第30話「守護者の目覚め」
古の大樹の中に彫られた広間の静寂は、重い帳のようだった。パチパチと爆ぜる火の音と、仲間たちの浅い寝息だけが、その静けさを破っていた。テセウキは、胸に重い鉄床を抱えているかのような心地で、じっとその光景を見守っていた。ダイアンヤとミッコは、幅広の乾いた葉でできた寝床で眠りに落ちていた。その体は戦いの傷跡に覆われ、蔓で結ばれた黄色い葉で包まれている。その自然の湿布は、土のような落ち着いた香りを放っていた。
コツ、コツ…
そう遠くない場所で、樹液から生まれた二体の小さな者たちが、驚くほど繊細な手つきで働いていた。彼らはレグルスの体から乾いて黒ずんだ樹液を剥がし、その下にある恐るべき傷の全容を露わにする。レグルスの竜の魔法が、彼の定命の器の限界を超えて暴走した箇所は、肉が溶岩と化し、ゴツゴツとした火山性の地殻のように肌を覆っていた。その光景に、テセウキは胃がキリキリと痛むのを感じた。彼はダイアンヤに目をやった。(もし彼女が起きていれば、彼を癒せるかもしれない…)と、絶望的な考えが頭をよぎる。
だが、そんな時間は残されていなかった。レグルスの命の灯火は消えかかっており、助けには代償が伴う。命と引き換えの、奉仕。そしてテセウキは、一片の躊躇もなく、どんな仕事であろうと受け入れる覚悟だった。
「ザカ・イシタナカラ・オラタ」
アルマの透き通るような霊妙な声が、彼の隣で響いた。彼女は、樹液の者の囁くような言葉を、暗黙の命令を含む冷静さで訳した。「黄昏時になれば、そなたは他の『斥候』たちと合流せねばならぬ。そこから、母なる樹の根へと下り、青き竜の手の中にあるという硬い殻を探すのだ」
「硬い殻だと?」テセウキは、疲労に混じった困惑の声を漏らした。
亡霊の姿のアルマは、金属の手甲に覆われた手を顎に当て、考え込む。「おそらく、水棲竜の爪のことだろう…」
「まさか…あの…『化け物』じゃねえだろうな…」テセウキは呟き、自分たちを殲滅しかけた深淵の捕食者の記憶に、胸がギュッと締め付けられた。
アルマは驚いて彼を見た。「否。あれよりは小さい水竜だ。もっとも…あの怪物に比べれば、という話だがな。実際には、そなたよりも大きいであろう」
「そうか…」テセウキは**はぁ…**と、諦めを含んだため息をついた。彼の運命は、決まった。
「イロ・ナ・カナ…」一体の者がテセウキに近づき、彼の注意を引いた。「休むがよい、人の子よ。里へ行き、腹を満たしてくるのだ」と、アルマが訳した。
「そういや…もう何日も何も食ってねえ気がする…」テセウキは呟き、疲労がようやく空腹としてその身に刻まれた。
アルマは手甲で口元を覆い、ふふっ、と柔らかな笑いを漏らした。「しっかりと腹ごしらえをしておくことだな。来るべき『狩り』のためにもな、テセウキくん」
目前に迫る任務への恐怖と重圧はまだ彼を苛んでいたが、テセウキは残された勇気を奮い起こし、疲れた笑みを浮かべた。「もちろんさ!」
彼は広間を出ると、体を伸ばせることにすぐさま安堵した。廊下は天井が高く、足元の床は半透明の緑色をしており、まるで生きた血管のように樹液が木の中を流れているのが見えた。壁は複雑な彫刻と生きた樹皮が入り混じり、そこから葉をつけた小枝が芽吹いていた。そこは、樹の中に築かれた宮殿、何百という樹液の者たちが住まう、廊下と広間の迷宮だった。
彼らの衣服――頑丈な胴体を覆う、木と葉でできた奇妙な外套――の細部は様々であったが、その姿は皆同じだった。細い手足、長い指、そして頭巾の影だけでなく、滑らかで何もない木の仮面によって隠された顔。テセウキは、あれは本当に仮面なのだろうか、それともあれこそが彼らの素顔なのだろうかと、ぼんやりと考えた。
木の迷宮と思考の迷宮に迷い込み、彼はついに一つの開けた場所を見つけた。彼らにとっては壮大だが、テセウキにとっては普通の扉より少し大きいくらいの門から、陽の光が差し込んでいる。彼は立ち止まり、その目に感嘆の色を浮かべた。
切り出された太枝が通路となり、他の枝と繋がって、小さな里を支える吊り下げられた網を形成していた。木そのものから彫り出された丸い家々が、広場を囲むように集まっている。中央では、古の大樹の枝が芽吹き、泉のように石の水盤へと樹液を注いでいた。そこには、カイウナによく似た、繁栄し、平和な文明があった 。彼は、商いをし、奇妙な踊りを踊り、不思議な歌を口ずさむ、小さな者たちの営みを眺めた。一体の大きな者に連れられた、さらに小さな者たちの一団もいた。まるで、教師と生徒のようだった。
巨大な天蓋はまだ頭上に広がっていたが、もはや完全に空を覆ってはおらず、太陽の光が小さな里を暖かな黄金色に染め上げていた。
**ゴクリ…**と喉を鳴らし、テセウキは宙に浮く道を歩き、泉の近くで足を止めた。乳白色に輝く樹液が、柔らかな旋律を奏でながら流れ落ち、彼の胸の内の緊張とは対照的だった。その泉は彼の背丈ほどあったが、樹液の者たちにとっては記念碑のようなものだろう。
緑の苔が道となり、彼の足音を吸い込んでいく。彼はいくつかの店の集まりの近くで立ち止まった。先ほどまで遠い感覚だった空腹が、今やズキズキと胃の中で脈打っていた。
そこでは、里の暮らしが花開いていた。樹液の者たちが、枝から直接生えた、磨かれた平たいキノコでできた即席のカウンターの周りに集まっている。硬化した葉でできた器からは、色鮮やかなシチューやスープの芳しい湯気が立ち上っていた。その香りは、彼が今まで嗅いだことのないものだった。蜜のように甘く、それでいて乾いた土に降る雨のような、土臭い深みがあった。
彼は、躊躇いながら見ていた。一体の者が、簡素な枝の串を使い、器から大きな白い幼虫のようなものを摘み上げ、とろりとした黄金色のソースに浸してから、仮面の下に隠された口へと運んだ。テセウキは唾を飲み込んだ。空腹は本物だったが、その料理は未知の淵だった。
その時、一体の者が彼に気づいた。彼女はキノコのカウンターの後ろで、木の杓子で大きな土鍋をかき混ぜていた。彼女はピタッと動きを止め、頭巾に覆われた頭を傾げた。一言もなく、彼女は一枚の大きな葉を折り、硬化させて作った器を手に取ると、湯気の立つシチューで満たした。そして、ゆっくりと、意図的な仕草で、その器を彼の方へと差し出した。無言の、招待だった。
狩りの準備をせよというアルマの言葉を思い出し、彼は近づき、彼には小さすぎる長椅子ではなく、床のテーブルの前に座った。彼女はカウンターの上に器を置き、同じくねじくれた枝一本から彫り出された匙を手渡した。
テセウキは器の中身をじっ…と見た。琥珀色の深いスープの中に、柔らかな青い輝きを放つキノコ、白く柔らかい根、そして彼には正体の分からない小さな緑色の球が浮かんでいた。彼は匙を唇へと運び、心臓が少し速くドクドクと打つのを感じた。
最初の一口は、未知の味の爆発だった。スープは樹液で甘いが、塩気と、胸に広がる穏やかな温かみがあった。キノコは柔らかく、ナッツのような土の味がした。根は口の中でとろけ、小さな緑の球はプチッと弾けて、爽やかな柑橘系の果汁を放った。それは奇妙だった。異質だった。そして、彼が今まで食べた中で、最も美味いものだった。
彼はガツガツと食べた。一口ごとに、腹だけでなく、彼自身の本質が満たされていくようだった。骨の髄まで染みていた疲労が薄れ始め、体が活力を取り戻していくのを感じた。母なる樹の食事は、ただの栄養補給ではなかった。それは、癒やしだった。
食べ終え、彼は空の器を返した。彼女はそれを受け取ると、テセウキが頷きと解釈した仕草をして、仕事に戻った。言葉は交わされなかったが、一つの理解が結ばれていた。彼はここの客人であり、異邦人ではあるが、敵ではなかった。
腹も満たされ、力が蘇ると、テセウキの生来の好奇心が警戒心を上回った。休む代わりに、彼は生きた木の通路を彷徨い、最も大きな小屋の一つから聞こえてくる、リズミカルな仕事の音に引き寄せられた。
中では、何体かの樹液の者たちが働いていた。一体は、長く俊敏な指で、光る蔓を頑丈な網に編み上げていた。別の一体は、巨大なカブトムシの虹色の甲殻のようなものを、鏡のように滑らかな胸当てになるまで磨き、それを木の間に置いた。指が顔に触れ、葉擦れのような詠唱が口笛のように響く。木の枝がニョキッと伸び、胸当てを抱き込み、彼らが纏う木の外套の形を成していった。
テセウキの中の職人が、カッと目を見開いた。彼は邪魔をしないように、ゆっくりと近づいた。青みがかった金属の刃がついた杖に複雑な模様を彫っていた一体が、ピタリと動きを止め、彼を見つめた。テセウキは、本能的に、暇つぶしに作った小さな仕掛けを鞄から取り出した。ゼンマイを巻くと、機械的に翼を羽ばたかせる金属の小鳥だ。彼はそれを床に置き、ゼンマイを巻いた。小さな自動人形が、その金属のバレエを始めた。
樹液の者たちは作業の手を止め、その何もない木の仮面を、小さな工学の奇跡へと向けた。以前、泉の近くで遊んでいた「子供たち」の小さな一団が、おずおずと近づき、その仮面の穴を小鳥に釘付けにしていた。
子供たちの最初の恐怖は、感嘆に満ちた好奇心へと変わった。その返礼として、杖を彫っていた職人は、テセウキに自身の道具を見せた。小さな生きたカブトムシで、その顎は、圧力をかけるとドリルのような正確さと力で動いた。
知識の無言の交換と、互いの異なる「創造」への称賛の中で、テセウキはしばし自分がどこにいるのかを忘れた。危険も、痛みも、使命さえも。子供の一人が、乾いた葉が擦れるような音で機械の小鳥の音を真似ようとした時、彼はクスクスと笑った。何日ぶりだろうか、彼は心の底から安らぎを感じていた。職人として、仲間たちの間で。
彼がその夢見心地から引き戻されたのは、里を照らしていた光が変わり始めた時だった。太陽の暖かな黄金色が、長い影と黄昏のオレンジ色へと移り変わっていた。一体の者が、彼の肩を優しく叩き、大樹の幹の中にある宮殿を指差した。
黄昏時。狩りの刻限であった。
テセウキは立ち上がり、現実の重みが戻ってきた。彼は自分を囲む小さな者たちと、静かに彼を見守る職人たちを見た。一つの頷きが交わされた。どんな言語も超える、敬意の印。任務への恐怖はまだそこにあったが、今、それには新しく、猛々しい目的意識が混じり合っていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ガヤガヤ…
ミッカは眠っていた。仲間たちが経験した混沌のただ中で、まるで静謐の天使のように。葉でできた寝床の上、金色の髪に縁取られたその顔は、無垢そのものの姿であり、その身に宿る力の嵐を思わせないほどの凪だった。銀色の光を放つ霊妙なシルエットのアルマが、枕元から彼女を見守る。優しく、そしてどこか痛みを伴う笑みが、その半透明の唇に浮かんだ。
