第2話 2個目

幼い時に亡くなった人、森山夏帆ちゃんの話。

「かほちゃん!早く早く!」

「わかったから!まってて!」

彼女は私の友達の灰堂恋菜

その日は小学校4年の冬、

雪の降る中恋菜と森で遊んでいた時

森を抜けてよく見ている道を進んでいくと

清水森小学校と書いた看板が立ててある

私たちはいわゆるイタズラっ子で

親や近所の人に暖かな目で見られていた

その人は雪合戦をしながら町を散歩していて

小学校の看板や他の人の家の屋根などに

雪を当てながら走っていた

私の町は田舎で新幹線なんて無いし

バスも逃したら数時間前待たなきゃいけない

それ程だったから、遊ぶ場所は少なかった

だけど森があったから

私たちは良く森で遊んで汚れて帰っていた

雪の降る日恋菜と森へ入って遊んでいた

恋菜はその日少し落ち込んでいて

私が恋菜を慰めながら遊んでいた

恋菜に誘われて森の少し奥で遊んでいた

「私ね、ひろくんのこと好きだったんだ」

ひろくん、その時私が付き合っていた

男の子だった、

「え、と」

私は混乱して後退りしていた

「だからさ、かほちゃんが死んでくれたら、

私がひろくんと付き合えるかな、って」

後退りする私を追い込む恋菜

その時恋菜ちゃんが雪玉を持っていた

「!」

その時

恋菜ちゃんが私に向かってその雪玉を当てた

その雪玉は雪玉じゃなく

中に少し大きめの石が入っていたのだ

「え、いたい、なんで、」

私はそのまま倒れていた

その周りには大きめの石があった

雪に紛れて見にくかったけれど

私が倒れた時その石が当たり足や手が痛かった

「私、、ごめんね、ちがうの、」

恋菜は口を抑え後退りしていった

きっとここら辺に石が集まっているのを

知って私をここに寄せていたんだろう

頭に当たった石と、ゴツゴツしている

石に横たわって雪に埋もれていく私を

恋菜は暗くなった目で見つめていた

そこで私の意識は暗転した

その後恋菜はひろくんと付き合ったのかな

その後わたしは見つかったのかな

それとも

 ̄清水森小学校 ̄森山夏帆 ̄灰堂恋菜 ̄

 ̄青森県 ̄白神山地 ̄武藤裕史 ̄

以上

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