異母姉に婚約者を奪われ、婚約破棄されたエリーゼは、王子殿下に国外追放されて捨てられた先は、なんと魔獣がいる森。そこから大逆転するしかない?怒りの復讐劇が今、始まる!
第27話 岩宿ダンジョン3階層、古代遺跡
第27話 岩宿ダンジョン3階層、古代遺跡
岩宿ダンジョン――砂に埋もれた古代遺跡のようなこのダンジョンの三階層は、荘厳な神殿の姿を保っていた。柱の一本一本に古代語のような文字が刻まれ、天井には星の意匠が輝いている。
しかし、そこに神聖さなどなかった。
「……拙者、やはり帰るべきではござろうか。これは……きっと死ぬ流れでござるよ……」
青い髪を揺らし、ダリルがぷるぷる震える。眼鏡の奥の目は涙目だった。
「大丈夫だって。わたしたちならできるよ。ね?」
桃色の髪をポニーテールに結んだ少女、エリーゼ=アルセリアがにっこり笑って、ダリルの背をぽんと叩いた。
「ボクは帰る選択も否定しないけどね……でも、あの銀の牙の人たちの顔を見て決めたよ」
金髪をかきあげ、ナルシスト全開のアリスターが頬杖をついた。
「オレは乗りかかった船だと思ってる。ここで逃げたら、胸張って冒険者名乗れねぇだろ」
筋肉隆々のマスキュラーが剣を肩に担ぎ、前を睨む。
――貴族令嬢、ラフィーナ嬢が捕らえられている。
それを聞いたとき、銀の牙のメンバーは何も言わずに頭を下げた。
「……お願い、彼女だけは……」
あの時の目を、ダリルは忘れられなかった。
「拙者も……見捨てることなどできぬでござる……!」
ダリルが小さく呟いたときだった。
空気が震えた。
ギィィ……という、金属を擦るような音。
神殿の奥、祭壇の前に現れたのは、漆黒のマントを羽織った一人の男――魔族だった。
「ほう、こんなところまで来るとは。感心だな。だが、ここで終わりだ」
その目は冷たく、皮膚には魔の刻印が浮かび、全身から黒い霧のような魔力を噴き出していた。
「みんな、構えて! 来るよ!」
エリーゼが叫び、瞬間、戦いが始まった。
マスキュラーが突撃し、剣を振るうが、魔族は指先一つで魔法陣を展開し、衝撃波を飛ばす。
「ぐあっ!」
壁に叩きつけられるマスキュラー。しかしすぐ立ち上がる。
「効かねぇなァ……これでも筋トレだけはしてきたんだ!」
アリスターが詠唱を終え、雷の槍を放つ。
「――穿て、雷精の
雷撃が魔族の防御結界を貫く。だが、その奥で魔族は微笑んでいた。
「ぬるい。所詮は人間の魔法か」
ダリルは震える手で祈りを捧げる。
「光よ、導きを……
仲間に防御の加護が与えられ、魔族の反撃を防ぐ。
その間に、エリーゼが前に出た。
右手は金に、左足は銀に輝いている。
「ラフィーナ嬢を返して! わたしたちは、誰も見捨てない!」
疾風のように駆け、魔族の腹に剣を突き刺す。黄金の右腕が魔力を増幅し、剣は深く喰い込んだ。
「ぐっ……この娘……!」
「……甘く見ないで。わたし、前世では剣道三段だったんだから」
――それは誰にも聞こえない小さな独り言。
魔族は傷を負いながら、暗黒の瘴気を展開する。
「このままでは……っ」
その時、ダリルが叫んだ。
「神よ、我に力を――浄化せよ、聖なる光よ《セイント・レイ》!」
天井が輝き、光が差し込む。魔族の瘴気が焼かれ、苦悶の声が響いた。
その隙を、マスキュラーが逃さなかった。
「これがオレの本気だぁあああっ!!」
全力の渾身の剣が魔族の肩を斬り裂く。
「……チッ、これ以上は不利か」
魔族は苦悶の声を上げながら、空間転移魔法で姿を消した。
直後――
「う……うう……」
奥の祭壇で、ボロボロの服を着た少女が囚われていた。
「ラフィーナ嬢!」
エリーゼが駆け寄り、拘束を解く。
「……ありがとうございます……あなた方が、助けに……?」
「うん。もう大丈夫だよ。わたしたち、スプレーマムが迎えに来たんだから」
ラフィーナは涙を流し、エリーゼの胸に倒れ込んだ。
神殿に残ったのは、戦いの余韻と、彼らの新たな絆だけだった――。
【エリーゼ=アルセリア】
レベル:36
HP:584
MP:317
攻撃:662【439+剣225】
防御:853【428+上下425】
早さ:837【627+脚210】
幸運:100MAX
スキル:──剣聖──フェンリルの加護 金龍の加護
装備:武器 テオドリック帝国 王家の剣
防具 上半身 剣聖のドレスチェスト
下半身 剣聖のレッドプリーツ
脚 剣聖のブレイズブーツ
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