第3話 憧れ

「intensity この単語の意味わかる人?」

「はい、はい!」

「伊集院君」

「強さとか強度とかです。」

「はい。そのとおりです・・・・。」

やった~。小さく心の中でガッツポーズ。

「じゃあ、この単語分かる人?」

「はい、はい!」

クラスメートから、白い目で見られながら手を挙げ続けた。

昼休み、弁当を食べならが、

「お前さ~。分かりやす過ぎるだろ~。」

「俺、めっちゃ予習してきたからな。」

「高嶺の花って言葉、知ってるか?」

「知ってる、知ってる。美しい花は高い所に咲いてるから、努力しないと手に入らないっていう意味だろ。」

「はい、はい、そう思ってがんばれ!」

「オッケー。」

「おい。でも部活は手抜くなよ。」


 僕と亮は、テニス部だ。亮はダブルスのパートナーだ。団体、シングルス、ダブル

スのどれかで都大会出場をねらってる。中3最後の大会だし、いっちょ集中してやるか。

 「あれ?あれ三田先生じゃね。」

 その声の先に、女子部のコートに三田先生がTシャツ短パンでラケットを振っていた。う、うまい・・・。肌が眩しい・・・・・


 


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