「もう時間か…」
テセウキの、重く疲れた声が、広間の入り口から響いた。
「うむ」アルマは応え、若き職人の方を向いた。「準備は…きゃっ!? なんだ、その顔は!?」アルマの冷静さが、パリンと音を立てて砕け散った。入り口に立つ少年は、見るも無残なほど変わり果てていた。
テセウキの顔は青白く、冷や汗がじっとりと浮かび、樹液の微かな光を反射している。純粋な恐怖によって引きつった不気味な笑みがその唇を歪め、カッと見開かれた目は、狂気に近い絶望にブルブルと震えていた。
「お、俺は大丈夫だ!」彼はガタガタと震える声で言った。
アルマは彼に歩み寄った。その亡霊の顔には、驚きよりも純粋な心配の色が浮かんでいる。「そなたはここまで、多くのことを乗り越えてきたではないか、テセウキくん!」その声はまるで軟膏のように、職人のボロボロになった心に勇気を紡ごうとしていた。「今更、それほど怯えることはあるまい!」
「そうだ!でも、前はミッカがいた!レグルスも!ダイアンヤもいたんだ!」彼は爆発し、絶望がその心の壁を突き破った。「今は俺一人なんだ!俺だけなんだぞ!」
「いや、そなたは一人では行かぬ」アルマは、静けさを取り戻した声で告げた。
「え?」テセウキは息を呑み、混乱がパニックとせめぎ合った。
「忘れたか?彼らの斥候と共に行くのだ。一人ではあるまい」アルマの視線が、テセウキの腰、鞘に収められたオレンジ色の刃の剣へと落ちる。「それに、そなたには私の剣がある。今はミッカのものとなったがな」彼女は近づき、その恐れを知らぬ眼差しで彼を射抜いた。「カイト殿はそなたに剣の扱いを教えた。そしてミッカは、これをそなたに貸したのだ」
「俺がこれを使うのは、少しでも役に立ちたいからで…」テセウキは呟き、床へと視線を落とした。「俺は、戦士じゃない…」
アルマの半透明の手が、スッと、彼の俯いた視界に差し出された。「そなたはすでに、戦士であることを証明した」
テセウキの目がカッと見開かれた。彼は腰にあるミッカの剣を見つめ、そしてそれをズシリと握った。アルマの手が剣へと伸びる。その亡霊の指が、かつての己の得物の柄を滑った。アルマの手の上に重ねられた職人の手が、より強く武器の柄を握りしめる。ビリビリと、そこにないはずの幻の熱、電流のような感覚が走った。
「あの時、あの生き物と対峙した時…テセウキくん、そなたはミッカの雷を使うことができた」
彼は、驚きと感嘆の中、彼女の深く青い瞳を見上げた。
「ドラゴの騎士が振るう剣は、持ち主の魂と結ばれているのだ」アルマは、古の知識を紡ぐように説明した。「ドラゴの子のみが、その魔力を刃に宿すことができる。ただ彼だけが…あるいは、持ち主の魂と繋がることができた者だけがな」
「俺には…分からない…」
アルマは背を向け、その亡霊の視線を再び眠れる妹へと注いだ。優しい笑みが戻る。
「私の妹は、そなたを信じている。あまりにも深く信じているからこそ、彼女の魂は、そなたがこの剣を通して彼女の力を使うことを許したのだ」彼女は再びテセウキへと向き直った。そこにはもはや憐れみはなく、深い敬意だけがあった。「私の妹を偉大な戦士と見るそなたが、彼女にとってそれほどの信頼を置ける者であるならば、それはそなた自身もまた、戦士たるに値する者であるということではないか?」
