未来戦隊 クロノレンジャー

@shin_it

第1話:時の逃亡者

○シーン1(地球公安局・地下会議室・2987年7月15日・深夜)

薄暗い地下会議室で、青白いホログラムの光が天井に踊っていた。27歳のユウキは、整った顔に深い憂慮の色を浮かべながら、空中に投影された複雑な設計図を凝視している。機械工学と神経科学が融合した図面は、一見すると同じように見えるが、細部には決定的な違いがあった。

会議室には公安局の精鋭捜査官5名が集まっている。向かいに座る同僚のカズマ、ベテラン捜査官のタカハシ、情報分析のスペシャリストであるサトウ、そして若手のヤマダが緊張した面持ちで資料を見つめていた。

カズマ:「確かなのか、ユウキ?この二つの設計図が本当に違うものだと?」

ユウキは指先でホログラムを操作し、二つの設計図を重ね合わせる。神経系統への干渉パターンを示す部分で、明らかな差異が浮かび上がった。

ユウキ:「間違いない。片方は正規の時空移動用防護装置だが、もう片方は思想矯正装置だ。神経伝達物質の分泌パターンを強制的に変更する機能が組み込まれている」

タカハシ:「政府が秘密裏に思想操作を?」

サトウ:「機密予算で動かしているプロジェクトがあるという噂は聞いていたが……」

窓の外から、抗議デモの声が聞こえてくる。地球人と移住宇宙人の対立は日増しに激しくなり、今夜も首都の各地で衝突が続いていた。「地球人の権利を守れ!」「移住宇宙人に平等を!」相反するスローガンが夜空に響く。

カズマ:「地球はもう限界だな。地球人と移住宇宙人の対立は激化する一方だし、ロボット保護団体バイラムの政治的影響力も無視できない。経済格差は拡大し続けて、社会は完全に分裂状態だ」

ユウキ:「だからといって、市民の思想を科学技術で操作していいわけではない。これは人間の尊厳に関わる問題だ」

ユウキがホログラムを切り替えると、三日前の大統領記者会見の映像が浮かび上がった。


○シーン2(大統領官邸・記者会見場・2987年7月12日・昼)

大統領官邸の記者会見場は、宇宙各地から集まった報道陣で埋め尽くされていた。地球人、移住宇宙人、そして人工知能を搭載した報道ロボットまでもが、歴史的瞬間を記録しようと待機している。

48歳の金城武地球大統領が演壇に立つ。精悍な顔立ちに強い意志を宿し、疲労の色を隠せない目で会場を見渡す。彼が大統領に就任してからわずか三日、地球の混沌とした状況を立て直すという重責が肩にのしかかっていた。

金城武:「市民の皆様、そして宇宙の同胞たちよ。本日、人類史上最も重要な発表をいたします。我々は遂に、全宇宙の夢であったタイムマシン開発への決定的なブレイクスルーを達成する可能性を見出しました」

会場からどよめきが起こる。カメラのフラッシュが一斉に光り、記者たちが興奮して身を乗り出す。

金城武:「マザーズ星をはじめとする銀河連盟との共同研究により、時空間移動の理論的基盤の構築に目処が立ったのです。我々は10年以内の実用化を目指します」

記者A:「大統領、開発費用はどの程度を見込んでいますか?」

金城武:「確かに相当な予算が必要になるでしょう。しかし、時間移動技術がもたらす可能性を考えれば、その投資は十分に意味があると確信しています」

記者B:「具体的な開発計画は?」

金城武:「詳細は今後発表いたします。ただし、安全性を最優先に慎重に進めてまいります」


○シーン3(大統領官邸・執務室・同日・夜)

重厚な執務室で、金城武が窓の外の夜景を眺めていた。首都の高層ビル群の間で、デモの火が点々と燃えている。エンボス博士が静かに近づく。

エンボス:「大統領、思想矯正装置の実験が順調に進んでいます」

金城武が振り返る。疲れた表情の中に、揺るぎない決意が宿っていた。

金城武:「市民に危害を加えることなく、危険な思想を穏やかに変更できるのか?」

エンボス:「はい。脳神経への直接的干渉により、暴力的傾向や過激思想を安全に除去できます。刑務所や死刑台に送るより、よほど人道的な手段です」

金城武:「タイムマシンの安全な運用のためだけでなく、今後の地球全体の平和のためにも、利用者の成熟は重要だ。しかし、この計画は絶対秘密だ」

エンボス:「承知しております」


○シーン4(ハバードアカデミック地球校・寮・同日・夜)

宇宙でも最難関とされるエリート全寮制学校の一室で、16歳の美少女リンゴが通話通信装置の歴史書を読んでいた。銀河系でもモデルができそうなくらい美しい顔立ちに知性と気の強さが漂い、その瞳には並外れた頭脳が宿っている。彼女は自他共に認める美女であり、同時に天才でもあった。

同室の少年トラはプレイ中のゲーム機から顔を上げる。ゲーム機には様々な生物のシールが貼ってある。15歳の彼はアリなどの昆虫、動物、そしてロボットに及ぶまで、生きとし生けるものをこよなく愛する天才少年である。

トラ:「タイムマシン開発の話、どう思う?」

リンゴ:「理論的には面白いけれど、実用化には膨大な課題があるわ。特に時空間移動時の安全確保と、必要なエネルギー量を考えると……」

彼女は本を閉じ、トラを見つめる。

リンゴ:「問題は政府の真の目的よ。本当にタイムマシンを平和利用するつもりかしら?」

トラ:「ロボット保護団体バイラムの先輩たちが心配してたよ。政府が時空間移動に、ロボットを実験台に使うんじゃないかって」

リンゴの表情が険しくなる。

リンゴ:「あり得るわね。感情と痛覚を持ち、安定した解析データも取りやすい現代のロボットたちは、人間に最も近い実験対象だもの」

二人の表情が曇る。窓の外では、同じ校舎の別の部屋で勉強を続ける生徒たちの明かりが見えていた。


○シーン5(地球公安局・地下会議室・2987年7月15日・深夜)

会議室の5人が同時に立ち上がった。決意を固めた彼らの表情に、迷いはなかった。

ユウキ:「設計図を盗み出そう。市民が真実を知る権利がある」

タカハシ:「政府研究所への潜入は危険すぎる」

カズマ:「だからこそ、やらなければならない。我々公安局の使命は市民を守ることだろう?政府の暴走を止めるのも、我々の責務だ」

サトウ:「賛成だ。このまま黙っていては、市民の自由が奪われる」

ヤマダ:「僕も行きます」

ユウキ:「分かった。明日の夜、政府研究所に潜入する。全員で行こう。」

カズマ:「念の為、訓練の時に使ったクロノハンドも持っていこう。」

5人は力強くクロノハンドの手を重ね合わせる。明日の夜、彼らの運命を変える潜入作戦が始まる。


○シーン6(クーロンズファミリー・本部・同日・夜)

地下街の奥深くに位置するクーロンズファミリーの本部では、ドン・オルカ・クーロンが巨大な椅子に座っていた。クローン技術で作られたシャチと人間の融合体である彼は、穏やかな笑顔を浮かべている。

オルカ:「カイル、政府研究所の件はどうなってる?」

カイルが膝をつく。筋骨隆々とした体格の男で、組織の実働部隊のリーダーだった。

カイル:「ボス、情報収集は完了しています。設計図は明日の夜に奪取します」

オルカ:「期日は守ってくれよな。約束は大事だ」

その優しい口調とは裏腹に、カイルは背筋に冷たいものを感じる。

カイル:「必ず期日までに持ち帰ります」

オルカ:「約束したからな。ドルネロとフィンドルには別の仕事を任せてる。」


○シーン7(政府研究所・地下15階・機密保管庫・2987年7月16日・深夜)

首都中央区にそびえる政府研究所は、地上50階、地下20階の巨大な要塞だった。最新の警備システムに守られた建物の内部を、5つの影が静かに移動している。

ユウキ、カズマ、タカハシ、サトウ、ヤマダは、メンテナンス作業員に完璧に変装して侵入を果たしていた。換気システムから地下への潜入ルートを選択し、赤外線センサーや警備ロボットの巡回パターンを避けながら、慎重に目的の階層へと向かう。

