第42話「絶望に射す雷」第一部
テセウキの世界は、たった一つの音の中で砕け散った。ぐちゃり、と湿って、吐き気を催すような音。それは樹皮が裂け、骨が砕け、命が消え去る、冒涜的なシンフォニーだった。胆汁が喉の奥から込み上げてくる。熱く、苦い。衝撃はただ視覚的なものではなかった。実存的だった。あれは動物ではない。人だった。そして彼は、その人が…
ゴクリ… 喰われるのを見た。
恐怖が彼を麻痺させ、彼のブーツを壊れた木の床へと縫い付けた。床は今や、床の穴から噴き出す黒い水の奔流の下でぐにゃりと歪んでいた。深淵から現れた水棲の悪魔のような第二のドラゴンが頭を上げ、そして、ズルズルと吐き気を催す喉の動きで、リーダーの上半身を丸呑みにした。テセウキは目を逸らすことができなかった。怪物の喉をゆっくりと下っていく、不定形の塊。それは、冒涜的な太陽の残像のように、彼の網膜に焼き付いた。
彼の後ろで、木が裂ける最後の、勝利の音がした。バキィッ! 最初のドラゴンが、ほとんど自由になっていた。
テセウキは凍りつき、緊張病にかかったかのようだった。壊れた木の祭壇の上で、二柱の死の神の間に捕らえられていた。緑の樹液と血の匂いが空気に染み付いていた。ミッカの剣、英雄の武器が、震える手の中で爪楊枝のように見えた。
(俺は…どうすれば…?)
その思考は、麻痺した心の中の、声なき叫びだった。
だが、混沌は彼の答えを待たなかった。残された二人の『樹液の子ら』は、リーダーが殲滅されるのを見て、躊躇しなかった。彼らの細い体が、驚くほどの速さで動く。**サッ!**と、彼らは瓦礫の中から立ち上がった。詠唱が再び始まる。葉の囁きが、今やより鋭く、より切迫した、純粋な復讐の旋律となった。隠された口の上に置かれた細い腕、その指が、母なる樹自身の歌を響かせる。
第二のドラゴンが獲物の残骸を貪っている間、生きた枝がニョロニョロと周りの木から現れ、その関節と顎に絡みつき、ガシッと締め付けた。怪物はバタバタともがき、驚き、森の怒りによって一時的に無力化された。
その短い合間に、一人の『樹液の子』が頭を回し、仲間、まだ壁際でブルブルと震えている臆病者に向かって、シューッと叫ぶような囁きを発した。しかし、もう一人はテセウキの方を向いた。彼の声の奇妙な囁き、ヒュッと鋭く空気を切り裂く音。
「カナタク! カナタカタ!」
彼は最初のドラゴンを指差した。命令は明確で、普遍的で、絶望的だった。
ヌッ…と、ほとんど自由になった怪物が、ゆっくりと向きを変えた。その動きは野蛮で動物的、体はバランスを取ろうとユラユラと揺れ、平たい頭が次の獲物を探していた。視線が交差する。テセウキの目の恐怖が、獣の理性のない飢えと衝突した。
今だ。奴らか、ドラゴンか。
考える時間はなかった。職人である暇はなかった。ズルリと飲み込まれるレグルスのイメージ、熱に浮かされてハァハァと喘ぐミッカの姿、疲れ果てたダイアンヤの顔、そのすべてが一つの、燃えるような決意へと融合した。若き創り手は、残されたボロボロの勇気をグッとかき集めた。ミッカの剣が持ち上がる。オレンジ色の刃が、薄闇の中の希望の灯台となった。スッと、正確な突きの一撃を狙う。
だが、その一撃は決して起こらなかった。
**バラバラッ!と棘の雨が彼の周りで爆発した。テセウキは無理やり動きを止め、そして、心臓と呼吸が同時に止まった。ドラゴンは、最後の一引きで、それを拘束していた枝をバキィッ!**と破壊した。グラグラと向きを変えようともがき、体は野蛮な怒りで揺れた。そして、二人の視線が再び交差した。恐怖に満ちた職人の目と、理性のない飢えた獣の目。
**ズンズン…**と、怪物はゆっくりと歩き始め、テセウキを取り囲み、彼は震える手で剣を上げた。
(もし飛びかかってきたら、首を貫けるはずだ)
その思考は、絶望的な祈りだった。テセウキに命令した『樹液の子』が彼の隣に現れ、その長く細い腕が葉を囁かせる準備をしていた。もう一人は、臆病者を叱りつけ、無理やりグイッと立たせると、テセウキを支えるためにやってきた。キリッと、ほんの一瞬、儚い瞬間、彼らは勝てるかもしれないと感じた。
だが、グォォ…と、くぐもった咆哮が再び響いた。職人の背後で、第二のドラゴンがバタバタと頭を激しく振り回していた。二人の『樹液の子』は、それを拘束するために詠唱に戻らざるを得ず、テセウキの隣には、ただブルブルと震える臆病者だけが残された。
