ダークヒロイン
第24話 マコルの差し入れ
セイヴァース支部のオフィスビル。
食事を終えたライザス・ウェルザーは、世界各国のVIPスポンサーに中継で礼を述べる。
「皆様、いつも我がセイヴァースへの寄付を大変感謝しております。この世界…いや、地球上を救う為にも皆様のご援助が支えになって参ります…。」
ライザスが感謝を述べる途中、VIPの一人が声を上げる。
「ウェルザー卿、固い話は後だ。我々は君の主案したゲームに金を注ぎ込んでいるだけなのだから。」
続いて女性のVIPが続く。
「早く続きを拝見したいわ。私の一推しの銀影はどうなったの?」
「いや、我がアメリカが誇るキラー・パンサーこそが輝石を手にするだろう。得体は知れんが、ハリー・ウィルソンも勝った事だしな。」
「いやいや、劉家の血統である麗蘭こそ輝石を確実に手にするはずだ!」
VIPがそれぞれの推しで盛り上がる姿が通信で映し出される中、黒髪の美しいアジア系の美女。
まるで葬儀のような黒いドレスを纏った彼女が不敵に笑う。
「フフッ、わたくしはここからに期待します。」
「おお、マダム・パピル…。漸くあなたも賭けに乗る気になりましたか?」
「あなたがどの選手を気に入ったのか気になるなぁ。」
男性VIP会員達は美しいマダム・パピルに夢中で話し掛ける。
その様子に婦人の会員達は嫉妬の目を向ける。
その様子を画面で見守るライザスは、特に謎の富豪美女であるマダム・パピルに注目していた。
「マダム・パピル…あなたの意見を聞きましょう。」
ライザスの問いに無表情ではあるが、パピルは目を向けてくる。
「敗れてはしまいましたが、クリストファー・ダークの力はなかなかの物でした。故に彼とともに上陸した残る二人もかなりの強者ではないかと…。」
パピルの意見に男性VIP会員達は称賛を述べる。
「なかなかの目の付け所じゃあないか。あの派手な長髪の男は香港マフィア専門の始末屋らしいぞ。」
「麟飛魯か…。なかなかの使い手だろう。殺しのプロとしては銀影やキラー・パンサーにも勝るだろう。」
「もう一人のロシア系美女の素性は知らないが、あの美しさは他の美女に引けを取らない。美しい者は強い…。これこそ世の常である。」
男性VIP会員は、それぞれ好き勝手な事を言ってパピルを和ませようとしていたが、彼女の瞳は笑っていなかった。
それを見逃さないライザスは、敢えてにこやかに会話に入る。
「ご参加下さり感謝しますぞマダム…。清楚なあなたが格闘にご興味があるとは思いませんでしたが…。」
「フフッ、ウェルザー卿…女性を外見だけで判断されてはいつか痛い目を見ますわよ…。」
「おっと失礼…。確かに今回のゲームのプレイヤーも殆どが女性でしたな…。輝石を奪い、島を脱出するのも彼女達の誰かかもしれませんな…。」
ライザスは、パピルの鋭い目を惚けてかわしながらVIP会員達に新たなVTRを共有する。
「ここで我がセイヴァースから追加選手を島に投入させましょう。こちらも我が社が誇る最高の女戦士にございます。」
画面にはいつもの物資調達の船によって上陸するライザスの秘書、マコルの姿があった。
相変わらずの神聖なる白と青の魔法衣とマントで上陸したマコルは更に乗組員に巨大な箱を下ろさせた。
「ハイ、ご苦労様です。ではここからは私がこの物資を運びますので…。」
マコルは箱に手を置き、何やら呪文を唱える。
すると彼女の魔法衣から毛の色が違う猫達が現れ、箱に飛び乗っていく。
「さぁ、マジカル・キャット達…このお荷物をあの山の頂きまで運びましょう。」
マコルの気獣聖霊である猫達が鳴き声を上げると、光に包まれたマコルとその物資が一瞬にして山の中へと移動していく。
「さぁ、いよいよあなたの出番ですよ…。」
マコルが物資の箱を解錠すると箱を振動がぶち破り、中から両目を光らせた長身の人影の姿が…。
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