ユウキ:「設計図は地下15階の機密保管庫にある。警備ロボットが3体配備されているはずだ」

タカハシ:「分散して進もう。発見されたら、チームの撤退を優先する」

地下15階に到達した5人は、廊下の角から機密保管庫の様子を伺った。予想通り、三体の警備ロボットが規則正しく巡回している。

ユウキ:「電磁パルス銃で一気に無力化する」

その時、突然別の方向から爆発音が響いた。建物全体が揺れ、警報が鳴り響く。赤いライトが点滅し、緊急事態を告げるアナウンスが流れる。

カズマ:「何だ?他にも侵入者がいるようだな」

サトウ:「マフィア組織か?」

混乱に乗じて、5人は機密保管庫に突入した。ユウキが持参した特殊装置で電子ロックを解除している間、他の4人が周囲を警戒する。

ユウキ:「見つけた!」

二つのデータチップを手にした瞬間、保管庫の扉が勢いよく開かれた。政府の特殊部隊が突入してくる。

特殊部隊隊長:「動くな!」

同時に、反対側の入り口から黒いスーツを着た男たちが現れた。カイル率いるクーロンズファミリーの構成員たちだった。

カイル:「設計図をもらいにきたよ。ボスとの約束があるんでな」

三つ巴の対峙が始まった。政府特殊部隊、クーロンズファミリー、そして公安局の5人。緊張が保管庫内に充満する。

ユウキ:「みんな、散れ!」

銃撃戦が始まった。レーザー光が保管庫内を飛び交い、金属の棚が次々と破壊される。火花が散り、煙が立ち込める中、タカハシとサトウが政府兵士と激しい格闘戦を繰り広げる。ヤマダがマフィアの攻撃を受けて倒れ、カズマが彼を庇う。

ユウキは二つの設計図を見比べた。どちらが本物の防護装置なのか。一つ間違えば、洗脳装置を選んでしまうことになる。彼の頭に研究データの詳細が浮かんだ。神経伝達パターン、エネルギー分散係数、量子フィールドの安定性。

ユウキ:「これだ」

その時、奥の扉が開き、そこには今まで見たことのない巨大な機械が置かれていた。

カズマ:「あれは……タイムマシン?」

ユウキ:「まさか、まだ開発中じゃなかったのか!?」

戦闘が激化する中、仲間たちが次々と倒れていく。追い詰められたユウキは、タイムマシンの格納庫へと向かった。


○シーン8(政府研究所・タイムマシン格納庫・同時刻)

巨大な格納庫の中央に、銀色に輝くタイムマシンが鎮座していた。球形の本体に、複雑な量子機械が接続されている。未来技術の結晶とも言える機械の操作パネルには、「1999年」という数字が表示されていた。

ユウキ:「なぜ1999年に設定されている?」

政府兵士たちが銃を向けるが、彼はすでにタイムマシンのハッチに手をかけていた。

その時、血まみれになったカズマが格納庫に転がり込んできた。息も絶え絶えで、左腕を押さえている。

カズマ:「ユウキ……他のみんなは……」

ユウキ:「カズマ!」

カズマは最後の力を振り絞って政府特殊部隊に向けて量子バズーカを構える。

カズマ:「どうか生き抜いてくれ……」

量子バズーカの光が格納庫を満たした。タイムマシンの起動装置が強制的に作動し、時間設定は1999年のまま変更不可能だった。

光の渦に包まれながら、ユウキは親友の最期の姿を目に焼き付けた。時空の狭間へと吸い込まれていく感覚の中で、彼の意識は薄れていく。


○シーン9(神光会本部施設・中央ホール・1999年7月某日・夜)

東京郊外の山間部に位置する「神光会」の本部施設は、巨大な白い建物だった。中央ホールでは、数百人の信者たちが白い衣装を身に纏い、2列に向かい合って儀式に参加している。

中央の祭壇には、18歳の少女アイリが縛られていた。美しい黒髪を後ろで束ね、白い儀式用の衣装を着せられている。線の細い体つきで、その瞳には混乱と静かな疑問が宿っていた。

