ギャザクラ勢、オンラインゲームの世界へ【休載中】
大寒波
第1話 転移
漢、七巻和也25歳。
しがないサラリーマンやらせてもらってます。
そんな俺はいま、既視感溢れる荒野にいます。
いつものように朝から通勤電車に揺られてると、突然自身の体が光に包まれたと思うとここにいた。
周りの乗客が「え、あのおにいさん光ってる!?」とはならずに、俺だけ慌てたのは頂けない。
正義感溢れて「伏せろ!!」って言った俺の気持ちを考えてほしい。一人で幻覚見てるやばいやつだったぞ。
そして、もっと頂けないのは勇者召喚とかじゃないのがだめ。あの演出はどう考えてもそうだろう。なんで荒野?
そんな荒野に突然やってきた俺はアニメやゲームは人並みに好きだ。なんなら、並以上だ。
なので、今の自分の置かれた状況は察している。ついに俺の時代がきたな?と。
改めて周囲を確認すると、わりと近めに街っぽい城壁が見える…。
見覚えあるなぁ…。土の国か?
場所の確認が済んだので、今度は自身の恰好に目がいく。
これまた既視感のある手袋をしてますね…。
冬場ならまだしも、今は夏場だ。まあ、手袋してる時点でおかしいんだけどな。
その後、手袋以外も確認してみたけどオンラインゲームで着用していた装備一式だ。
ふむ。つまり俺はやっていたオンラインゲームに転移した…ってコト!?
うっそだろ!俺このゲームだとクラフター(生産職)とギャザラー(採集職)しかしてないって!!
ストーリー進行のために、戦闘職も少しはかじった程度で…。正直戦闘職より生産職のが敵にダメージ通るレベルだわ。
クラフターとギャザラーは両方レベル上限、カンストしてたからな。すべてのジョブな。相当やりこんでた。
ゲーム内ではあるが、金儲けうめえ!って気持ちよくなっていたからな。
え、てことは今は現実になって金儲けできんじゃね…?
とりあえずボーっと突っ立ってる訳にもいかないので、城壁のある街に向かっていく。
街も見えているからまっすぐ進めば着くんだが、一応街道沿いに進んでいく。
街道と言ってもしっかり整備されているわけではない。馬車の通ったあとが重なってる場所が少しだけ目立つかな程度の街道だ。
荒野と言っても多少は草木も生えてるからな。見通しはいいので外敵の心配も今のとこはなさそうだ。
敵に会わないことに越したことはないが、例え出てきてもヤスリでぶったたけば勝てるだろう。俺の想像している世界であればな。
なんてことを考えた後、歩きながら色々と確認していくことにした。
まずは持ち物の検査だ。
街についても無一文じゃ何もできない。
ゲームであれば、インベントリという機能がありそこにアイテムを保管してすぐに使える仕組みになっていた。
よくあるマジックバックみたいに、通常の物理法則無視してる感じの亜空間と繋がってると考えていいかな。
このゲームにもカバンがあれば、パっと見て安心出来るんだけどな…。使えるのかなインベントリ。
祈りつつ、インベントリオープンと心の中で言うと頭の中に情報が流れ込んできた。
「まじか!勝ったなこれは!!!」
どんな原理かわからないが、脳に負荷のないような情報源の中には大量の素材や製作品の他にお金も入っていることが確認できた。
既に勝ち確なんだが、一応ジョブのチェンジが出来るかの確認もすることにした。
ちなみに、いま現在のジョブは彫金士だ。
どんなジョブかというと、金属を加工して指輪とかにして金をガッポガッポ稼ぐ職だ。間違えた。
新ボスが実装された暁には、戦闘職のやつらに法外な値段で売りつける職。いや、これでもない。
とにかく金属を加工する生産職だ。
うん。結果から言うとジョブのチェンジは可能だ。イージーモード確定だ。
ルンルン気分でスキップしながら徐々に近づく城壁を見て思う。
俺がやっていたゲームの中でよく見ていた土の国まんまだな…。と。
そうして辿り着いた城壁の前で入口付近で並ぶ人達の列に紛れる。
嫌な予感しかしないんだが…。順番を待っているとついに俺の番になり、剣を持った門番に声を掛けられる。
「●●●●●●●●●?●●●●●●。」
はいはいはい。こういう感じね?