そして、ドラゴンが動いた。テセウキに対する、冷たい飛びかかり。本能が彼をヒョイッと飛びのかせたが、着地に失敗した。彼はドサッという鈍い音を立てて、濡れた木の床に倒れた。それは怪物が待ち望んでいた瞬間だったが、攻撃への恐怖が、彼が考えていた危険な一撃を試みることを妨げた。
剣を支えに立ち上がろうとした時、彼はドラゴンの巨大で太い尾を見た。ビュン! そして、彼は気づいた。自分が標的ではなかったことに。
『樹液の子』、臆病者は倒れ、立ち上がろうとしていたが、腕も足も彼に従わなかった。彼はクタッと自分自身の上に崩れ落ちた。絶望的な行為として、彼は詠唱を試みた。だが、囁きは出ず、葉は響かなかった。
ドラゴンはすぐには殺さなかった。猫がネズミをいたぶるように、爪で彼をチョンチョンと叩いていた。一撃で、小さな生き物はポイッと投げ飛ばされ、胸からゴスッと着地した。起き上がろうとした瞬間、ドラゴンの巨大で筋肉質な右前足が、小さな『樹液の子』の広く頑丈な体の上にズンと乗った。
黒い足、爪を覆う黒曜石がキラリと光り、木と金属板を紙のようにブスリと貫いた。緑色の、濃い樹液がズルッと流れ出した。
そして、キィィィッという生き物の甲高い叫びが、隠された口の下から響き渡った。彼は長い腕で爪をバタバタと叩いた。細く、弱い、小枝のような腕。叩くたびに、動きは遅くなる。甲高い**グルル…**という音は、ますます湿っぽくなり、まるで彼が泣いているかのようだった。ドラゴンは巨大な頭を下げ、顎を開いた。黄色い歯、腐った肉の悪臭。白く、亡霊のような目。
だがその時、見えたのは閃光だった。
**ピカッ!**と黄色い閃光が彼の視界を満たし、世界は一つの動きに集約された。
**シャキン!**と、乾いた、冷たい一閃。
ドラゴンは**ギャアア!**と叫びながら後ずさり、頭を振り、赤い血が噴き出す中をもがいた。その右目は、今や血まみれの裂け目となり、半分に切り裂かれていた。
だが、響き渡った叫びは、怪物のそれではなかった。それは怒りの叫び。
それは、職人のものだった。
片目を潰され、痛みに狂ったドラゴンが爪を上げた。テセウキは死角へと**サッ!とかわした。ミッカの剣で爪を受け流す。ガキン! 足はドンッ!と力強く床に落ち、木を破壊した。そして、二度目の斬撃が来た。ザンッ! 怪物はギャア!**と咆哮し、後ろへ跳び、肩が半分に裂かれていた。
血が刃から滴る。職人はゼェゼェと喘ぎ、アドレナリンが彼を突き動かしていた。
二人はジリジリと歩き、互いを見つめ、取り囲んでいた。狩人の役割をめぐる、静かな対峙。テセウキはゆっくりと、ドラゴンを自分が引きずり出された穴へと誘導していた。
そして、枝がユラリと揺れた。小さく、震えながら、だが十分だった。
瀕死の『樹液の子』の最後の痙攣。彼がかろうじて制御できた一本の枝が、死角から怪物の頭をポンと叩き、それを後退させた。攻撃の瞬間、それは**ザブン!**と水の中へ飛び込み、そして逃げた。
竜の血の悪臭が、湿った空気の中にムワッと重く漂い、テセウキの喉に吐き気を催すような瘴気(しょうき)としてまとわりついた。彼はそこに立ち、ゼェゼェと喘ぎ、体はアドレナリンの余波で震え、ミッカの剣のオレンジ色の刃は、今や彼の手に不可能なほどの重みとなっていた。彼は勝った。だが、勝利は灰の苦い味と死の匂いがした。
グッと、全身の筋肉が抗議する努力で、彼は向きを変えた。『樹液の子』、臆病者は、彼が倒れた場所にキュッと縮こまり、小さく壊れやすい体がブルブルと制御不能に震えていた。テセウキは彼の元へ駆け寄り、ブーツが浸水した木の床をバシャバシャと鳴らした。
「大丈夫か?」彼は尋ね、生き物が立ち上がるのを手伝った。
木でできた存在は答えず、ただブルブルと震え、恐怖に満ち、その滑らかで空虚な仮面は、まだ繰り広げられている混沌に向けられていた。
ゴボゴボ… 破壊された部屋の反対側で、他の二人の『樹液の子』は、絶望的な見張りを続けていた。詠唱、葉の旋律的な囁きが続き、捕らえられた神の怒りに対する、脆い祈りとなっていた。第二のドラゴンは、まだ生きた木に縛られ、ガシガシと激しくもがき、頭を盲目的な怒りで左右に振っていた。リーダーの濃く、ドロリとした樹液、血が、その顎から滴っていた。
