第9話 ◇ビタ一文渡さない
9 ◇ビタ一文渡さない
妹の凛子は高等女学校を卒業後、一度も就職せず結婚するまでは家事手伝いしかしてこなかった子で、ただの一度も実家にお金を入れたことがない。
そして出戻ってきている今も、出戻ってから1年も経つが未だに働こうとは
せず、表向きは家事手伝いでその実態ときたら、平日は自分の部屋に籠り
好きな読書をしたり友達と出歩いたりして時間を潰してきたのだ。
そして休みになると娘や夫と連れ立って街へと繰り出していたようだ。
休日は身体を休めないと1週間の勤務が体力的に厳しいため
休日に3人が出掛けるのをむしろ喜んで眺めてきたのだが
そのツケがこのような形で現れるとは、これについては私の
大失態としか言いようがない。
だが、夫と2馬力で働いているからこそ両親たち、すなわち家にも
毎月かなりの額を入れることができてきたのだ。
私たちの収入があるからこそ、両親も妹を甘やかすことが
できているのだ。それを分かっての発言なのか。
私が家を出るということは、夫がいくら家に入れるのか……
夫の胸三寸になるだろう。
もう私の手を離れたことだから心配する必要もないことだけど、あの母親や父親は分かっているのだろうか。
お金だけ入れてくれと縋られても私はビタ一文渡さないつもりだし
家賃が必要になれば、もう渡したくても渡せなくなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます