第3話 拳に誓いを

クレイとの戦闘の後、ライゴは寮の屋上で一人うつむいていた。


ライゴ

「結局、操られた生徒を助けられなかった…【 破壊拳クラッシュ】って、壊すだけで…何も生み出せてない気がする。」


(静かな風の中、足音が近づく)


海馬

「何言ってんのよ、バカ!アンタがいたから助かった子だっているじゃない!それを壊しただけって、自分で決めつけないでよ!

‘壊す’って全部悪いことじゃないの。閉じた扉をこじ開けたり、道を切り開くのも壊すことなんだよ。だからアンタの【破壊拳クラッシュ】は、希望の扉をこじ開ける拳なんだ。」


ペリー先生

「その通りだ。」


ライゴ

「でも、このままじゃダメだ…。俺はもっと強くなりたい…」


ペリー先生

「自分でもわかってんじゃねえか。じゃあ俺が教えてやる。何かを護るための拳ってやつをな。着いてこい。ライゴ。」


ペリー先生はライゴ▪️海馬を寮にある地下一階の訓練所へと連れていった。


ライゴ

「すげぇ。寮にこんなとこがあったなんて。」


そこには色々なトレーニング用具が揃えられていた


ペリー先生

「まず聞け。ライゴ。お前は推進力エネルギーというものを知っているか?」


ライゴ

推進力エネルギー?」


ペリー先生

「ゲームで言うMPみたいなもんだ。破壊拳クラッシュは強力な力だが、推進力エネルギーの消費が激しすぎる。お前は全身に無駄な推進力エネルギーを巡らせてるから、撃った後にヘロヘロになる。」


ライゴ

「え、そうなんスか…?」


ペリー先生

「簡単に言えば――

▪️動くと推進力エネルギーを少しずつ使う

▪️推進力エネルギーを“集中”させるとその部位 が強くなる

▪️推進力エネルギーの量には上限がある

▪️推進力エネルギーを回復するには呼吸を整える。

▪️お前の拳は、推進力エネルギーを拳に集中してるから強い

▪️でも今は“全身”に分散してて、無駄遣いになって

る」


ライゴ

「なるほど…ようするに“ピンポイントで力を入れろ”ってことか!」


ペリー先生

「そうだ。だが、拳に集中すれば他の部位は無防備になる。それを理解した上で使え。よし、次は特訓だ。俺がさっき言ったように、拳だけに力を入れてみろ。」


ライゴ、静かに目を閉じる。脳裏に浮かぶのはアクムの姿


ライゴ

「俺は…兄貴アクムを連れ戻す…!絶対に…!」


ライゴ

「ハッッッッッ!!!!」


ビリビリと空気が震え、ライゴの拳に青白いオーラのような推進力エネルギーが集まっていく


ペリー先生は目を細めた。


ペリー先生

「――ったく…最初でここまでとはな。やっぱあの家系はバケモン揃いか。よしっ次はこの壁を殴れ!!!」

ライゴ、息を整えて構える


ライゴ

「【破壊拳クラッシュ】ッ!!!!!」


バーンッッ!!!!!

空気が震える。拳から走った衝撃は壁に直撃し、一瞬のうちにコンクリートが“爆ぜる”。

破片が四方に飛び散り、空気に白い粉塵が舞った。


海馬

「なっ…!? 壁が…!」


ライゴ

「これが…俺の力…!」


ライゴは自分の拳を見つめた—。


ペリー先生

「よし、今日はここまでにしとくか。力の使い方、少しは分かっただろ」


ライゴ

「あぁ、なんかコツが掴めた気がする!」


ペリー先生

「だがまだ“本当の破壊拳クラッシュ”には程遠い。次は“動きながら”推進力エネルギーをコントロールする訓練だ。動けば動くほど推進力エネルギー減る。それでも撃てるようになれ。」


海馬

「ライゴ……絶対、あのアクムを連れ戻そうね」


ライゴ

「ああ。絶対にな」

ライゴは拳を強く握った。

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???

「ライゴくん…力を覚え始めたようですね。放っておいていいんですか?」


アクム

「構わない。どうせ俺には届かない。今のままじゃな…そうだ。ベン…命令を言い渡す…。街の発電所を壊して…電力を遮断してこい…。」


ベン=クラグ

「分かりましたよお頭ァ!!このベン=クラグにお任せ下さい!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回予告 その拳に、存在理由を

ガルフストリートの幹部ベン=クラグが現れたって!?今度こそ俺の拳で…守ってやる。

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近況ノートにキャラクターデザイン載ってます。よかったら見てください。


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