第10話 追いコン
晃輝は、慶良大の環境学部をAO入試を受けた。
テニスも頑張っていたけれど、中学から趣味で環境サークルに入って活動していたことも志望動機だった。公園の水循環システムに興味があった。運よく合格できた。
11月に合格してから、大学でもテニス部に入ろうと思って、ちょくちょく部活に顔を出し始めた。
「伊集院君、女子部のコーチやってくれない」
三田先生から突然言われた。
「ちょっと相手してくれてアドバイスしてくれればいいの。慶良に行くんでしょ。先輩の頼み聞いてほしいなぁ」
「は、はい。もちろん了解です。やらせてもらいます!」
それから、女子部のコートに時々顔をだした。
三田先生には、飲み物やおやつを奢ってもらったりしてかわいがってもらった。
2月末追いコン。3年はほぼ受験を終えて、先生後輩たちが、卒業を祝ってくれた。お開きになって最後の帰り際、調子にのって三田先生に亮と一緒に、
「あの関東決めた時、嬉しくて本当は、先生とハグしたかったで~す。」
と冗談めかして挨拶にいったら、
「あの時のあなたたちナイスゲームだったね。いいよ~。卒業祝いよ。」
と亮と僕とハグをしてくれた。
先生の甘い香りとそっとだけど柔らかい感触に天にも昇る気持ちだ。
俺は、やっぱり三田先生と結婚したい・・・。
「おい。エロ高校生。」
振り向くと碧が恐い顔をして立っていた。
「別れを惜しんでたんだろう~。」
「どうだか。4月からまた一緒ね。よろしく。」
「なんだって。」
「私、慶良大法学部に決まったから。」
「え~。築駒は?」
「偏差値足らんかったわ。」
と笑う碧。
慶良法学部だぞ、築駒より高いんだぞ。偏差値足らないわけないだろ 何考えてるんだ?
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