テセウキは、その牢獄が長くは持たないことを知っていた。彼らの魔法は限界に達していた。怪物が解放され、始めたことを終える前に、彼はこれを終わらせる必要があった。彼は立ち上がり、剣を握りしめた。冷たい鋼が、彼の新しく恐ろしい決意の延長となった。
彼はドラゴンを仕留める準備ができていた。
だが、最初の一歩を踏み出そうとした時、彼はズボンの裾をグイッと引かれるのを感じた。『樹液の子』の臆病者が、絶望的な力で彼を掴んでいた。
「おい、離せ!」テセウキは文句を言い、逃れようとした。
生き物は彼を放さなかった。その小さく震える体は傾き、全力で彼を根でできた暗いトンネル、球体へと戻る道へと引きずっていた。彼は戦いたくなかった。逃げたかった。
(俺を置いて行かせたくないのか?)テセウキは苛立ちながら思った。だが、彼は気づいた。それは見捨てられることへの恐怖ではなかった。生存本能だった。『樹液の子』は、必死にここから出たがっていた。
テセウキの視線は、恐怖に満ちた生き物と、怪物を抑えようと戦う二人の仲間との間を行き来した。時間がチクタクと引き伸ばされ、圧縮されるように感じられた。(俺は…)
ドゴォォン! その時、生きた木の壁が爆発した。
テセウキの世界は停止し、暴力と混沌の一つのイメージに集約された。彼の目はカッと見開かれ、呼吸が喉に詰まった。冒涜的な黒い水の奔流が部屋に侵入し、飢えた速度で木の床を浸水させた。
ズシン! ズシン! 二つの巨大なシルエットが、新しく開いた穴から落ちてきた。
一体は、鈍く重い音を立てて部屋の床に落ちた。もう一体は、怒りと鱗の雪崩となって、その前に着地した。だが、その怒りは、彼らを狩るためではなかった。
結局のところ、それはすでに獲物を得ていた。
バタバタと、倒れたドラゴンは苦悶にもがき、目は半分に切り裂かれ、肩はズタズタになっていた。**ガッ!**と、それは防御しようとし、爪が盲目的な弧を描いて上がった。
だが、第三のドラゴンはより速く、より残忍だった。その黒い爪で、傷ついたドラゴンの腕をバシッ!と叩き落とし、足で首をグッと押さえつけ、**ガブリ!**と野蛮な一口で肩に食らいついた。肉が裂ける、湿った、卑猥な音が部屋に響き渡った。テセウキが数秒前に与えた切り傷が開き、ますます広がり、苦悶の深淵となった。
新しい怪物は、**ブチッ!**と犠牲者の腕を、深紅の血の噴水と共に引き千切った。
テセウキが対峙した怪物は…
ゴクリ… 最後の喘ぎと共に、もがいていた生き物の首に顎を食い込ませ、命は流れ去り始めた。その動きは遅くなり、痙攣し、そして完全に止まった。そして、顎で同類の肉を引き裂きながら…
…今、共食いされていた。
自然が、憎悪の狂乱の中で、それ自身を貪っていた。その光景の恐怖が、テセウキの呪文を解いた。ヒュッと、叫びが彼の喉を引き裂き、彼の正気の最後の断片が砕け散った。
「奴らを置いていけ!ここから出るぞ!」
彼の声が響き渡り、まだ詠唱していた二人の『樹液の子』への絶望的な命令となった。だが、遅すぎた。黒く油のような水が、飢えた速度で上昇していた。流れは、テセウキにとっては不便だったが、小さな生き物たちにとっては破壊的な奔流となり、彼らをズルズルと引きずり、バランスを保とうともがかせた。
枝が動いた。一人の『樹液の子』が、不可能なほどの敏捷さで、彼自身が呼び出した木によってスッと持ち上げられた。枝、知覚を持つ触手が、生きた蛇のようにニョロリと走り、テセウキと臆病者を包み込み、浸水した床から持ち上げた。三人はトンネルへと運ばれていった。
だが、一人が残された。
彼は忘れられたのではなかった。彼は去ることを拒否した。一人、水はすでに胴体に達し、捕食者が獲物を貪る吐き気を催す音の中で、彼の囁きは続いた。それは最後の祈り、レクイエムだった。枝は最後にもう一度彼に従った。攻撃するためではなく、守るために。
テセウキが最後に見たイメージ、トンネルの暗闇へと引きずり込まれる間に見たのは、浸水の中に立つその小さなシルエット、母なる樹を指揮する姿だった。部屋が開き、彼らが逃げるのを許した。そして、**ギイイ…**と、墓の瞼のように捻じ曲がる木の最後の呻きと共に、それは閉じた。
そして、黒い水が彼を飲み込んだ。詠唱、あの地獄における秩序の最後の火花が…ついに、**シーン…**と沈黙した。
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