アイリ:(心の中で)「これでいいの?」

老いた教祖が祭壇の前に立ち、腕を天に向けて広げる。

教祖:「本日、1999年7月、我が大神様が預言した通り、この世界は終焉を迎える。しかし、我らは選ばれし者。この純潔なる巫女の魂を捧げることで、新たな世界への扉が開かれるのだ」

信者たちが一斉に祈りの言葉を唱え始める。アイリは幼い頃から「特別な力を持つ子」として教団に囲われ、今日という日のために育てられてきた。

その時、天井が轟音と共に破れた。

銀色の球体が施設の中央ホールに激突し、大きな穴を開ける。コンクリートの破片が散乱し、信者たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。

生神様:「悪魔だ!悪魔が来た!預言の時が来たのだ!」

煙の中から、ユウキがよろめきながら現れた。2987年の黒い制服を身に纏い、右手には奇妙な機械装置クロノハンドを装着している。

ユウキ:「ここは……1999年?」

彼は周囲を見回す。宗教的なシンボルで飾られた内装、古風な衣装の人々、そして祭壇に縛られた少女。混乱の中で、アイリと目が合った。

アイリ:(心の中で)「この人は……なんだか時間が違う」

少女の直感が、そう告げていた。

突然、空間に亀裂が生じた。時震による時空の裂け目から、白いマネキンのような人型ロボットが現れる。表情のない顔、滑らかな体表、そして赤く光る目。美術品のような完璧な造形だが、そこには生命の温もりは感じられない。

ユウキ:「ロボット……政府の鎮圧部隊か?」

マネキンロボットが機械的でありながらも優雅な動きで、アイリに向かって歩を進める。

ユウキ:「なぜ俺ではなく、あの少女を狙う?」

マネキンロボットの行動に疑問を抱きつつ、ユウキが立ちはだかる。

ユウキ:「させるか!」

しかし、生身の人間では到底敵わない。マネキンロボットの腕がユウキを吹き飛ばす。彼の体が壁に激突し、鈍い音が響く。

その時、施設の裏口から一人の青年が現れた。眼鏡をかけ、リュックサックを背負った痩せた青年で、鼻には幼い頃の傷跡が残っている。

シン:「な、何だよこれ……ロボット?それに……」

青年、シンは突然現れたマネキンロボットに驚愕する。ロボットは彼にも襲いかかり、シンが慌てて逃げ回る。

シン:「うわあああ!助けて!」

シンは必死に施設内を駆け回り、マネキンロボットを引きつけていく。その時、シンがタイムマシンの残骸の陰に身を隠そうとした瞬間、マネキンロボットが勢い余って金属の破片に足を取られ、重い音を立てて転倒した。

機械的な動作で起き上がろうとするが、バランスを崩したロボットが完全に立ち上がるまでには10秒程度を要しそうだった。

この隙を見逃さず、床に倒れていたユウキは右手のクロノハンドを見つめた。

ユウキ:「戦闘モードへの変更を要求する」

クロノハンドのAIが反応する。周囲の物質をスキャンし、最適な戦闘装備を算出し始めた。地面に、無数の文字とコードが浮かび上がる。

古代サンスクリット語、中国の漢字、アラビア文字、プログラミングコード、数式、現代の言語、未来の言語。あらゆる時代、あらゆる文明の言語が螺旋状に舞い踊る。文字の渦がユウキの周りを包み込み、光を放ち始める。

『解析完了。現在時空:西暦1999年。利用可能素材:建築用コンクリート、鉄筋、宗教的装飾品。推奨戦闘形態:クロノスーツ・ベーシック。エネルギー消費:ゼータスリー1クリスタル。実行しますか?』

文字の渦の中に、AIからのメッセージが浮かんだ。

『これでよければ、「変身」と発声してください』

ユウキが立ち上がる。

ユウキ:「変身!」

瞬間、クロノハンドから赤い光の粒子が放射された。文字とコードがユウキの体を螺旋状に包み込んでいく。古代の呪文と未来の科学技術が融合し、彼の身体を覆っていく。光の帯が彼を包み、徐々に形を成していく。

