第6話 ヒマリ強化策
その後、日曜日に訓練を行う事で連絡を取り合った。姿を隠して家のすぐ近くまで来ると洋一さんから知らせが来た。
流石魔法使い何でもありだと、ヒマリは感心する。
当日の日曜日、洋一さんから10時に行くとの事で白のシャツに黒のジーンズ若草色のカーディガンを着込んだ。動き易さ重視です。
今日はパパがお休みですが私の未来のために泣く泣くお出掛けです。
仕方が無いのでパパの事は妹に預けます。
スマホが一瞬震えた洋一さん到着です。パパに出掛ける事を伝えてるとパパは揶揄う様に言った。
「おっデートか?お父さんより強くなければ認めないぞ!」
……瞬殺だよパパ。
「そんなんじゃないわよ!」
パパやママに美海までもニヤニヤしてる。早くこの空気から逃れるため足早に玄関に向かった。
「行ってきまーす!」
さっさと外に出ると近くから声か掛かる。
けど姿が見えない、のほほんと気の抜けた声は洋一さんだ。
「おはようヒマリ!あそこの角まで行ってそこから転移するよ」
「洋一さんおはようございます。今日は宜しくお願いします」
OKと洋一と手を繋ぎ転移する。勿論洋一のマンションだ。リビングに入りテーブルに着くと洋一はミルクティーと茶菓子を出し食べながら本題に入った。
洋一は亜空間収納から二つの指輪を出す。
「たいりょくきょうかの指輪~!らいげきの指輪~!」
未来から来たロボットの下手クソなモノマネがヒマリを鬱陶しくさせる。洋一は盛大にスベッタ事でテンションが駄々下がらりに陥った。
「コホン、えーこの指輪は身体能力を上げる魔道具です。1倍から100倍迄上げる事が出来ます。例えば握力が20キロあったとします。それが100倍なので最高値で2,000キロになります。ゴリラ以上ですね。
垂直跳び40センチでは最高40メートル迄跳び上がります。2階の彼氏の部屋なんて簡単に忍び込めますよね。
100メートル走が20秒でも相当な速さでで走れます。瞬足ですよ!
身体の強度も上がります。金属バットでフルスイングで殴られても痛くないでしょう。ただし不意を突かれれば体重が軽い分コケルか飛ばされるかも知れません」
説明を聞きヒマリは顔を引き攣らせていた。
人間じゃねぇ……
「こちらの指輪はどこからでも稲妻が出ます。先日の糞クズ共みたいに感電させて行動不能にする事が出来ます。こちらも用途に合わせて倍率を変えられます。最高は黒焦げ消し炭ですが人間にはなるべく使用しないでくださいね
どちらの指輪も他の人には見えませんので気にする事もありません。
逆に見破る人には要注意が必要ですね」
なんちゅうもん渡すんだ。雷撃の指輪だけでいいんじゃねとヒマリは思った。
「これは僕からプレゼントです。防御魔法が付与してるのでスナイパーライフルからヘッドショット喰らっても気にならないですよ」
気にするわ!私何と戦うの?!ヒマリは憤慨する。が洋一が取り出したエメラルドグリーンの宝石が可愛いネックレスを見て思わずニヤけてしまう。
「着けて下さるかしら?」
「勿論、髪に触れても?」
「ええ、構わないわ」
洋一が精一杯背伸びをし紳士風に装う。ヒマリの後ろから首下にネックレス合わせチェーンを結ぼうとするがDTの洋一にはハードルが高過ぎた二十階のビル並みに高い当然手が震えてる。
いい匂いがするし目の前にヒマリのうなじ更に覗き込めば豊かな膨らみ……何故覗き込む?
洋一は焦りだした。手の震えが大きく成って止められない。そしてヒマリを揺さぶり出した。
「なっ!何をしているんですか洋一さん!
もういいです自分で着けます!」
洋一からネックレスを取り上げさっと首に着けたヒマリ綺麗ななネックレスを見てうっとりしている。
「ごめんなさい……」
その姿を見てヒマリはぷっと吹き出して洋一に微笑む。
「大丈夫よ。気にしてないから」
何故か二人とも耳が赤くなってる。洋一が空間から女優ライト付きの鏡台だしヒマリの後ろ髪を整えるがまだ手が震えてる女性耐性が低過ぎるのだ。
「ヒマリさんお似合いですよ。本当に綺麗だ」
ヒマリは顔を真っ赤に染めてコイツ本当にDTか?と疑った。
たまにさらっとトンデモない事言うしトンデモない事するし、天然なのか?天然のタラシか?
洋一に疑視を向けるが胸がキュンキュンする。流石にチョロいか私……
「フフ、素敵なネックレスありがとう洋一さん」
ヒマリの本心は満更でも無かったようだ。
「いえいえ、ほんの気持ちですので気になさらずにいて下さい。さて次は装備ですね」
「カーキ色のキャップ、ゴーグル、フェイスガード、迷彩柄のミリタリスーツ上下、グローブ、コンバットブーツ、ベスト、ナイフ、ですね。カーキ色のタンクトップも有りますよ。では着替えて下さい」
ヒマリに装備を渡し奥の部屋に案内する。洋一は自分の寝室で着替えをした。
着替え終わり出て来た。ヒマリはキャップを深く被りキャップの調整ベルトの上方からポニーテールを靡かせいる。ゴーグルは外し首に掛けていた。
彼女は何を着ても似合うと今更ながら思った。カッコイイ姿を見て貰うおうと亜空間収納から姿見を出した。
彼女はちょっと引き攣らせながら衣装のチェックをしていた。可愛いです。
僕等は玄関ホールでコンバットブーツを履き彼女と手を繋いで転移した。
リストにある演習場に向かって、あれ?演習場なんて行った事なんてないゾ?
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