第14話 レベル75突破

 鳥醜を倒し始めて相当な時間が経過していた。

 いや、時間は経過していないか。

 この世界の感覚からすれば、まだ数秒経ったぐらいのこと。

 だが俺はその間を何度も繰り返し、繰り返し、鳥醜を倒し続けていた。


 相手を倒すのにかかる時間はわずか数秒。

 一秒にも満たない時間を縮めようと楽しんでいた時もあった。

 だがそれも飽き、だが飽きもせず鳥醜を狩り続け、ようやく納得のいくレベルまで到達する。


 ――――――――――――――――――――


 功刀真央


 Lv:75

 HP:3789/1025+2764

 MP:1398/554+844

 攻撃力:530+2013 防御力:473+1443

 魔力:530+822 素早さ:501+808


 ユニークスキル

 セーブポイント ジョブツリー アイテムストレージ


 スキル 

 パワーブレイク ガードブレイク マインドブレイク

 スピードブレイク ヒール アンチドート 

 ガードフォース ワープゲート ファイヤーボール 

 ウォーターショット ウインドカッター ロックビート 

 スティール 忍び足 敵寄せ

 攻撃態勢 格闘術 気功術 

 気弾 サンダーソード ライトニング


 ジョブ

 戦士マスター 僧侶マスター 魔術師マスター

 盗賊マスター ソルジャー 7 モンクマスター 

 勇士マスター


 ――――――――――――――――――――


 ここまで強くなれば十分だろう。

 例え十分じゃなかったとしても、また強くなればいいだけの話。

 鳥醜との戦いでは、もうレベルアップが鈍化している。

 効率的にもあまりよくないし、次の段階に進むことにしよう。


 しかし鳥醜以上となると……獅子拷の仲間、残りの5人ってことになるよな。

 とりあえず勝てなさそうならやり直せばいいか。

 俺にはそれができるからな。


 それよりも、ジョブの成長もしておかないと。

 気が付けばポイントが108も溜まっていた。

 これには自分自身で苦笑い。

 でも一気に使うのも楽しいから良いよな。


 となるとまずは『ソルジャー』を極めるところから始めるか。

 必要ポイントは6。

 これでマスターだ。


『HP上昇率が100%になりました』

『攻撃力上昇率が200%になりました』

『防御力上昇率が100%になりました』

『気合溜めを習得しました』

『渾身の一撃を習得しました』


 いつも通り、ステータスの上昇とスキルの習得。

 そして新しいジョブの発現もいつもの通りだ。


ソルジャー

  ├ウォーロード

  └ダークソルジャー


 『ウォーロード』は更に攻撃力を追求したジョブ。

『ダークソルジャー』は何かを犠牲にして大きな力を得るという、特殊なジョブのようだ。

 純粋な攻撃力が欲しいなら『ウォーロード』、瞬間的な火力を求めるなら『ダークソルジャー』がいいみたいだな。


「よし、次はどうするか……攻撃力もいいけど、スピードももっとほしいところだな。迅く動くなら盗賊系がいいよな」


 一撃で全てを破壊する力があるのもいいが、俺は一人。

 孤独でも戦い抜ける力が欲しい。

 攻撃一辺倒で勝てない相手が出てくるのを想定して、別の能力を上げておくのもいいだろう。


 そして俺は『アサシン』をマスターすることを決定する。

 ポイントを20消費し、これをマスターした。


『HP上昇率が100%になりました』

『攻撃力上昇率が100%になりました』

『素早さ上昇率が200%になりました』

『影踏みを習得しました』

『気配遮断を習得しました』

『毒撃を習得しました』


 これで速度が一気に成長したな。

 それに使えそうなスキルも習得した。

 攻撃力も上昇したし、『アサシン』をマスターしておいて正解だったかもな。

 さらに新たにポイントを振れるジョブも増える。


 アサシン

  ├ナイトブレード

  └トリックスター


 まだまだポイントはある。

 残りは82。

 次は『勇者』をマスターしてみようか。

 バランスよく強くなれるのが良い。

 必要なポイントは30。

 結構なポイントを消費するが、強くなれることを期待しよう。


『HP上昇率が50%になりました』

『HP上昇率が50%になりました』