テセウキはグッと剣の柄を握りしめた。使い古された革、冷たい金属、アルマの幻の手。すべてが一つの、確固たる確信へと溶け合ったようだった。彼はゴクリと唾を飲み込み、恐怖が残した空虚を、勇気が満たしていく。
「お、俺…やってみるよ、アルマさん!」
剣の柄が、まるでアルマが与えてくれた勇気の延長であるかのように、その手の中で生きているように感じられた。その時、広間の入り口での静かな動きが、彼の注意を引いた。一体の『樹液の子』がそこに立っていた。その小さく細い体が、廊下の有機的な光を背にシルエットとなっている。彼は細い腕の一本を上げ、ついて来いと合図した。
時間だった。
テセウキは深く息を吸い込み、新たな決意で肺を満たした。彼は案内役に従おうと身を翻したが、ゾクッとした冷たい気づきが彼を襲い、途中で足を止めた。
彼は振り返った。アルマはついてこない。彼女はミッカの寝床の傍らに佇み、銀色の光と哀愁の像と化していた。
「アルマさん?」彼は尋ねた。自信が揺らぎ始めている。「あんたは来ないのか?」
アルマは悲しげな笑みを浮かべたが、その笑みは彼女の目には届かなかった。「私は母なる樹の中でしか具現化できぬのだ、テセウキくん。それに、そなたが見ているこの姿は…ミッカに宿った、私の魂の欠片に過ぎぬ」彼女の亡霊の姿が、一瞬ユラリと揺らめいた。「ゆえに、彼女から数メートル以上離れることはできんのだ」
テセウキの心臓がズンと沈んだ。「でも…俺は、ミッカにするみたいに、アルマさんが導いてくれるものだと…」
彼女はクスクスと、手甲で口元を覆って笑った。「ああ、だがもう一つ…」彼女は、何か重大なことを思い出したようだった。その視線が、彼の腰の剣へと落ちる。「ミッカの魔力は、彼女が近くにいる時にしか剣を通しては使えぬ。刃は魂と共鳴する。ゆえに、力を引き出すには、持ち主の近くにある必要があるのだ」
それは、腹に拳を食らったかのようだった。彼が懸命に掻き集めた勇気が、サラサラと塵に変わっていく。必死に堪えていた涙が、今やその目を焼いた。
「じゃあ…なんで…?」彼の声は途切れた。「なんであんな話をしたんだ?何も使えないなら、どうやってやり遂げろって言うんだよ!?」
アルマは彼の元へとフワリと浮かび、その霊妙な存在の冷気を感じられるほど近くで止まった。彼女の笑みはもはや悲しみやからかいのものではなく、深く、揺るぎない誠実さに満ちていた。
「魔力こそが要ではなかったからだ、テセウキくん」
彼女の半透明の手が上がり、絶望的な強さで剣の柄を握る彼の手の上に置かれた。
「私の妹は、そなたに命を託している。彼女は最も大切なものを、武器としてではなく、その信頼の証としてそなたに託したのだ」彼女は彼を見つめ、その青い瞳が彼の瞳を捉えた。その眼差しの中に、テセウキは天騎士の力強さを見た。「そして、彼女がそなたを信じるのであれば…私もまた、信じよう」
その言葉は、力の約束でも、勇気の呪文でもなかった。それよりも、遥かに強い何か。それは、信頼だった。
テセウキは、喉の詰まりが解けていくのを感じた。涙が、ついにその顔を伝い、恐怖と疑念を洗い流していく。彼はもう片方の手の甲で目を拭い、嗚咽は深く、確かな呼吸へと変わった。
彼は剣の柄をギュッと握った。それはもはや、彼が使えない魔法の武器ではなかった。ミッカの信頼。アルマの信頼。それこそが、彼が必要とするすべてだった。
涙の跡が残る顔に、新しく、猛々しい光を目に宿し、彼は振り返ることなく、『樹液の子』の後を追った。
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