いた……あれか」
俺は緊張しつつも剣を構える。動きは鈍いが、油断は禁物だ。
「えいやっ!」
一撃で仕留めることができた。だが、スライムの体液が飛び散り、服がべとべとになる。
「うわ、くっさ! これ、帰ったら洗わないと……」
その後も数体のスライムを倒し、無事に討伐証明となる核を手に入れた。
「これで、ひとまずは合格ってところか」
ギルドへ戻ると、受付嬢が微笑む。
「おかえりなさい、クロスケさん。初めての討伐、見事成功ですね」
「まあ、なんとか……」
「では、これで依頼完了です。お疲れさまでした。ちょっとにおいます」
小さな達成感に包まれながら、俺は冒険者としての第一歩を踏みしめた。
「よし、次はもう少し強い依頼に挑戦してみるか!」
…くっさ、服洗わないと…
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