『攻撃力上昇率が150%になりました』

『防御力上昇率が150%になりました』

『魔力上昇率が150%になりました』

『素早さ上昇率が150%になりました』

『オーラソードを習得しました』

『ライトニングボルトを習得しました』


「おお……良い成長具合だ。バランス型は伊達じゃないな」


 全体的な能力が強化された。

 そして驚くことに、『勇者』をマスターしたことにより、その上位ジョブまでが姿を現せる。


 勇者

  └ブレイブ


 『ブレイブ』……『勇者』の更なる上位互換。

 まさかまだ上があるとは思ってもみなかったな。

 どうせならこのまま、『ブレイブ』をマスターしてやろうか。


「ジョブレベルアップに必要なポイントは……5!? ここに来て一気に2も増えるのか」


 ポイントは痛いだが『勇者』の成長具合を考えると、それ以上が期待できる。

 えーい、悩んでいる間にポイントを全振りしてやれ。

 どうせどれかにはポイントを振るんだから、やるならやろうぜ。


 俺は『ブレイブ』にポイントを振った。

 消費ポイントは50。

 残りポイントは2だ。


『HP上昇率が100%になりました』

『HP上昇率が100%になりました』

『攻撃力上昇率が200%になりました』

『防御力上昇率が200%になりました』

『魔力上昇率が200%になりました』

『素早さ上昇率が200%になりました』

『ブレイブソードを習得しました』

『エナジーブラストを習得しました』


「……おいおい、まだ上があるのか? でも、なんだこれは?」


 『ブレイブ』をマスターしたはいいが……これまでとは異なった文字が表示されている。


 ブレイブ

  └???


「ジョブの説明は……不明。習得するのに、何か条件が必要なのか」


 まだ上のジョブが隠されているようだが、これ以上はどうしようもない。

 成長具合とその存在に興奮しきっていた俺であったが、深呼吸して自分を落ち着かせる。


 そしてどれだけ強くなったのか、ステータスを確認した。


 ――――――――――――――――――――


 功刀真央


 Lv:75

 HP:3789/1025+6150

 MP:1398/554+1939

 攻撃力:530+5300 防御力:473+3547

 魔力:530+2915 素早さ:501+3757


 ユニークスキル

 セーブポイント ジョブツリー アイテムストレージ


 スキル 

 パワーブレイク ガードブレイク マインドブレイク

 スピードブレイク ヒール アンチドート 

 ガードフォース ワープゲート ファイヤーボール 

 ウォーターショット ウインドカッター ロックビート 

 スティール 忍び足 敵寄せ

 攻撃態勢 気合溜め 渾身の一撃

 格闘術 気功術 気弾 

 影踏み 気配遮断 毒撃

 サンダーソード ライトニング オーラソード

 ライトニングボルト ブレイブソード エナジーブラスト


 ジョブ

 戦士マスター 僧侶マスター 魔術師マスター

 盗賊マスター ソルジャーマスター モンクマスター 

 アサシンマスター 勇士マスター 勇者マスター 

 ブレイブマスター


 ――――――――――――――――――――


「ははは……あはははは! どれだけ強くなってるんだよ、俺! これなら……これなら獅子拷にも勝てるはずだ!」


 とてつもない成長を遂げた自分自身に、とんでもない歓喜が押し寄せる。

 自分を押さえることができないほどの興奮、そしてその現実に増長してしまいそうだった。


 だが自信を持ってもいいぐらいの強さは手に入れた。

 増長しそうな自分を抑え、そして本来の目的を見つめなおす。


「俺がやらなければいけいないのは、自分の未来を変えること。だけどできるはずだ……今の俺なら、可能なはずだ」


 獅子拷たち――残り6人を相手にしても勝てる。

 俺は自信を持ちながらそう決断し、そしてあいつらとへの挑戦を開始することを決断した。

 戦いは今、ようやく始まる。

 待っていろ、獅子拷。

 お前の目論見は全て邪魔をしてやる。

 お前に都合のいい未来を、実現させてやるつもりはない。


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