赤いアーマーが現れ、胸には時計のエンブレムが輝く。ヘルメットのバイザーが光を放ち、全身から力強いオーラが発せられる。

クロノレンジャー・レッドの誕生だった。

ユウキ:「クロノスーツ……訓練以外で使う時が来ようとは」

マネキンロボットが攻撃を仕掛けてくるが、今度はユウキも互角に戦うことができた。拳と拳がぶつかり合い、施設内に金属音が響く。

シンは物陰に隠れながら、この光景を信じられない思いで見つめていた。

シン:「あ、ありえない……変身した?」

マネキンロボットの動きは単調だが、パワーとスピードは人間を遥かに上回る。しかし、クロノスーツを纏ったユウキも、負けてはいない。

ユウキはクロノハンドからに命令し、マネキンロボットの動きを解析ていた。

ユウキ:「動きにパターンがある。古いタイプの学習型のAIかもしれない」

ユウキはフェイント攻撃でロボットの反応を誘い、学習パターンを混乱させることにした。そして隙を突いて、渾身の一撃を叩き込んだ。

マネキンロボットが倒れ、バラバラになって床に散らばる。

ユウキ:「やった……」

変身を解除すると、ゼータスリーのエネルギーゲージが減っているのが見えた。この力には制限があるのだ。特に初回の変身時の消耗は激しい。

アイリがゆっくりと立ち上がる。混乱の中、縄を自力で解くことが出来た彼女は、祭壇から降り、逃げ惑う信者たちの中を歩いてきた。


教祖を見据える彼女の瞳に、静かな決意が宿る。

教祖:「ア、アイリ……お前、何している……」

アイリ:「もう自分の運命は神に決めさせない」

彼女はユウキの前に立つ。

アイリ:「あなたは誰?何者?」

ユウキ:「俺は……ユウキだ。2987年から来た」

シンが二人に近づく。まだ信じられない表情を浮かべている。

シン:「2987年?タイムトラベルってこと!?」

彼の目が知的好奇心で輝く。

シン:「僕はシン。コンピューターが専門で。。。その、君のその右手の装置……どういう仕組みなんだ?」

シンは興奮がおさまらない。

ユウキは二人を見つめた。この時代で出会った仲間たち。運命が彼らを引き合わせたのかもしれない。

ユウキ:「詳しい話は安全な場所でしよう。まず、タイムマシンを移動させなければ」

ユウキがクロノハンドを操作すると、空間転移装置が作動した。タイムマシンが光に包まれ、別の場所へと転移していく。

シン:「すげぇ……空間転移まで可能なのか」

三人が施設から立ち去った後、バラバラになったマネキンロボットの破片が、微かに光を放った。自己修復機能が働き始めていたのだ。ゆっくりと、パーツ同士が引き寄せ合う。

しかし、その光景に気づく者はいなかった。


○シーン10(大統領官邸・執務室・2987年7月17日・早朝)

金城武は執務室で、公安局解体の報告書に署名していた。窓の外では、朝日が首都を照らし始めている。

副官:「大統領、公安局員は全員拘束されました。今回の死亡者とユウキという人物以外は……」

金城武:「ユウキ?」

副官:「設計図と共に過去に逃亡した人物と思われます」

金城武:「そうか……世間への発表は?」

副官:「公安局を時間保護局として再編成すると発表済みです。今回の事件が明るみになる可能性はありません。」

エンボス博士が現れる。

エンボス:「大統領、ユウキ氏追跡のため、スパイロボットを既に過去に送り込んでおります」

金城武の表情に複雑な感情が浮かぶ。

金城武:「地球の平和のために……本当に申し訳ない」


○シーン11(ハバードアカデミック地球校・地下実験室・同日・早朝)

ハバードアカデミックの地下深くで、リンゴは隠れて自作のコンピューターシステムを操作していた。政府のデータベースにハッキングを仕掛け、情報を収集している。

リンゴ:「やはり……政府は何かやってる。。。」

その時、ドアが開いてトラが入ってきた。

トラ:「リンゴ、大変だ!バイラムの先輩たちが政府に連行された!」

リンゴ:「何、まじで!?」

トラ:「グレイさん、ラディさんが捕まったらしい」

リンゴの美しい顔に不安の色が浮かぶ。

リンゴ:「私たちも狙われるかもしれない。準備しよう。」


リンゴ達の運命も、大きく動き始めようとしていた。





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