学年一可愛い純情金髪美少女がキスをせがんでくる話

秋波司

第1話:なぜか学年一可愛い美少女の胸を触らせられている



 学年一可愛いと言われている天ノ衣あまのい梨々花りりかさんの下着は小さなリボンのついたピンク色の物だった。何故分かるのかというと今まさに見て、触れているからだ……いやなんで?


 どうしてこんな男の夢を掴む、もとい胸を掴む様な状況になっているんだっけ。

 いや、掴んではいないか。ただ触っているだけ……待て待て待て、胸に触れるなんて状況を「ただ」なんて言えない。


 それも相手はあの天ノ衣さんだ。知れば誰もが望むを超えて僕に殺意さえ抱くような状況。なおさら「ただ触っている」なんて表現をするわけにはいかない。


 ていうか何これすっごく柔らかい。しかもそれだけじゃなくて少し押し返してくるような弾力もある。これがハリというものなのか。それとも天ノ衣さんの胸が特別なのか。


 ともかくも、僕の視線と意識は天ノ衣さんの胸に釘付けになっている。頭に熱湯が注ぎ込まれたみたいに頭が茹だち、ボーッとしてきた。


 ダメだ、頭が真っ白に、否、真っピンクに染まってまともに考えられない。

 分かっているのは僕が自発的に触っているわけじゃなくて、天ノ衣さんの手によって半ば強制的に触れさせられている、ということ。抵抗できたかはさておき。


「そ、それで、どう?」


 僕の手を自身の胸に押しつけている天ノ衣さんは顔を真っ赤にして上目遣いを向けてきた。掌を包む(というか掌が包む)心地よい感触に潤んだ瞳が合わさって僕の鼓動はさらに跳ね上がる。思わず生唾を飲み込んだ。


 急速に膨れ上がっていく疚しい気持ちをどうにか抑え付けながら答える。


「……や、柔らかいです」


「ば、ばかぁ!」


 なぜ?


 吐き捨てた天ノ衣さんの顔はさらに赤みを増し、顕になっている胸元までも朱色に染まる。怒りと羞恥がない交ぜになった鋭い視線を向けてきた。


 怒るのは理不尽すぎない?

 僕は正直に答えただけなのに。それとも星五つだって言った方が良かったとか?


「む、胸の感触じゃなくて鼓動を確認しなさいよばかぁ! えっち!」


「あ、そ、そっか! ごめんっ!」


 そうだった。あたしの鼓動を確認してみなさい! と凄まれてこうなったんだった。動揺しすぎて頭から完全に抜け落ちていた。


 でも絶対僕は悪くない……よね。

 理解が追いついていない僕の手をとって触らせているのは天ノ衣さんだ。健全な高校二年生にそんなことすればまともに思考出来なくなるのは当たり前だ。


 そしてそんな状態で出る感想なんて胸そのものの感触しかないに決まっている。煩悩まみれの頭で冷静に鼓動を把握しろなんて高度なことは出来ない。


 というか怒るならそろそろ僕の手を離してほしい。感情的な意思ではなくてギリギリ残った理性がなんとかそう思わせてくれている。


 それよりも本当になんで?


 どうして僕は直接胸を触ってまで鼓動を確認させられているんだっけ。ふんわりと説明されたけど、直後の天ノ衣さんの過激な行動にかき消されてしまった。


 どうしようもなく昂ぶる劣情を振り払うべく僕は努めて彼女の鼓動だけに意識を向けながら、同時にこうなるまでのこと思い出すよう頭を巡らせた。




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第一話をお読みいただきありがとうございました。

本日から一区切りつくまで毎日この時間に投稿していきますのでぜひよろしくお願いいたします。


まだ導入だけなので何とも言えないかもしれませんが、もしよろしければ感想コメントやレビュー、フォローをいただけると励みになります。そしてとても嬉しいです。


改めまして、この物語をぜひぜひよろしくお願いいたします。


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