俺は負けずに日本語で喋り続ける。
「町入りたいんだけど!カネ!これ使える?」
「●●●●●●●●●?●●●●●?」
「すまん!わっかんねえや!そうだ、これ!ポーションなんだけど、売れるか!?これでなんとかなんない?」
「-----●●●●●。」
門番は首を振ると、後ろの人に声を掛けて使いに出した。
俺はというと、すいませんね。とでも言っているのだろう門番に丁寧?に案内され取調室とでもいうのだろうか。そこに詰め込まれた。
俺の海外の旅行客に対して行う完璧な身振り手振りも異世界じゃ通用しないのか…と落ち込んでいるとノックのあとにローブ姿の年配の男性がやってきた。
深めのお辞儀をされたので、「あ、どうも。」と俺もぺこりと返す。
いかにもお偉いさん臭するんだけど、物腰が柔らかいな。なにやらジェスチャーで俺に伝えている。
ふむ。杖を振るジェスチャーを見るに、どうやら俺に魔法を打ち込みたいようだ。
どうしよう…。今までの対応見てると攻撃魔法ぶっ放すぞ?って訳じゃなさそうだよな?ないよね?ないって言え!!
もし攻撃魔法だったら避けれるのか?と一応身構えつつも手で丸を作る。
これまたお辞儀のあとに、杖を振るい魔法がかけられた。
おお、魔法初めて見た!
「通じますでしょうか?」
「おお!わかる!」
「それはなによりでございます。それでですね…。この町、アレクサンドにはどういったご用件でございましょうか?」
「ご用件…一番近かったから。かな?」
「左様でございましたか。-----供も連れずに…」
ん?一瞬目を細めなかったか?
なんか怪しまれてる…?めっちゃ小声で供って言ってたが…。
「怪しまれてるようだから、正直に言うわ。なんでここに居るのかもわかんないんだわ…。」
正直に言うわ。のとこで、相手側が妙に緊張感出てたな。
俺も緊張したわ、やめてねそういうの!!
「な、なるほど…記憶が無くなったとかでしょうか?」
「記憶喪失ってこっちでもあることなのか。いや、記憶はあるんだけど…。気付いたら近くの荒野に居た。が正しいな。」
「そうなるとダンジョンで転移トラップによってが高そうですね。」
なんか納得してる感じなので黙っておこう。
その後は適当に雑談して、結構仲良くなったと思う。
そして一番でかい収穫が俺が持つカネも使えることがわかったってことだ。
だったら、門番のとこ通してくれてよかったよね…?
ああ、価値が高すぎる硬貨を出してたせいで怪しかった。なるほどね。偉いな門番。
まあ、俺が仲良くなったと思っても多分相手的には探りなんだろうけどな!!
「魔法を失礼致します。重ね掛け致しますね。」
「え、これ効果切れるの!?」
「はい、切れます。大体私の魔力ですと約50分程になりますね。」
「まじか…。やばいな生活できねえ…。」
「それでしたら、通訳の魔法が使える奴隷を購入されるのはどうでしょうか?適宜魔法で更新するなり、奴隷などに教わるのはお嫌かもしれませんが、言語を習うというのも…。」
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「立派なお召し物だったため、どこかの貴族かと…。私は聞けず仕舞いでしたが言語も聞いたことが無いと門番から伝えられていたので」
「ああ、それでこんな丁寧な対応だったのか。しがないクラフターだよ。そうだ!今回のお礼に今度なんか作るよ。」
「なんと!---よろしいのですか? 助かります。できれば、防御のステータスが上がる指輪が欲しいですねえ」
「防御でいいのか、基本なんでも作れるぞ?まあ、作ったら持ってくるよ」
「はい、お待ちしてますね。」
「おう!色々助かったわ!ありがとう!急いでいってくるわ!」
街に入る手続きを終え、別れ際にも通訳の魔法をかけてくれたので急いで教えてもらった奴隷商に向かう。
まあ、この魔法の難点は両方かかってないとダメなとこなんだよね。
紹介状をもらったので、そこに記載してくれてるらしいので今回はなんとかなる!
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