施設からの手紙
宮田すずさんを父親から離し、施設に預けてから二週間ほどが過ぎた。職員の話しを聞く限り、彼女は徐々に落ち着きを取り戻してきてるそうだ。
何度か電話が出来ないか、確認してみたがもう少し時間を下さいとの事だ。今は彼女の回復を祈るしか無い・・・・・・
そんなある日、彼女から手紙が届いた。
『 先生へ・・・・・・
この間は相談に乗ってくれてありがとうございます。先生には本当に感謝しています。どれだけ自分が我慢していたか、どれだけ自分を傷つけていたか、このような機会を頂かないと分かりませんでした。
この施設では今、とても穏やかに暮らしています。気持ちも落ち着き、自分を見直す事が出来ています。
父とのこれからの関係は良く考えないといけません・・・・・・それでも、前向きに生きるつもりです。
父との関係にここまで踏み込んでくれたのは先生だけでした。本当に感謝しています。
私は今、将来の目標が出来ました。それは先生のようなカウンセラーになる事です。私は先生のようなカウンセラーになれるでしょうか?
私の部屋では、今日もノックの音が聞こえてきます。今日は一体、誰が訪ねてくるでしょう。先生もいつか、いらして下さい。では、また連絡します。
宮田すず 』
私は手紙を閉じた・・・・・・
ノックの音が聞こえる?
彼女は本当に落ち着いているのだろうか?
再度、施設に連絡をしてみるが問題は無いとの事だ・・・・・・
いくつかの不安が残るが、今は、見守る事しか出来ない。
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